それでも僕はめげない。
僕は高校生の佐藤たけし。これは僕の日常。
それでも僕はめげない。
カップ焼きそばのお湯を捨てる時、麺も一緒に出てきてしまいました。
それでも僕はめげない。
僕はよく鼻をほじります。こればっかりは、ついつい時間の流れを忘れる程夢中になってしまい、鼻血が出るほど鼻をほじってしまいます。
それでも僕はめげない。
散歩をしていて自動販売機の前を通った時、お釣りの所を一瞥すると、銀色っぽいコインの影が見えました。
僕は人が居ないか周りを確認し、お釣りに手を伸ばしました。すると、それは一円玉でした。きっと誰かのイタズラでしょう。
それでも僕はめげない。
小学生の時、学校のトイレでう〇こをしただけで、しばらくの間う〇こマンたけしと呼ばれました。
それでも僕はめげない。
登校中、同じクラスの可愛い女子が自転車に乗っているのを見かけました。
スカートがヒラヒラとしていて、中が見えそうでした。
どうしても見たかった僕は、上半身を斜めに傾けながら歩き、見ようとしました。
ですが、バランスを崩した僕はそのまま田んぼに落っこちてしまいました。
そして、結局見れませんでした。
しっかり前を向いて歩かないと駄目だと思いました。
それでも僕はめげない。
パソコンにUSBケーブルを差そうとしたら、反対でした。
それでも僕はめげない。
勇気を振り絞って好きな子に告白したら、振られてしまいました。
後日学校に行くと、何故だか僕が告白した事は皆に知れ渡っており、女子には冷たい目で見られました。
それでも僕はめげない。
学校集会の校長の話が長い時に限って、う〇こがしたくなります。
それでも僕はめげない。
友達にゲームを貸したら、データを上書きされており、僕のデータが消えていました。
それでも僕はめげない。
ベッドの下に隠していたエッチな本が、学校から帰ってきたら何故か机の上に置いてありました。
それでも僕はめげない。
きっと母の仕業だと思い、母に怒り、母と口喧嘩になりました。
それでも僕はめげない。
結局、僕が隠していたエッチな本は、父が隠れて読んでいたことが発覚しました。
それでも僕はめげない。
母に冤罪で怒ったと言うのに、喧嘩した翌日でも母が作ってくれた僕の弁当は、山盛りで美味しかったです。
それでも僕はめげない。
突然、母が重度の肺がんだと言う事が発覚しました。
それでも僕はめげない。
肺がんが発覚して間もなく、母は亡くなりました。
もっと、かーちゃんと話したかったと後悔しました。
それでも僕はめげない。
母の口癖はこうでした。
「たけし、どんなに辛い事があっても、前を向いて歩くのよ。何時までも下を向いていても、また新しく何かを後悔するだけだからね」
それでも僕はめげない。
母とは喧嘩する事も多かったですが、母が亡くなった日は、人生で一番泣きました。
それでも僕はめげない。
僕は今日も、前を向いて歩いていく。
フィクションです。
お読み頂きありがとうございます。