二匹の猫の物語
初投稿になります。どうぞよろしくお願いします。
ここは、日本のとある小さな町。
その町の小さな空き家に二匹の猫がいた。
猫たちは生まれてからある人間に拾われ、その人間がある事情でいなくなったため、野良猫となった。
二匹は仲がいいらしくずっと二匹でいる。
片方の猫は性格はメス。臆病な性格で、外を歩くときはいつもビクビクしている。
体毛は黒色と黄色の模様がある。
名前はアロマという。
もう片方のオスの猫は足が虎のような縞模様で体も縞模様に近い。
全体的に黄色の体毛が生えている。
喋り方にも猫らしさがあり、語尾に必ずと言ってよいほどニャとつける。
性格はとても明るく、ポジティブである。
そんな彼の名前はアンリだ。
そんな二匹の一日が今日も始まる。
二匹のねぐらは同じ場所にある。
二匹はいつも一緒なので、寝るときも一緒なのだ。
「おはようニャ~」
アンリはあくびをしてからそういった。
「うん、おはよう…」
アロマは昨晩眠れなかったのか、眠そうな顔をしている。
ふぁぁ…とあくびもした。
「アロマ、なんだか眠そうなのニャ…」
アンリは眠そうな彼女の様子を見て言った。
「昨日、眠れなかったからかな…」
もう一度アクビをしてからそう言った。
アロマは眠そうな目をこすりながら、アンリを見た。
「二度寝するかニャ?」
彼はそう聞いてみた。
「ううん、大丈夫…だと思う」
眠い目をこすりながらそう返す。
その様子は大丈夫ではなさそうだが…。
「…少し眠ったほうがいいと思うニャ」
アンリはそう提案してみる。
「…うん」
アロマはわかったというふうにうなずくと、少し眠ることにした。
目を閉じて眠りについた彼女を近くで見るアンリ。
「…こうしてじっくり見てみると、寝ているときの顔もかわいいニャ」
なんて言いながら、顔を眺めている。
ずっとそうしているわけにもいかないので、あたりへの警戒は欠かさない。
しかし、この路地裏に来る野良犬や野良猫は少なめだ。
縄張りを取られることは少ないだろうと、アンリは考えている。
そしてそのまま時間が経ち、夜になると…。
ぐっすりと眠ったアロマが目を覚ました。
「…何かあったりしなかった…?」
「大丈夫だったニャ。もし何かあったら僕が君を守るから大丈夫ニャ」
アロマは不安そうな様子だったが、彼のその言葉を聞くと安心したようだ。
「‥うん、ありがとう」
アロマは嬉しそうな様子で微笑んだ。
そして二匹は餌を探すことにした。
いつも餌を探すのは二匹一緒に行う。
片方でも離れた場合、安全確認ができなかったりするためだ。
「今日は何を食べるかニャ?」
彼はアロマに聞いてみた。
「うーん…お魚がほしいかも」
少し考えるような仕草をしたあと、思いついた様子でそう答えた。
「了解ニャ!じゃあお魚さんのいる所に出発進行ニャ!」
アンリはまるで遠足に行く児童のようにはしゃいでいる。
その様子を見て、アロマはくすっと小さく笑うのだった。
そして、たどり着いたのは町の魚屋さんだ。
ここの店主は猫が侵入することを絶対に許さない。
アロマはここの店主がすごく苦手なので、本当は来たくはないのだが仕方ない。
でもちょっぴり不安なので、アンリにそのことを伝えてみると…。
「それじゃあここで待っててニャ。すぐに持ってくるから安心するニャ」
にやっと嬉しそうに笑ったかと思えば、もう店の中に消えていた。
アンリは、店の店主がいない時間を知っている。
店主がいないときは、気弱な店員が変わりを担当することになっていた。
その店員は猫がすごく大好きらしく、野良猫に店長には内緒で餌を上げているらしい…。
そして今日もアンリが来たため、魚を分けてあげようとする店員。
しかし…
「…そこで何をしているんだ?」
運悪く、店長に見つかってしまったのだ。
「まずい…」
その定員は慌ててアンリに魚の刺し身を渡すと、アンリにさっさとここから逃げるように言った。
「わ、わかったのニャ」
逃げるのはアンリにとって得意分野だった。
気がついたときにはすでにアンリの姿はなかった。
「先程、猫がいたような気がするが…?」
店長は先程の猫が見えていたらしい。
「いえ、店長の気のせいかと」
店員は慌ててそう言った。
「…そうか?」
おかしいなと思っているような顔をしつつ、店長は店の奥に引っ込んでいった。
そのころ、逃げたアンリはどうしているかというと…
