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双子に仕えた武官の独白

作者: 楚兎

『いつだったか、もうとてつもなく昔の、ソウイ様に初めてお会いした時のことだ』


『あの時、ソウイ様を抱え上げた時、まるで雲を抱いているような気分になった』


『やわらかく軽く、あまりに白かったから、雲が人の姿を取っているのだとさえ思ったほどだった』


『胸から血を吹き出させ、青ざめた顔をしていたあのときも、夕暮れの雲のようだと不謹慎ながら思ったものだった』


『だがこの方は……ソウイ様に最も近いはずのソウラ様は、あの空高く浮かぶ雲ではない』


『苦しみも痛みも、悲しみも怒りも憎しみも、全てため込んで、勝手に相談もしないでそれらを一欠けらも忘れず、吐き出したりもせずに』


『勝手に傷付けたと思い込んで離れていって、癒やす術さえも自ら忘れてしまった』


『死にかけて脱力しきっているはずの体は、むしろあの頃のソウイ様よりも軽い』


『だが自分の罪だと思い込んで背負っているものに怯えている体は硬く、内側も暗く淀んでいる』

『雲は雲でも、まるでかなとこ雲のようだ』


作成日:2011/01/03 楚兎

まだ触りすら書けていないというのに、いきなりクライマックスすぎました。

ある日唐突に浮かんできたので、とりあえず書いておかないといけないと思ったのでつい……。

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