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少年時代

思い返せばいつからだっただろうか

あいつとの戦いの歴史は・・・・・・。

最早、生まれた時からの因縁だったのだろう。

あいつが持てるものを俺は持たない

俺が持てるものをあいつは持たない

きっと、そのせいなのかもしれない。

互いが互いをどこかで嫉妬し、意識の外側で求めていたのだろう。

その戦いの一部、時を遡りその歴史を紐解こうか。




まずは、まだ作者が幼き頃のとある話

以下、SS風味です


これはフィクションであり、実在している団体、特定の人物とは一切関係ありませんでもなかったりあったり。



ある日のキッチンにて

姉「取っておいたプリン食べちゃったでしょ」

作者「へっ?あれおれの分じゃないの?」

姉「あれあたしのなんだけど」

作者「だって昨日見たときは2つあったじゃん」

姉「一つは婆ちゃんがたべたから残りはあたしのだよ、なんで食べちゃったの!!?」

作者「はぁっ!?(おれの分最初からなかったっ!!)」

姉「ほんとっ!、なにやってんの!!馬鹿じゃないの!!!?」

激怒する姉。あまりの激高ぶりに押し黙ってしまう作者。

作者「・・・・・・(プリン一つでここまで言われる上におれの分ってどこ)賞味期限今日だったし」

今思い返しても、これが姉の逆鱗に触れてしまったのだろう。

姉「ふざけないでよ!だから今日食べようと思ったんじゃん!!もうっ!!返してよ!!!早く吐き出してでも返せよ!!!!!」

それでも幼かった作者は一方的に言われることにイラついて言い返した。

正直、これが最大の過ちだったのだろう。

これが互いの引き際を失わせた。

作者「知らないよっ!姉ちゃんの何てっ。だったら名前でも書いておいてよ」

顔真っ赤にして、プルプルと震える姉。

やばいと思いつつもその時の作者は『謝罪する』というコマンドがあることを忘れていたのだ。

姉「・・・・・・っ!!!」

作者「姉ちゃんだってこの前おれの朝飯のぱん食ったじゃんか」

姉「うっさいっ!!あれはいいのっ!名前だって書いてないじゃん、あたしも朝ぱんたべるもん」

作者「プリンだって名前かいてなかったじゃん」

姉「あれはあれ。プリンは違うもん!!取っておいたんだもん!!!」

白熱する子供の喧嘩は収まりどころを知らず。

ここから普通の家庭なら殴り合いでもするか、どちらかが泣くまで続くのか。親が出てきて言葉で宥めるのだろうが作者宅は違う。


ドンッ!ガシャンッ!


作者達を目掛けて様々なものが飛来してきた。

クッション、ペン立て(ペン数本withリモコン)

婆「あんた達うるさいっ!近所迷惑でしょ!!!!!」

婆ちゃんが作者たちよりもでかい声で咆える。

喧嘩を止め黙らせるため実力行使である。

姉「だって■■があたしのプリン食べちゃったんだもん!!」


ザスッ!!


作者の足元に刺さるハサミ(何故!?)

それでも黙らない姉に業を煮やした婆ちゃんが作者にハサミを投げたのだ。(なんで!??)

