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半歩 ~守・破・離 短き刃 長き道~  作者: 止水


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第五十九話 和 ー輪ー

今から3か月前…



「で?」


先に口を開いたのは、澪だった。


「どう思ったの?」

カフェオレをひと口。


すぐには答えない。

「……強いね、あの空手の女の子」


短い評価。

「うん」


蓮も頷く。

「強いだけじゃあ、じゃ足りないかな」


少し、間。


「“噛み合わない”」


澪が視線を上げる。

「春日と?」



「あぁ…」

蓮は、指先でテーブルを軽く叩く。


「でも彼女は、“間合いを信用してない”」

蓮が続けて話す


「距離を詰める技術じゃない」


「距離があることを前提にしてない動き」


澪はカフェオレを見ながら

「そりゃあ、噛み合わないわ…」


ーーーーーー


バシ!


「道場でナンパするな!!」


先輩に蓮が叩かれる


「違いますよ。」


蓮の横には

女子高校生が三人


ただし、三人ともそれぞれの道着を着ていた

御影と弓場

それに剣士学園の一年生 大石早希 


「ゴメンね 早希… 付き合ってもらって」


「いいのよ 江梨子と景子も一緒だし 」

小声で…

「それに、鷹宮さんと…」


どうやら大石は鷹宮先輩と一緒に練習できることが嬉しそうだ


「で? 彼女達は?」

先輩は、蓮が理由もなく呼ぶことは無いと解っていた


「はい! 俺の組手相手をお願いしてます!」


「此処は、渦が森流の道場だ。」

「他流は、ほどほどにな。」


ーーーーーー


「ふう…」


蓮が座り込む


「流石に… 疲れたよ」

「大石さん、だね。 君、面白いね。」


「ありがとうございます!」

名前を呼ばれて大石は嬉しそう。


「でしょ! 早希は一応、推薦入学だからね」

御影が少し自慢げ


「へー。凄いね 大石さん。」


大石は学園では、御影と一緒にいることが多い


「でも。片手の形なんて珍しいねぇ。」


「はい… 古い流派なので…そんな動きも…」


御影は気付いていた… 当然、弓場も…

蓮先輩の…私たちを呼んでの練習


明らかに 小太刀を抜いた春日への対策だ


御影は真っ直ぐ連を見ながら

「鷹宮先輩… 優勝する気ですね…」


道場の空気が変わる…

思っていても誰も口にはしていなかった


そんな雰囲気を打ち消すように

「当然だろ!」

明るく笑う


「なんせ、最後だぜ! もう次席は飽きた。」


笑い顔の中に闘志を感じる

「勝って… 胸を張って卒業だ!」



バシ!


竹刀が蓮の頭に


振り返ると先輩…


「ほー、俺の前でよくぞ言ったなあー」


(あっ… やべー)

先輩は剣士学園で最後まで首席を奪えなかった…


「いえ… 先輩の仇を俺が…」


バシ!

再び竹刀が蓮の頭に…


「それなら、取ってこい!」

先輩は嬉しそうに連を見ていた


ーーーーーーー


「おい…」

「なんで、こんなに居る?」


新開地は、呆れたように蓮達を睨見つける

蓮に御影 弓場に大石…総勢四名

おまけに全員道着に着替えてる


「いや。このほうが楽しいだろ… お互い」


新開地は無言で蓮達を見る


御影と弓場は笑ってる



後ろで上級者であろう人が声を掛ける

「此処は自由参加か基本だ 許してやれ 新開地」


「しかし…」


ーーーー


「新開地先輩 ありがとうございました」

大石が深々と礼をする


新開地の重い一撃

片手では支えきれず、何度も刀を飛ばされていた



「新開地君って、本当に剣士なんだ!」

弓場が声を掛ける


「え? どういう事?」

新開地の横にいる蓮が、弓場の顔を見る


「新開地君ってうちの道場にも来てるんだよ」


「初耳だぞ 隠してたな〜」


新開地は無言


「空手の持つ 一撃必倒 正に新開地君だね」


「へー。なる程…」


蓮は新開地の顔をマジマジと見る


「何だ?」

新開地は少し怪訝そうに言葉を返す


「流石! 俺の好敵手! やるなぁ。」


新開地は無言

少し嬉しそうにも見える


蓮が新開地に

「大石さんに何かアドバイスは無いのか」


大石も新開地の顔を見る


新開地は…またも無言…


かと思いきや


大石に身体を向き直し

「間合いを騙す 潰す 相手の動きに付き合わない」

「そして、打つ時は ためらわず…強く」

「そうすれば、片手でも勝機はある…」


再び大石が頭を下げて

「ありがとうございます。」


蓮が

「助言なんて優しいねぁ〜 どうした?」


新開地は暫く無言

そして一言

「春日に俺がやられた事だ…」


そう言うとゆっくり蓮の顔を見る


ーーーーー












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