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側だけ真似しても勝てねーし、自国発祥になんねーよ

 ――問題があるとすれば水の精霊よりも強い厄災が現身を持ったか、ファルシャナ王家の――国の在り方が、加護を失うまでに至ったか、そのどちらかの可能性が高いのよね。


 ファルシャナ国は一夫多妻制で、男尊女卑の国だ。

 名家の女は王家のもの。平民の女は奴隷や娼婦と変わらない。

 

 一夫多妻であるが故に子の数も多く、陰謀渦巻いたいる。


 ――現王は先王の物という感覚から愛玩動物という感覚だから庇護しているはず。


 それは民にも浸透している。


 ――逆らったり露見すれば物理的に首が跳んじゃうからね。


 『生類憐れみの令』みたいなものだ。


 あれは武士が『容易く斬り捨て御免』が出来無いように定めたものでもあったはずだ。


 それが過剰過ぎて罰せられて本末転倒になっていたけれど。


 ――そりゃあ、歪むし停滞して澱むわ。


 この世は男と女で出来ているのだから。


 器と中身が違っても、在り方が男なら男だし、女なら女なのだから。


 野心が強い男社会なら、何時まで経っても理想だけの―― 虚栄心の国にしかならない。


 夢や理想だけの曖昧なものだ。


 他国のアレやコレやを羨み、盗み、劣化品を作り、さも当然に自国発祥と嘘をつく。


 ――その上、先の戦争での捕虜や賠償金で逼迫してるしね。


 ――王家を維持しながらだと、そりゃあ民の命を搾り取って支払うしか手段が残されていないものね。


 それでも起死回生のヒントがハーティリアにあると睨んで王子自ら商人に扮して偵察に来た、と。


 ――魚を厭わなければ海に食料はあるんだけれどね。


 あったとしても鮮度を保ったままファルシャナのすべての町や村に行き届かせるのは無理だろう。運べたとしても権力者に独占されては意味がない。


 私は料理チートだけは自重する気は無かったからね。港町メーアにいけばファルシャナや他国で忌み嫌われている蛸やらイカやらが食べられてるしね。


 だって、たこ焼き食べたかったんだもん。タコ食べると痒くなるけど、タコなし焼き食べたかったんだもん。


 同盟を破棄したかったから、その後のハーティリアのことを考えて動いた結果、鮮度を保ったまま運搬が出来るようにもした。


 ――最初は怪訝な表情や庶民が口にする下賤なものって色々言われたけどさ。


 嫌なら食べなくて良い。文句があるなら最初から箸をつけるな。気に入らないなら自分で作れ。転生前の家訓でもある。


 転生前の私は手料理至上主義では無かったけれど、手料理には拘った。


 子供の時は楽で美味しく感じていたお弁当のおかずの定番の商品。けれど、味覚が変わって甘ったるく感じたり、味がもう一つ足りないと感じて買わなくなった。


 え? と思うのが煮物や丼もの。お肉は雀の涙程度とかね。パッケージ詐欺じゃねーかっ!!て思うこともあって、手料理に行き着くわけだ。


 けれど、身分ある身故に調理場にしょっちゅう立てない。私が立って良いなら公爵家の料理人は全員必要ない。公爵家を首になった彼らは二度と調理場に立てない。


 公爵家を首になるほど不味い料理を作る料理人を誰が雇いたい?


 閑話休題――

 



 

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