婆「食い物で喧嘩するんじゃないわよ!!また買ってくればいいでしょ!!?」

これで姉は黙り込み自身の部屋へと戻っていくことで事なきを得た。


後によく考えてみた。

プリンを買う際に作者はいたのだ、プリンを3つ買ったのだ。

故に作者の分は会ったはずなのだ。

一つは婆ちゃんが食べるのを作者は見た。

一つは作者が食べた、そして姉は激怒した。

一つは姉が婆ちゃんが食べるのを見たと言っていた。

つまりは、元凶婆ちゃんじゃねっ?って話。

作者の中に多少しこりは残ったものの、自身に非はなく、とりあえずは事件に巻く引き去れたものだと思っていた。



数日後の日曜日、


爺ちゃんは仕事で帰ってこない。

婆ちゃんは友達と旅行に行くと言われ、姉と二人で留守番することになった。

初めての留守番というわけではなく、たまにあることだったのだが。

それは作者にとってトラウマになるほどの恐怖の夜だった。

少年野球の試合を終え、水泳教室で数時間泳ぎ疲労度マックス。

家路につくと、いつも通りに遅めの夕食をもそもそと食べ、明日の支度をしてテレビも見ないでそのまま眠りにつくのだが・・・・・・その日は少し違った。

家の前に着くといつもなら部屋の明かりがついているはずなのだが

姉がいないのか、電気がついておらず門にも鍵が掛かっていた。

鍵を持っていなかった作者は門のノブに足をかけて門を乗り越える。

ただでさえ疲れた身体にはきつかったのを覚えている。

そして、玄関に手をかけると当然のように鍵が掛かっていた。

いつもならここで小屋に隠しておいた合鍵で開けるのだが・・・・・・。

作者「あれっ?」

鍵がみつからない。たまに、婆ちゃんが自身の鍵に代わりに持っていくことがあるから特に気にしなかった。

そこで、意変に気づけばよかった・・・・・・。

まだ幼く疲れた体と頭ではそれを考えることが出来なかった。

しょうがないと、いつも鍵をかけていない2階の自室から家に入ることにした。

作者「っく、んっしょ」

雨樋や窓枠を器用に手足を掛けて何とか自室に入ることが出来た。

作者「ふぅ、疲れた」

自室に入ると靴を脱ぎ捨てて、膝と両手をついて体力の回復を待った。

よりにもよって疲れた身体でこういったことをするのは勘弁してほしい。

作者「くぅっ、腹減った・・・・・・」

一度玄関へ靴をおきに行く中で、誰もいないのかと見てみた。

玄関には自身の靴しかないことからまだ姉が帰っていないとわかった。

比較的家族の中でも自分が最後になることが多かったので珍しい。

作者「今日は姉ちゃんいるって言ったと思ったんだけど遊びに行ったままなのかな」

とりあえず、玄関と門の鍵を開けてから食事をするためキッチンへ。

作者「あれっ?」

婆ちゃんに今日は何か用意してから旅行に行くと言っていたのだが冷蔵庫の中にはおかずといえるようなものはなかった。

あるのは冷や飯が少し、それ以外で料理が出来なかった作者にとって食べられるものがなかった。

強いていうならば、使えるのは卵とお茶漬けの素だけ。

塩っ気がほしいとお茶漬けでご飯を食べることにした。

そして、ここでも気づくべきだった。

ゴミ捨て箱の中に作者の夕食が捨てられていたことに・・・・・・。

ずるずるっと流し込むように米を流し込んだ。

米を噛むのが億劫なほどに疲れていた。

普段だったら婆ちゃんか爺さんに怒られるところだが気にせず掻き込む。

作者「っはぁ」

とりあえずは落ち着いた空腹感に息が漏れた。

さぁこの後はどうしたものかとそこでようやく思考が巡るようになったが。

作者「んんっ~」

その時には特に考えることもなかった。

食器を水を張ったたらいにつけてから自室へ戻る。

作者「疲れた、眠い」

トコッ・・・・・・コトコトッ・・・・・・

作者「っん?」

何か物音がした。

自身の動きを止めてしばらく辺りの音を探る。

聴こえてくるのは外の風と虫の鳴き声。


・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・。


作者「・・・・・・ん~風かな?」

それ以上は考えずに明かりを消して、布団に横になる。

作者「たはっ~~」

横になると凝り固まった体中が弛緩するように力が抜けた。

静かな夜。

網戸からは少し冷たいでも穏やかな風が部屋の中を優しくなでる様だった。

目蓋が重くなって視界が暗くなとすぐに眠りにつけた。


・・・・・・・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・。


・・・・・・ッカチャ。


・・・・・・ッスル・・・・・・ッスル。


・・・・・・・・・・・・。


作者「ふんにゅ。」

少し眠りが浅くなり、よくわからない声を出してほんの少し目を開く。

そういえば明日の用意してなかった。

作者「(まぁ朝で大丈夫)ん」

軽く寝返りを打ってまた、目をつぶ・・・・・・


・・・・・・ットコ・・・・・・フゥッフゥ・・・・・・


耳元で何かが聴こえた。

確実に。目をぐっと開いた。

そこにはっ!!


作者「っは・・・・・・」

あまりに理解の外の出来事に息を呑んだ。

姉がいた。

作者が寝付いた後に家に帰ってきたのだろうか。

家に誰かいないか見に来たなどという様子ではない。

いや、問題はそこではない。

問題は姉の持っているもの。

姉が握り締めていた・・・・・・カッター。

刃を全部出した状態で。

怒りの表情で眠っていた作者を睨みつけていた。

それが、力任せに振り下ろされた。

作者「なっ!!?」

無理やりに身体を捻り布団から転げ出る。

寝ぼけていた頭が一気に冷めて醒めた。

姉「ック!!」

悔しげに枕を打ち抜いた刃を引き抜いて、もう一度と作者にゆっくりと振り被る。

闇に鈍く光る刃。

目の前にいる姉の瞳は夜の闇よりも暗く遠くにあるように感じた。

姉「・・・・・・プリン・・・・・・食べた・・・・・・」

作者「あっぁ・・・・・・」




これ以上のことを作者は思い出せない。

この後どうしたのか、何故無事でいるのか。

もしかしたら夢だったのだろうか。

穴の開いた枕に触れながら今日もそれを思い返した。


食べ物の恨みは怖いそういう話だ。



この話はフィクションであり上記に書かれた物語に登場する団体、特定の人物は現実に存在するのかどうかは・・・・・・プリンのみぞ知る。

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