仕立て屋とドレス
少し短めです。
アンネリーゼは悩んでいた。
侍女メアリーと、近々いらっしゃる殿下に会う時のドレスのことで
「アンネリーゼ様、最近の流行りはこの形です」
「私の好みではないのだけれども」
体のラインがハッキリしているドレスが現在流行りで、アンネリーゼが普段好んでるドレスはふんわりしているものが多い。
「デザイナーが1時間後にくる約束はしているので案を出して頂きましょう」
「そうね」
伯爵家愛用している仕立て屋が、
現在、とても人気で予約取るのが難しいらしい
名前を出せばすぐと言ってくれるけれども
「やはり、そろそろシーズンですからね、早めに仕立てたい方が多いのでしょうね」
「シーズン」
「アンネリーゼ様はもう、殿下という素晴らしい殿方がいらっしゃいますが、世のご令嬢は出会いを求めて必死ですのよ」
「まだ本当に結婚できるかわからないじゃない」
「ほぼ、決定じゃないですか」
「まだ婚約、破棄することもありえなくはないわ」
双方の相性がまだいいとはわかっていない。
出来るだけ控えめに、慎重に行動しなくては
考えてる最中、こんこんと部屋のドアからノック音が聞こえてきた。
どうぞと返事をし、メイドが失礼します、デザイナーのニーナ様がいらっしゃいましたが、お通しても?と
頷き、デザイナー、ニーナが入室した。
ニーナ
最近、伯爵領に限らず、王都にも人気のデザイナーだ
斬新かつお洒落なドレスやスーツ。
お客様の声を聞きつつ作成するので時間はかかるが、安心して任せられる。
「お嬢様、ごきげんよう、早速ですが、今回仕立てるのはシーズンのドレスでしょうか?」
「アンネリーゼ様、シーズンのドレスもニーナさんにお任せしたいと言っていますが、別件でお願いしたいことがあるとおっしゃっております」
「あら?てっきりシーズンのドレスのことかと、どんなものをご必要です?」
「ドレスにはドレスですが、王宮に通用するようなドレスを」
「あら、あら、王宮?アンネリーゼお嬢様、まさか」
「殿下と婚約されたので」
「!それはおめでとうございます。最優先にやらさせていただきますわ」
ニーナは採寸と王宮の流行りのドレスのパターン、社交界時代の流行りのドレスの違いを比較を出し、アンネリーゼの納得出来るドレス案を出してきた
「参内する時はプリンセスラインでおすすめしたいですが、動き回られるとしたら、スカートの部分を控えめにしてAラインにしてはいいかがかと」
「ドレスの色は殿下の瞳の色のサファイアブルーに致しましょう」
「メアリー」
「あえてこういうことをやるんですよ!アンネリーゼ様!」
瞳の色をドレスにするなんて...
「お嬢様の金色に合うかもしれませんね、サファイアブルー」
ニーナは頷き、色は賛成した。
それからフリルやリボンなどを話し合い、ほぼ決定して、出来上がりを数日後持ってくると去っていった。
ニーナが帰ったあと
お父様とお兄様が帰ってきて
「アンネリーゼ、殿下が1週間後に伯爵領にいらっしゃると」
1週間後、ドレスができる頃に殿下がいらっしゃる...
数週間ぶりの殿下、お元気かしら?
なかなかの進まなさ具合ですね
超展開ならないようにゆっくり進んでます