シャリベンシャリオ
気圧の変化は疲れます。
寿司夫が小学4年生の時のお話です。
季節は忘れたのですが、3週間だけ謎の人物が存在していました。
みんなからは、【シャリベンシャリオ】と呼ばれていました。
けれどもその姿を見た者は、結局いませんでした。
シャリベンシャリオの名前はいつも突然現れます。
小学校のお昼休憩の時、隣のクラスの子が、「興南市場の近くにシャリベンシャリオがおるらしいで!」
と騒ぎました。
今、考えたら隣のクラスの子はその情報を誰から得たのか謎ですが、その時はシャリベンシャリオを1度でいいから見てみたいという願望のほうが強くて、とにかく学校が終わったら男子の10人くらいは興南市場に走って行くのでした。
ちなみに寿司夫はその中に含まれていません。
というのも集団行動が苦手なので、唯一の友達の太一君と2人で他の道を走って行くのでした。
寿司夫は太一君の名前の漢字を知らなかったので、頭の中で勝手に魚の鯛に一でたいいち君だと思っていました。
興南市場に着いたのはいいのですが、どこを探してもシャリベンシャリオは見つかりません。
いつものことです。
それは、福井池公園の時もあれば第一住宅のグランドの時もあったりと様々でした。
「やっぱり来るの遅かったんかなぁ」
残念そうに、太一君は言いました。
「ほんまやなぁ」
「今度はもっと早く走ってこよな」
「うん」
そして寿司夫と太一君はトボトボ歩いて帰ります。
ふと、太一君が言いました。
「明日って体育の授業あった?」
寿司夫はどっちだったか覚えてなかったけれども何となく、
「ないで」
と答えました。
寿司夫のそういう適当なところを太一君は嫌いでした。
ありがとうございました。




