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システム メニュー  作者: A児
1/1

ゲームかな?

そっと、おじゃまします。

 この世界に生まれて、10年がたった。

今日から10歳だ。

10歳とはゆっても、田舎の農村などでは、年の初めの、春の月の1日で、みんなまとめて、年をとる。 

ちなみに、この世界の1年は、春の月が100日、夏の月が100日、秋の月が100日、冬の月が65日になっている。 

1年間で、365日だ、閏年などは、神殿で管理していて、年の初めに、神殿に張り出される。

秋の月に、生まれているので、本当は9歳と少しだが、そのへんは、あまり気にしないようだ。

そして、この世界の人びとは10歳になると、神様から祝福を受け、様々な才能が、与えられるらしい。

父親と、兄は、作物を育てる才能と、狩りの才能があり。

母親は、料理の才能と、種火の才能を持つている。

父親と、兄の才能と、母親の料理の才能は、まあ そのままだが、種火の才能、これが問題である。

かまどの薪に、火をつける程の魔法が使える、才能らしい。

母親が、私に母乳を与えながら、薪に火をつけるのを、初めて見たときは、驚きのあまり、母乳が気管に入って、ひどく苦しかったのは、懐かしい思い出だ。

私は、言葉を覚え歩けるようになると、母親に、薪に火をつける、魔法を、教えて欲しいとねだった。

母親は、笑いながら、薪を1本手に取ると。

「体の中にある不思議な力を、火をつけたい所に、集めて。」

と言って、薪の先端を、指差し

「薪に火がついてるのを、思いうかべるの。」

そう言うと、薪の先に煙が出始め、ゆっくりと火がつきだした。母親は、火のついた薪を、かまどに入れると、鍋に汲み置きの水を入れて、火に掛け外に出る、薪置き場から数本の、薪を持つて来て火にたすと、いっしょに持つて来た。

乾いた小枝を、私に手渡して、

「やってみる?」

と言って、私の顔をのぞき込んだ。呪文は無いのかと、訪ねると。

「呪文を、唱えるのは、本当に魔法の才能がある人ぐらいよ。種火をつけるぐらいじゃ呪文は、いらないの。」

と言って、私の頭を優しく撫でてくれた。私は、小枝を両手で、持つと、目を閉じて、不思議な力を、体から探してみた。

ゆっくり呼吸を整えると、ヘソの下辺りがほんのり、暖かかったが、これは、たぶん気だと思う。

錬気は、いずれやるとして、今は不思議な力を探して、小枝に火をつけるのが先だ。

そう思い,体中を探してみたが、見つけ出す事が出来なかった。

私には、不思議な力が無いのだろか。

諦めてかけて、小枝の先を見つめながら。

もしその力が有り、この小枝が、魔法の杖ならば、この小枝の先に、火が灯るのかと、想像したとき。

一瞬、自分の体が、2つにブレた気がした。

ブレた体は、すぐに一つに戻ったが、ブレた体の片方は、小枝の先に、吸い込まれそうな感じがした。

私は、小枝の先を見つめながら、もしかしたら、不思議な力は、細胞の一つ一つに、宿っているのではないのかと思い。

足の先から、ゆっくりと細胞を、移動しながら大きくなっていく力を、想像して。

膝の辺りまで、移動させて、またゆっくりと戻した。

そのまま続けると、何か良くないような気がしたからだ。

気を取り直して、小指の先から、第二関節までの力を、小枝の先に、吸い込ませながら、小枝の先に火が灯るのを、想像した瞬間、ボフッ と小枝の先から、小さな爆発が起きた。

