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実は召喚したくなかったって言われても困る  作者: 極楽とんぼ


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73.複雑な心境:デヴリン・アシュレン

「は!」

デヴリンの木剣が横に薙ぎ払うのを、ダルディールが盾を使ってそらす。

攻撃に関してはデヴリンの方が上だが、防御はダルディールが得意とすることだ。


お蔭で二人が剣で戦うと体力が尽きるかどちらかの集中力が尽きるまで延々と戦い続けることになることが多い。


リュウイチの重量軽減の魔道具を仕込んだバックパックの使い勝手を確認する為に軽く迷宮の中で動いてみたのだが、本格的な立ち合いをするのに真剣を使っていては防具や装備がボロボロになりかねない事が判明した。

考えてみたら当然の事なのだが、魔物が襲いかかってくる迷宮の中で立ち合いなんぞやった事が無かったので思い至らなかったのだ。

そこで早めに探索を切り上げてギルドの訓練所を借りに上がってくる事になった。


最低層を探索する時の取っておきではないが、それでも中ランクの探索者が何年も金を貯めて買うレベルの武具だ。超一流の2人が試作品のテストの為に斬り付けあって傷付けるには勿体無い。


かと言って傷をつけまいと気を付けるとどうしても動きが制限されてしまう。

そこで本番同様の動きを確認する為に、木剣でがっつりやり合うことになった。

デヴリンが訓練所を借りる話を付けていたら酒場でダベっていた探索者達がそれを耳にして見物に来たお陰で、訓練所にはかなり人がいる。

ちょっと邪魔ではあったが、木剣ならば巻き込まれても取り返しの付かないことにもなるまいとデヴリンとダルディールも何も言わずに技を見せていた。

肝心のバックパックについては見物人達に説明していないが。


デヴリンが軽いフェイントで左に注意を引き、その隙に下から思いっきり上へと木剣を振り上げる。

「うわっとぉ!」

軽く声を上げながらダルディールが自分の木剣を無理やりデヴリンの木剣の前に割り込ませた。


グバァギィ!

何とも言えない音を立ててダルディールの木剣が千切れ飛んだ。


「・・・木剣で木剣が切れるんだ・・・」

リュウイチの唖然とした声が流れたが、それに構わず横に積んであった予備の木剣が見ていた探索者によって二人の方へ投げられ、シールドバッシュでデヴリンを後ろへ押しやったダルディールがそれを宙で掴んだ。


「おりゃあ!」

今度はダルディールが反撃に木剣を突き出す。


攻撃特化なデヴリンは盾を装備していない。

ダルディールの突きを軽く左足を前へ出して半身になることで避け、自分の木剣をするりとダルディールの木剣に這わせて大きく右へ弾き、首を狙って切りつける。


「おいおい、木剣でも首を切られたら痛いんだぞ!!」

抗議の声を上げながらダルディールが木剣を避けて右下へ体を逃がす。


「腕利きの回復師ヒーラーがいるんだから、すっぱり千切れ飛ばない限り大丈夫だろ?」

軽く答えながらデヴリンが再び切り付けていく。



結局、その日は5本ほど木剣を破壊して立ち合いは終わりになった。


「どうだった?

何か気になった点はあったか?」

リュウイチが汗を拭いている二人に近づいて尋ねた。


しゃがみ込み、体を起こしてみながらデヴリンは軽く首を傾げた。

「横への反動は慣れればどうという事は無いんだが・・・それとは別に低い体勢から体を起こす時に追加的な力がかかるような気がする。

まあ、これも慣れればどうという事は無いとは思うが、もっと重い荷物を魔道具の出力を上げて運ぶことになった場合にはバランスを崩すことになるかも知れないから注意喚起をしておく必要があるかもな」


横へ体が流れるのは一定の動きなので慣れれば特に問題は無い。

だが低い体勢から体を起こす時にかかる力は妙な感じに下の方でだけ跳ね上げるような感覚があり、それに対応する為に体のバランスを修正しようとした時には力が消えていて過修正する羽目になる感じが何度かあった。


まあ、慣れればどうという事は無い範囲の反応だが、戦っている最中に突然こんな反応があったら体勢を崩して危険に陥る可能性はゼロではない。


「ふうん?

ちょっと担がせてくれ」

リュウイチが不思議そうに首を傾げながらバックパックに手を伸ばしてきた。


「おらよ」


受け取ったバックパックを背中に担ぎ、隆一が訓練所の周りを動きの大きなうさぎ跳びのような感じで飛び跳ね始めた。


「ぷっ」

思わず笑いが溢れたダルディールにリュウイチが鋭い一瞥を投げかける。


だが、そのまま暫く飛び跳ねた後、2人の元へ戻ってきた。

「確かに体が低い時の方が重力軽減の力が強い感じがするな。

何が原因か調べてみる。

明後日には3人分の試作品が出来そうだから、迷宮で走り回ったり戦ったりしてみたいから木剣を何本か持ってきておいてくれ」


次の探究について確認した後、リュウイチは帰っていった。


「早く終わったから、久しぶりに飲みに行かないか?」

相変わらず探索が終わるとさっさと帰ってしまう招かれ人の後ろ姿をぼんやりと見ていたデヴリンに、ダルディールが誘いをかけてきた。


「そうだな、偶には一杯いくのも悪くないか」


心境の部分まで辿り着かなかった・・・。

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