表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

1.サルモン神殿・高司祭フラーマ

各地にある至高神の神殿においても、この水の都の神殿を訪れる者は多い。

古の時代に大地母神フィーナの使徒である精霊ウィンディーネたちがアスガルドを潤すために大きな湖を築くと、各地に潤いをもたらし大地に恵みを与える。

そこのぽっかりと浮かんだ島に神殿が造られ、時とともに沈むと沈んだ神殿であるのに天空の神殿とも呼ばれたサルモン神殿はサイラ―ジュに移転したという形式で地上で大きく再び作り上げられた。


別の文献ではこうある。

地上の湖に浮上し、再び沈んだとも書かれている。


この大地において絶対的な神はこの至高神レイアを示す。

そして、サルモン神殿と神殿騎士団は裁判所と警察、検察を兼ねている組織だ。

神の名のもとに裁定がくだされる。


その白い法の神殿に場違いな黒い影が現れた。

一見、「魔の者ではないか」とすれ違う者が振り返る。


場数を踏んだ傭兵風の男である。

飾り気のまったくない黒い塗装の剥げた鎧にマント。

分厚い大剣を背負い、待合室を抜けて神殿の奥へ。


そして聖域と言われる礼拝堂にて男を待つ白い光。

豊満な肉体を白い法衣で覆う一人の女性を中心に左右に琥珀色の鎧で武装する騎士たちが立ち並ぶ。

高司祭と神殿騎士たちである。


挿絵(By みてみん)

「サルモン神殿にようこそ、歓迎いたしますわ。元帝国6将軍がひとりアレフ中将。いえ、剣士様とお呼びしましょう。私は諸事情により、大司教の代理を務めます高司祭フラーマと申します。今回の依頼責任者です」

高司祭に神殿騎士が巻かれた羊皮紙を渡すとそのまま彼女は黒い剣士にそれを手渡した。

「ローザリア国王の正式な依頼書です。お納めください」

男は受け取った依頼書を一目見て、折り込むと無造作に雑嚢に突っ込んだ。

「問題ない」

「お恥ずかしい話です。この界隈にドラゴンが現れましたの。ですが、残念なことにサイラ―ジュで予算がありませんゆえ、ローザリア本国を頼った結果、最高司祭ギメル様が貴方宛の紹介状と国王陛下からの正式な依頼書をしたためてくださいました」

「サルモン神殿が聞いて呆れるな。信者と書いて儲かると読むのではないのか?」

「貴様っ!!」

ひとりの神殿騎士が腰の剣に手を掛け、黒い剣士は「抜いてみろ。まさか、刀身のない議場用の剣なのではあるまいな?」と煽るが、「構いませんよ」と高司祭が場を仲裁した。

「私は嬉しいのです。命を落とすかもしれない戦いに身を投じてくださるなんて。先の大戦では貴族連合軍を勝利に導いた、わが神殿騎士たちをも屠った恐ろしいドラゴンですのよ」

若くして高司祭になり、ヴァルキリーの錫杖を継承した後の大司教を期待されている彼女の冒険者に依頼する提案に周囲は大反対をしたが、ローザリア最高司祭の書面がある以上、神殿騎士たちは納得をするしかなかった。


そして、フラーマは黒い戦士に近づくと耳元で囁く。

「ドラゴン討伐の暁には私の純潔を剣士様に捧げます。必ず、ドラゴンを斃し、サイラ―ジュを平和へとお導きください」

フラーマは黒い戦士の手を取ると「こちら」へと彼を別室に案内した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