幸い、怪我や、火傷などは、なかったが、チリチリとゆう音ともに、私の前髪は、お亡くなりになってしまった。

私は、手に持った先が、炭化した小枝を、かまどにくべて。

母親の顔を見上げると、口もとを引き攣らせ、固まったまま私を見ていたが。

次の瞬間、私の肩を掴んで、ガクガク揺すりながら。

「大丈夫、怪我してない?」

と確認してきたので、大丈夫だと伝えて、燃えてしまった前髪を、切ってもらった。

前髪を、切ってもらっているあいだに、父親と兄が、畑仕事から帰って来て、私の髪型を見て、大笑いしていた。

母親は、父親から受け取った野菜で、夕飯の準備を始めていた。

夕食の後で、父親から、一人で種火の魔法を使わない事と、晩酌中の父親の、前に立たないと約束させられた。

しかし、母親が笑顔で、父親の前の席に座り、私を膝の上に座らせるので、私の前髪が、生え揃うまで、父親の酒量は、かなり減ったらしい。

その日の夜、私はベッドの中で、今日の出来事を、振り返っていた。

あの時、体がブレて、体一つ分、魔法が発動していたら。

あの時、膝で止めずに、魔法を発動させていたら。

たぶん、前者は、大きく長時間燃え広がる。

そして、後者は、大爆発していただろう。

力の濃度と、吸い込ませる速度、この二つが、魔法を操るのに、重要なのだろう。

しかし、危なかった。

前者は、ゆっくりと、この辺一帯を、焼き尽しただろう。

家族は、逃げられたかも知れないが、力を使い切った私が、どうなったか。

後者は、考えるまでも無く、全て吹き飛ばしただろう。

力を、倍にすると、威力は倍では済まないはずだ。

瞬間的に、込める力と濃度、それによって発生する、圧力が高い程、威力は上がるはずだから。

そして、私が考えなければいけないのが、この力が、どの様なモノなのかだ。

力を使った。小指の先、力を動かした。足の先から、膝までの力が、かなり増えている。

あれだけ必死に探して、感じ取れ無かったものが、かなりの存在感を、だしている。

ヘソ下の気が、可愛いものだ。

だが、これは力が増えるのとは、何か違う感じだ。

力を使えば、使っただけ増えるとか、超回復します。

みたいな、格好いいものでは無いのだろ。

しかし、私は、この状況を、適格に表す言葉を、一つ知っている。

そうその言葉は、


『リバウンド!!』


リバウンドである。

力を使って、その細胞が保有する、力を空にすると、細胞が,極度の飢餓状態に陥り、より多くの力を取り込もうとするのだろう。

では、その力は、何処に在るのだろうか。

たぶんではあるが、大気中に存在しているのだろう。

そして、この世界の人々は、大気に満ちる、その力を、体内に取り込むことで、魔法を発現させているのだろう。

まだ神の祝福によって、与えられる才能の、存在を知らない私は、そんなことを考えながら。

いつもは、一緒に寝てくれる、母親が、今日は来ない、『そういう日』なのだと思い、

明日は、かまどに、火を付けさせてもらおうと思いながら、眠りに付いたのだったが、オネショをしてしまい、数日先送になってしまった。

本当に、火遊びで、オネショするとは思っても見なかった。

まぁ今では、毎日かまどに、火をつけているし、農作業の手伝いもしている。

神様の祝福による、才能の話を聞いたときは、私の考えとの矛盾に、悩んだりしたが。

祝福を受ければ、何かしらの答えが、出るだろうと,ここ数年は、気楽に過ごしていた。

そして、とうとうこの日が、やってきた。

この世界に、生まれて10年目

春の月の1日、10歳の誕生日だ。

秋の月の、生まれだから、本当は、9歳と少しだが。

そんなこと、誰も気にしない、今日から、10歳だ。

私は、朝から父親の手に引かれ、村の小さな神殿に、連れて来てもらい、入り口で、司祭様から、お祝いの焼き菓子をいただいた。

入り口には、司祭様の他に、こども達の父親が、数人こども達を、待っていた。

いただいた焼き菓子は、父親に預け、一人で、神殿の中に入ると、父親は先に来ていた、こども達の父親軍団に、混ざっていった。

父親軍団は、何故か驚いた顔で、私を見ていたが、父親が挨拶するとそっちに気を取られていた。

祭壇のある部屋まで歩いていくと、こども達が、焼き菓子を、食べながら、おしゃべりしていた。

私が挨拶を、すると、みんな私に気付き、挨拶を、返してくれたが、私が手ぶらなのに気が付くと、焼き菓子が貰えなかったのかと、聞いてきた。

私が、父親に預けいると言うと、食べられちゃうよ!と心配されたが、もともと母親と、兄へのお土産にするつもりだったので、

別に構わないのだが、美味しいものは、後に取っておくだと言っておいた。

だが真似をされて、持ち帰ったりして、本当に食べられてしまうと、大変なので。

私と兄は、年が離れることを伝え、取られたりしないが、年齢が近い兄弟姉妹が居れば、食べられちゃうよ、と言っておいた、。

その様な会話をしていると、司祭様が、最後の一人と一緒に入って来た。

私達が、最後の一人と挨拶を、しているあいだに、司祭様は、祭壇の前に立ち、儀式の開始宣言する。

早く生まれた、順番に司祭様の下に呼ばれる、祝石と、呼ばれる透き通った、少し平べったい石に、手を乗せて、神様に祈りを捧げる。

祈りを捧げたら、司祭様が、祝の言葉を告げる。

祝の言葉を告げると、祝石がほんのりと、光を放ち、祝石の中に文字が、浮かび上がる。

司祭様は、浮かび上がった文字を、読み取ると、本人にのみ才能を、伝えるのだが。

田舎の村で、しかもまだ、こども達なので、あちらこちらから、自分たちが、手に入れた才能を、喜ぶ声が聞こえてくる。

そんな声を、聞いていると、喜ぶ声に混ざって、私の名前を呼ぶ、司祭様の声が聞こえてきた。

私は、祭壇の前まで歩いて行くと、一度お祈りを捧げ、祝石に手を乗せて、もう一度祈りを捧げるた。

同い年に、冬の月生まれは居らず、秋の月生まれは、私一人なので、最後の一人の私は、この祝石を、じっくりと観察させてもらおう。

司祭様が、祝の言葉を告げると、祝石は、輝き出して、石の中に、文字が浮かび上がる。

私は、少し光り過ぎな石に、小枝の様に爆発しないか怯えながら、その文字を、のぞき込んだ。

其所には、懐かしい文字、カタカナで、『システム メニュー』と浮かび上がっていた。

私が、呆然としていると、司祭様が、

「あなたの才能は、システム メニュー、です。」

私だけに聞こえる声で、教えてくれた。

私は、司祭様の顔を見つめてから、もう一度私の手が乗っている、祝石を見つめながら、心の中でこう呟いた。


ゲームかな?






のんびり、適当に、書いていきます。


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