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半歩 ~守・破・離 短き刃 長き道~  作者: 止水


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第六十一話 交叉 ー未完ー

早咲きの梅が咲いた


今日より四日間

ランキング戦 本戦が始まる


来年度入学予定者を含めた予選を勝ち上がった総勢三十二名で開催される


入学予定者からは四名 初戦はランク上位者と当たる


本宮雪

春日一成

鷹宮蓮

新開地長治

この者が入学予定者を迎える


ーーーーーーーーー


第一試合

新開地の試合


間合いの読みあい… の後、

一合で勝負がついた

渾身の一撃が鎬ごと対戦者を斬りつけた


(やはり… 強い…)



春日は確信する。

――同じ手は、もう通用しない。


第二試合

雪の試合


それは――戦いではない。

まるで、演舞。

静かで、美しく。

そして容赦は、ない


第三試合

蓮の試合


蓮が相手を見る

決して手を抜くような雰囲気はない


対戦者が剣を抜く

反りが無い

長めの直刀



(ほぉ… 珍しい)


青眼に構える蓮


相手は臍眼…


間合いを図る



(悪いな… 加減はしないよ)


蓮は、一年生の時に入学前の雪に負けている


強い奴は強い

蓮が一番、体感している



僅かに蓮の間合いの外


大きく踏み込まれる


「…!」


片手胴突


鎬が僅かに遅れる


力任せに相手の刀を弾く


突きの引きが遅れた


蓮が間合いを大きく取る


(おいおい… やるじゃないか…)


油断はしていない


相手の拍子取りが上手かった


(ふう…)

呼吸を整える


(俺も… 未だまだ足りてない…)



だが

今、目の前にいる相手。


間合い取りなら澪の方が上手い

拍子なら春日の方が上手い

一撃の強さなら新開地の足元に及ばない


そして、

雪のような流麗さが無い


それなら

俺が負ける訳がないだろ


蓮が下段に構える


入学予定の相手は、再び臍眼


蓮は間合いを変え右下段に変化


変化の切れ目を突いてきたのか相手が踏み込む


蓮の誘いに乗らされた


蓮が下から切り上げる

相手の刀を巻き込む


そのまま撃ち込む


「一本」

「勝者 鷹宮」


二人とも開始線に戻り、礼を取る


(ふう… 俺らが卒業した後も…)

(この学園は、間違いなく面白い)


ーーーーー


第四試合


春日が武道場に立つ

腰には小太刀


相手は古流の使い手

腰には居合刀


お互いに礼を取り…



「はじめ!」


――瞬間。

春日が間合いを潰す。


相手が居合に入る前に――


柄を蹴る。


抜かせない。


そのまま踏み込み。


喉輪。


崩落。


「一本」


「勝者 春日」


その動きを観客席から見ていた御影と大石

「容赦無いね 春日くんは…」


「景子に蹴られるよりはマシだよ」



「あれ? 」

大石が春日を指さす


指差すその先 残心をとる春日

左手で鞘を押さえていた

下緒もしっかりと帯に


「まさか…」

(春日くん、まさか抜く気だったの…)



澪も武道場の横で見ていた

「ほー 春日 一段、上げてきたな」

(拘り… 落としてきたか…)


武道場より春日が降り控室へ向かう


澪に気が付き、軽く会釈


澪も軽く手を挙げ、答える


ーーーーーー

「さて…」

澪が試合の準備を始めた


相手は第五席の松陰洋子


長身 二刀流


澪をライバル視している


先に武道場に上がったのは松陰

気合が見て取れる


澪も遅れて上がる

いつもと変わらぬ雰囲気


ともに開始線に


「はじめ!」

松陰は大きく見合いを取る


二刀 抜刀に時間が掛かる

開始ともに踏み込まれたなら松陰には不利


間合いを取り抜刀する


澪は静かにその動きを見ている

動かない…


上下の構えで、松陰は澪との間合いを詰める


澪が柄に手を掛ける


お互いに間合いの外


止まる


松陰が十字に構えを変える

澪の抜き打ちに交差法で切り返す構え


居合に対して真向から斬り伏せる気位が見える


澪は動かない


場に静寂が流れる



二人の間は

四間…



澪が動いた


「…!」


手裏剣が松陰へ


澪の予想外な攻めに体勢を崩す松陰


手裏剣――二本。

時間差。


影打ち。


咄嗟に右手の小刀で払う


交差法が取れない


澪の抜き打ち


的確に松陰の右胴へ



「一本!」


崩れ落ちる松陰…


澪は開始線まで下がる


松陰は立てない

悔しさが肩の震えで見て取れる



澪は礼をとる


武道場から下がる


下がった後、観客席へ目を向ける


目線の先は御影



ーーーーー


「え!」

影打ちを見て御影が思わず声を上げる


湊川先輩、私をどれだけ驚かすの


「江梨子、今の打ち方… 」


「そう、あの打ち方…」


湊川先輩は、私と鷹宮先輩との練習試合

真摯に見てくれてたんだ


見向きもされてないと思ってた


相手にされてないと思ってた。


そして、今 私を見てくれてる


「早希……私……」


「うん、分かってる」


「……泣きそう」


「もう泣いてるよ」














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