OP1//サイラージュの女神
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その神殿は湖に沈むように建っていた。
名を水の神殿サルモン。
水のクリスタルを祭るその神殿は至高神を崇拝する教団が古に建てたものだ。
正四角錐すいの外壁は魔法の加護なのか、水を神殿内に通していない。
そして、このような場所に建つ神殿に、足を踏み入れる者はいないはずである。
しかし、そこに訪れる者がいた。
正確に言うならば、成人したばかりと思われる若い女性。
手にする長柄の杖は神器ヴァルキリーと呼ばれ、かつて古の魔法都市サルモンの神官が使用し、最高位Sランクの神聖魔法が封じられているという。
豊満な肉体を覆う白衣は至高神の高司祭の法衣。
流水のような青い髪。。
至高神もしくは大地母神が地上に降り立つならば、彼女のような姿であろう、そんな女性である。
彼女が歩くたびに神殿が歓迎するかのように白い灯が照らす。
一番奥には祭壇がある。
そこには至高神の像がある。
「レイア様」
女は懺悔をするつもりで、女神の許しと許可を得るためにここに訪れた。
彼女は祭壇に箱を置いた。
その箱には小さな生物が一匹入っていた。
彼女が育てていたイモリである。
その箱に黒い硝子のような何かの欠片を入れる。
「かつて一匹の低級オルグが、この秘宝を使いヘカトンケイルなる魔神将と化し、人々を恐怖に陥れ、自らを魔王と名乗ったという……」
オルグどもはヘカトンケイルを勇者と呼んだそうだが…。
女性は呟くとヴァルキリーの杖をかざした。
「偉大なる至高神レイアよ。恐れながら具申致します」
女は祈る。
箱の中から黒い瘴気が舞い上がった。
安堵と成功を予感した女は目の前で起こる奇跡を前に語り始めた。
「水の都市には死の制裁が必要かと……」




