ダイヤモンド
前書き
ダイヤモンド・・・それは、炭素で出来た透明な物体で、ルビーやサファイア、エメラルド等、色々な物がある
。これらは、手にしようとなると、高価な物ばかりで、中々手に入れる事が出来ない代物である。しかも、一番
硬いらしい。
が、それに勝るものが一つだけある。それは、奥村 真理絵自信である。サイボーグの彼女は、ヒヒイロノカネ
と言う未知の金属で出来ており、ダイヤモンドの刃でも傷一つ付けられないのだ。この辺りがどう関係して来る
かは、本編を読んで理解して頂きたい、と作者は願っている。
2006年9月○日、本日は、博物館で宝石の展覧会がある。
真理絵と新一は、今、そこへ来ている。
「うわあ、綺麗!」
宝石がズラッと並んでいるのを、端から順番に見ながら、真理絵が目をキラキラ輝かせている。
「ねぇ、この赤いの、何て言うの!?」
真理絵が新一に聞く。
「それは、ルビーだ。」
「へぇー。
じゃあ、この緑のは?」
「エメラルド。」
新一は、こうやって、真理絵の知らない事を、一つずつ教えて行く。
[ピンポンパンポン♪]
『これより、当展覧会主催のオーナー、報関 昭様より、ダイヤモンドのオークションが開催されます。参加者は、中央ホールまでお越し下さい。』
会場内に放送が入った。
「聞いた聞いた!?
オークションだって!
行ってみようよ!」
真理絵が騒いだ。
新一は、何か嫌な予感した。新一の嫌な予感は、何時も当たる。
「ねぇねぇ、行こ!?」
真理絵は新一を誘った。
が、新一は断った。
「行ぃかぁなぁいぃのぉ?」
真理絵は、拳をポキポキと鳴らしながら聞いた。
「い、行きます行きます!何処へだって付いて行きます!」
新一は、そう言わざるを得なかった。だって、そうだろ?真理絵に殴られたら、痛いだけじゃ済まされないからな。
こうして、二人は中央ホールに向かった。
『これより、方関 昭様のダイヤモンドのオークションを開催します!』
オークション司会者がマイクを通して説明をする。
その横に、ダイヤモンドが置いてあり、ムスッとした顔の男が、その隣で座っている。
彼がダイヤモンドをオークションに掛けた張本人である。
『では、1万円から開始致します。』
「1万円!」
女性が手をあげて言った。
「2万。」
続いて、男が言った。
「3万円!」
「4万円!」
そうして、値段はドンドン上がり、1億円までに跳ね上がった。
『い、1億円です!それ以上出す方、いらっしゃいますか?いなければ、落札とさせて頂きます。』
暫く沈黙が続き、司会者が落札を宣言しようとした時、真理絵が手をあげた。
「1兆円出します。」
「ま、真理絵!?」
真理絵の発言に、新一は驚いた。
いや、それ以前に真理絵が1兆円を持っているのか?
その通り、持っているのだ。
『い、1兆円です、1兆円!』
暫く沈黙が続いた後、司会者が落札を宣言した。
ま、マジで落札しちゃったよ!?
[バチッ!]
急な停電により、会場内が一瞬にして真っ暗になった。
[バリーン!]
ガラスが割れる音がすると、電気が復帰した。
「キャアアアア!」
会場内に女性の悲鳴が響いた。
『あ、ただいま、事故がありましたので、オークションは中止とさせて頂きます。』
司会が言うと、ステージに幕が下りてきた。
新一は、幕が完全に下りる寸前の所で、ステージに駆け込んだ。真理絵も、置いていかれまいと、一緒にステージに駆け込む。
「君たち、上がって来ちゃ駄目じゃないか。」
司会者が新一と真理絵の二人に言った。
が、新一と真理絵は司会者をアウトオブ眼中。二人は報関に駆け寄った。
新一は報関に触れた。
「(死んでる・・・刺殺か。)」
「新一君、これ見て!」
真理絵が割れたダイヤモンドのケースを指した。
新一はそれらを調べた。
「これ、ただのガラスだぞ!?」
「きっと、停電中に・・・。」
「そんな馬鹿な!?」
オークション司会者が飛んできた。
「何で、何でガラスに!?」
驚くオークション司会者。
一体、宝石は何処へ行ったのだろうか、報関を殺害したのは誰なのか?
全てが今、謎に包まれた。