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意外とよく話す人でした



アネッサが運んで来たお茶と、オーランドさんが持って来たお菓子を執務室でいただく。

相変わらずアネッサが淹れてくれたお茶は美味しいし、オーランドさんが持って来た焼き菓子も最高に美味。

しかしその最高な物が霞む程に蒼の瞳をキラキラ輝かせる向かいに座るイクスに、私は眉間に皺を寄せてしまうのが止められなかった。



「ミヤはどんなお菓子が好きなんだ?」


「まあ焼き菓子とか、ケーキとか…」


「分かった!今度街に行って買って来よう!

それとドレスや装飾品で足りない物も買い揃えないといけないな……寝具や部屋の設備ももう一度見直さなきゃだな、あの客間を使ったのはもう何ヶ月も前だし……」


「いや良いよ今のお部屋で十分ありがたいし助かってるし!

それにドレスはもう要らない、あんまり好きじゃないから!」


「ドレスが嫌いな女の子が居るのか!?」


「それは…ごめん私が特殊なのかもだけど」



最初の消極的な態度は嘘でしたか?と聞きたくなるくらい話す話す。

と言うか質問攻めの嵐に私はアネッサに助けを求める。



「旦那様、ミヤ様はまだ病み上がりですので……」


「あっそうだった……済まない、体調はまだ良くないんだな」


「ああ、うん」


「夕食は柔らかくて食べやすい物にして貰おう、オーランド頼めるか?」


「もちろんです、スグに伝えて参りますね。

アネッサ、君も来なさい」


「えっ」


「……かしこまりました」



アネッサを連れて行かれて肩を落としていると「俺とは話したくないか?」と小さな呟きにハッとした。



「……ごめんなさい。

正直イクスを信じるとは言ったものの、アネッサが今までずっと一緒に居てくれたから……離れたら少し不安になっただけ。

イクスと話したくないとかじゃないよ」


「そうか……そうだよな、ここに君を召喚してしまってから数日は放ったらかし状態だった訳だもんな……」


「さっきはお茶淹れに行ってるのも分かってたけど、何となく連れて行かれた!って思っちゃっただけなの。

本来ならイクスのお家のメイドさんなのにね、変なの」


「……変じゃないと、思うが。

事実不安な時に君の隣に居たのはアネッサだ、最初に心を許した者が離れて不安にならない訳が無い。

それに、俺と話したくない訳じゃ無いと知れて嬉しかったしな」


「……」



なんだか本当に、この人がアホなのかポンコツなのか、出来る人なのかが分からなくなってくる。

お互い話しが弾まない理由は何となく分かるが、なんだかちぐはぐと言うか……先程とは違う様子に内心で疑問符を浮かべた。



「……ところで、イクスの仕事って何をしてるの?

アネッサから研究職とは聞いてたけど」


「俺の仕事は魔石の研究だよ、主に民間に変換された場合の数値や製品等に使う場合の魔石量を研究している」


「……」


「難しかったか?」


「まずそもそも魔石とは」


「そうか、そこからか」



嬉しそうに先程揃えたばかりの本棚から1冊の本を取って来たので見詰めると「ちゃんと直します」と苦笑したので頷いた。

そして、この世界にある魔法について少しだけ教えてくれたのだった。

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