無事に逃げ切れたようで、うまくアロマのもとまで戻ることができた。
「ふぅ…ちょっと疲れたけど無事に帰ってこれたのニャ」
アンリの口より少し大きめの刺し身を二匹で食べた。
「…それにしても、よく逃げ切れたね…」
アロマは不思議そうな目で彼を見る。
「あの、店員さんが助けてくれたのニャ」
先ほどの事を思い出しながらそういうアンリ。
店員さんはすごく優しかったなぁ…と思いながらアンリは空を見る。
「‥そっか」
アロマはそれ以上、深くは聞かなかった。
そして数日後…
ある日のことである。
アロマは突然、この町の外に来たいと言い出すようになった。
臆病なアロマの口から飛び出すとは思えない言葉だった。
アンリは止めることもなく、むしろ一緒に行こうということになったのだ。
「でも、なんで突然町の外に行きたいなんて言い始めたのニャ?」
アンリは気になっていることを聞いてみた。
「…ちょっとした好奇心で…ね」
いつも不安そうなアロマの顔がぱっと明るくなった気がした。
「わかったニャ、じゃあ早速行ってみるかニャ」
二匹はお互いに顔を見合わせると、町の外に向けて歩き出した。
町の外へ行くのは案外簡単であった。
町の外までの道は単純なので、普通に行けばまず迷うことはない。
アンリたちは道に迷う事なくまっすぐ進んでいく。
途中で分かれ道があったが、他の猫に道を聞いてみたところ…
右と言われたので、とりあえず右に進んでみることにした。
その猫のいったとおり、町の外が見えてきた。
「あ、あれが町の外かニャ?」
アンリは首をかしげる。
「…気をつけてね、何かいるかもしれないし」
アロマは少し警戒をしているようだ。
二匹はあたりを見渡しながら、先に進んでいく。
すると…。
「おうおう、この先に進もうたってそうはいかんぞ?」
一匹の大きなブルドッグが行く手を阻んできたのだった。
「う…」
アロマは思わず体がすくんでしまう。
「大丈夫だニャ、アロマは僕が守るニャ」
彼はいつもの笑顔をみせて、ブルドッグに近づいていく。
「なんだぁ、お前さん。この俺が怖くないのか?」
ブルドッグは顔を近づけてきた。
しかし、アンリは動じない。
「うん、怖くないニャよ?」
ニコニコしながら、アンリはそう答えた。
「な…」
そのブルドッグは驚いた顔をしてアンリを見た。
アロマは少しだけ体の震えが止まったようだった。
「こ、こわくねぇのか…ほとんどのやつは俺の顔を見ただけで逃げ出すというのに…」
ブルドッグはショックを受けた様子でそう言うと…
「仕方ねぇ、通してやるぜ」
といった。
その後、町の外に出たのだが…。
二匹とも見知らぬ場所だったので、少し迷ってしまったのである。
その後、親切な人に地図を見せてもらった。
「これが地図っていうものかニャ…なんだか難しそうニャ」
地図を見たことない猫たちは少し戸惑ってしまったが、その人は丁寧に説明をしてくれた。
「…ありがとうございました」
普段、アロマは人には挨拶をしないが、今日だけはしっかりと挨拶をした。
それだけ、信頼できるということなのだろう。
「…そういえば、さ」
アロマは突然、町の外に出たかった理由を話し始めた。
実はアロマには会いたい人間がいて、その人間に会うためにここに来たというのだ。
「そうだったのかニャ…。じゃあ、一緒に探してみるニャ」
アンリは笑みを浮かべ、協力するといった。
アロマは一度その人に会っているので、顔はしっかりと覚えているという。
その覚えている顔を頼りに、町の外の見知らぬ場所を歩き回る。
しかし、なかなか見つからず…。
二匹とも諦めかけたその時だった。
突如その探していた人が目の前に現れたのだ。
「あっ、もしかして…」
アロマは嬉しそうに声をかけた。
その人はすごく優しそうな顔をしており、髪は黒い。
見た目から察するに、女性のようだ。
「フフ、また会えたね。隣の子は誰かな?」
その人はアンリを見ながらそう質問をする。
「僕はアンリですニャ。よろしくおねがいしますニャ」
嬉しそうな様子でそう返事を返すアンリ。
「ふふっ、アンリ…か。よろしくね」
そして二匹ともその女性の名前を聞いてみることにした。
その女性の名前は小百合といい、高校生だという。
小百合は猫を飼ったことがないので、二匹を飼い猫にしようと思っているようだが…。
二匹はその話を聞くとうなずき、喜んで飼い猫になることにした。
そして二匹とも小百合の家に向かうのだった。