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明日やろうは馬鹿野郎

目の前にいる俺の担任の教師が先ほどからイライラしていることには気づいていた。ここでこの教師の言う通りにすればこの場は凌げることはわかってはいるのだがそれはしたくなかった。


「お前は一体どうしたいんだ?」


同じ質問が繰り返される。


「就職もいいなと思っているんですよね」


とりあえず答えたが教師が顔をしかめた。当然だ、高校二年生が終わるこの時期に進路が全く決まっていないのだから。俺以外の生徒はすでにそれぞれ進みたい道へ行くために勉強に励んだり、面接練習をしたり、自分の通知表とにらめっこをしたり、各々何らかのアクションを起こしているのだろう。しかし、就職をするのか進学をするのかすら決まっていない俺は何も始められずにいた。


「なら就きたい職種はあるのか?」


「いえ、まだ具体的なものはなにも」


平行線だった。一向に決まる気配が無い。


「もう勝手にしろ」


面談はお開きになった。

帰り道で俺には今後も進路は決まることはないんじゃないかと思えてきた。そもそも高校を卒業するまでに進路を決めないといけないのだろうか。卒業後一年間何もしなくても誰にも文句を言われない制度を作ったらどうだろうか。他の奴らは何を思って進路をきめているのだろうか、少しの努力で手が届く範囲のものを進路に決定して後悔はしないのだろうか。

子供みたいなことを家に着くまでずっと考えていた。きっと答えが出るのは何十年も先か、死ぬ直前、はたまた死ぬまでわからないのだろう。

しかし、俺の気持ちは全く沈んでいなかった。それは俺には困難に出会ったときには開き直る癖があるからだ。悩みが深刻になると「別に死なないからいいや」となるのだ。

その癖のおかげで助かることもあったが追い込まれることがないので何かを頑張ろうとすることが無くなってしまった。真面目に不真面目だった。それに加えて天邪鬼な性格が災いし、教師に嫌われるのが得意であった。これでは同窓会とかで会いにくいななどともはや進路とは別のことを考えていた。

高校を卒業した。

結果的に言えば進学したがそれは何かやりたいことがあるとか、とりあえず大学を卒業しておけば就職に有利であるとかそんな理由では無かった。

学生割引が無くなるのが嫌だったからだ。なのできっと飽きたら学校をやめるのだろうと思う。アルバイトと変わらない。もし、また卒業が近づけば高校生の頃と同じようなことを繰り返すのだろうと思う。

しかし大学生活で何かを見つけ自分が変わっていくんじゃないかと期待もしていた。

それを見つけるのは今ではない。明日の自分であり、未来の自分だ。

結論を未来の自分に押し付け俺は眠った。

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