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実は召喚したくなかったって言われても困る  作者: 極楽とんぼ


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85.鍛錬する?(2)

なかなか潜らなそうなので前話サブタイトル変えました。

「錬金術師というのは戦闘には向いていないと聞いたんだが、『攻撃を察知できて避けられるようになる』とそれは関係ないのか?

あと、現実的な話として訓練を受けてどの程度ものになるんだ?」

訓練を受けるかと聞いてきたデヴリンに、隆一は前提条件的なポイントを確認する。


地球ではよっぽど本格的にやるのでない限り、護身術を習ったところでそれは逃げるための一瞬の隙を作る程度にしか役に立たない。

下手に自信過剰になると却って逃げ損ねて事態を悪化させるから、逃げる事を常に念頭におけとアメリカに留学した際に教わったものだ。


頑張って鍛錬したところで最終的な腕前が『一瞬の隙を作る』程度なのだったらそれ用の魔道具を作った方が隆一にとっては現実的なオプションだ。


ただ、この世界はレベルアップ的な基礎能力の成長があるし、魔術という手段もある。

魔術師ほど攻撃力がないとしても、錬金術師でも人間のゴロツキや王都近辺の森に居る程度の魔物なら対応できる程度に強くなるのだとしたら・・・ここで腰を据えて訓練を受けるのも隆一にとっては悪くはない選択肢ではある。


「襲われるのを察知できるだけの勘は・・・かなりきつい、痛みを伴う訓練をすれば大抵の人間は一応身に着けられるから、リュウイチでも大丈夫だと思う。

そこまで訓練で痛い思いをせずに一撃食らうのを覚悟して防御力を高めておくのもありだな。

特に錬金術師であることを考えると、こちらの方が現実的かも知れない。

ただまあ、急所を全てカバーしようと思うとかなり身動きがとりにくくなるから、動きやすい恰好をしたいんだったらそこそこ高額で出力の高い魔石で防御用の魔道具を作る必要がある。

そんでもって攻撃を受けた後の反撃だが、こちらはパニックしないでいられれば大丈夫だろう」

デヴリンが顎をこすりながら答えた。


「勘を鍛えるか防御用魔道具を作るかは後で考えるにして、本当に反撃できるようになるのか?

今まで動いている魔物相手に命中できたことは殆ど無いんだが?」

隆一が疑わし気にデヴリンに尋ねた。


「上層でのマッピングの早さを見る限り、リュウイチは見るだけで正確に距離の判断が出来るだろ?

つまりは魔物との距離がどれだけあり、その魔物がどのくらいのスピードで動いていて、自分が攻撃を放った際にそれが相手に到達する時点で標的がどこにいるかも推測できるんじゃないか?

そこまで考えずに適当に魔法を放っているから当たらないんだと思うぞ」


無造作に言われたデヴリンの言葉に、隆一は頭を抱えた。

言われてみたら、納得の内容である。


ちゃんと距離を把握して移動速度を確認し、自分の攻撃が達する時点でどこにいるのかを計算すればあてられるだろう。


ただまあ、自分に向かって猪なり狼なりが走ってくる時点でそういったことを落ち着いて計算する余裕がなかったのだ。


だが、考えてみたら襲ってくる魔物のスピードなんてそれ程極端にバリエーションが有る訳ではないのだ。


各魔物の種類ごとに移動速度と、視界に入ってきて襲撃を始める時点からこちらの攻撃が届く時点までの移動距離を前もって概算しておけば、襲われた時にそれを微調整すれば良いだけなはず。


確かに練習すればそれなりに対応できそうな気がしてきた。

もっとも、魔物相手に何とかなったからと言ってゴロツキや自分の事を新型の魔物と誤解して攻撃してくる魔術師や探索者相手に自衛することになった場合はどうなるかは不明だが。


「ちなみに、魔力感知を磨けば魔物が近づいてくるのは察知できるようになるはずだぞ。

殺気を察知している訳ではないから、街中での人間からの攻撃には役に立たないが」

ダルディールが付け加える。


「・・・殺気を感じ取れるようになるのは、無理だと思う。

と言うか、感じられるようになるほど痛い訓練はしたくない。

だが、魔力感知と反撃をちゃんと出来るようにするよう鍛錬するのは良さそうだな。

教えてくれ」


どうせ人生はまだまだ長いのだ。

せっかく超一流の探索者に付き合って貰えるのだ。行動の自由度が上がるように、今の時点で少し鍛錬に時間をこう。


・・・超一流な探索者が教えるのも上手いかどうかは分からないが。

ダメだったら探索者ギルドに教員の派遣を依頼しよう。




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― 新着の感想 ―
[一言] 不意打ちの一撃を防げる程度の防御用魔導具の開発も良いかもしれませんね。 むしろ大ヒット商品になりそう
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