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茶子さんの返事
寿司夫は夕飯を食べて、いつものように和室でゴロゴロしながらスマホでニュースを見ていました。
そういえば、スマホではニュースは『読む』というよりも『見る』のほうがしっくりきます。
きっとスマホから得られる情報量が多すぎるので、サラサラと流し見するほうが寿司夫にとっては楽なのでしょう。
そういえば茶子さんの気配がありません。
これは茶子さんの特徴です。
いつも、何かに集中してる時はその場から居なくなったみたいになります。
もちろん家のどこかにいるので安心なのですが、一応、存在を確認します。
「茶子さん」
まあまあの音量の声で呼びました。
世間一般的には、
「なに?」
という返事が1秒以内に返ってくるのですが、茶子さんの場合はそれとは違ってだいたい返事がありません。
結果、寿司夫の声が部屋の空気に染み込んでいっただけの虚しさ……。
この感じ、何年経っても慣れない寿司夫でした。




