表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
実は召喚したくなかったって言われても困る  作者: 極楽とんぼ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/1320

62.迷宮5階再び

「あれ、今日はゴーレムの持ち帰り希望なんだ?」

猫車を引き摺ってきた隆一を見て、デヴリンが尋ねた。


「次の研究としてちょっと運搬用道具の改善を考えているんだけど、実際に現存のヤツを使用してみて不便な点を実感してみようと思って。

折角5階なんだから、今日は昼に一度転移門で戻ってきてもう一つのタイプを借り直すつもりなんでランチは上で食べよう」


まだ5階には丘や段差は無いのだが、それでも少しは地面がぼこぼこしている場所もあるし行きは階段を下りるつもりなのでそれなりに使い勝手が分かるだろう。


既に早めに来て近所の坂で猫車を押して歩いてみたのだが、街中の石畳の道で猫車を押すのは中々やりにくかった。

アスファルトで滑らかに舗装されているならまだしも、デコボコな石畳ではしょっちゅう車輪が石の段差に引っ掛かる感じで空の猫車でもやたらと力が必要だった。


慣れもあるだろうが、これで中に荷物を一杯積んでいたら動かすのは無理ではないかと思った程だ。


迷宮の中の起伏とはまた違うのだろうが・・・中層までは大規模な起伏は無いという話なので隆一としては取り敢えずそこまでたどり着いてから手を加える必要があったら改善するつもりである。


「おはよう。

今日はクレイゴーレムを狙うのか?」

最後に現れたダルディールが尋ねてきた。


「まあ、倒したらついでに粘土を収穫するつもりだけど、運搬用道具の使い勝手の確認が今日のメインな目的。

昼に転移門で帰ってきてリヤカーの方に借り換えるつもりだからランチは上で食べよう」


「了解。

疲れて猫車を押して欲しくなったらいつでも言ってくれ。

デヴリンに」


どうやら上層だったら猫車を押していてもデヴリンは魔物を倒せるらしい。

・・・それだったらダルディールが隆一を守るのも出来そうな気がするが、デヴリンも文句を言わなかったので隆一の護衛の安全マージンは大きいようだ。


「どんな改造をするつもりなんだ?

その猫車だってそれなりに使い勝手は工夫されていると思うんだが」

迷宮の階段を下りながらデヴリンが隆一に尋ねた。


「どうにかして重さを軽減できないかと思って色々試しているところだ。

反重力の術式を使えないかと試してみたら、重力を打ち消すにはやたらめったら魔力を使うんで宙に浮く運搬具を造るのは諦めた。

だが反発力程度の効果だったら何とかなりそうだから、既存の猫車かリヤカーのどちらかに使えないか、試してみようと思って」


デヴリンの足が驚きで止まった。

「マジか??

反重力の術式ってオリハルコンを使うんじゃない限り、馬車2台分ぐらいのサイズが必要になる筈だろ?」

国軍が大規模遠征をする際に輜重隊が利用する特大車両には反重力の術式が使われている。

輜重隊にオリハルコンの費用は払えないという予算上の制約の為に車両が馬鹿でかくなってしまい、使えるルートが限られてしまうのは騎士団にとっても頭の痛い問題だったので反重力の術式に関してはそれなりに国も研究していたのだ。


デヴリンの反応に隆一も足を止めた。

「・・・もしかしてこの研究ってヤバいか?

あまり軍事的利用価値の高い開発はするつもりが無いんだが」


現時点では研究の進捗具合を理解しているのは隆一だけだ。

ザファードもある程度は見て理解しているだろうが、隆一に不利になることを口にする人間ではない。


まあ、軍事的利用価値がありまくりな研究をしたところで招かれ人である隆一に危険が及ぶ可能性は低いが、軍事利用できる研究はするつもりが無かった隆一としては国軍が興味を示すような物をうっかり開発してしまうのは不本意だ。


デヴリンが肩を竦めた。

「まあ、軍事的利用価値はあるだろうが、ある意味軍だったら規模が大きいから既存の反重力の術式を使っても極端に非経済的という訳ではないぜ。

だから商業的影響の方が大きいんじゃないか?」


「探索者にとっても一人の人間が運搬できる量が増えるとなったら影響は大きいだろうな。

ちなみに、どのくらい高くつきそうなんだ?」

ダルディールも興味を持ったのか聞いてきた。


二人の興味津々な顔に隆一は小さく息を吐き、階段を再び降り始めた。

「アルミニウムを使った合金だと何とかなるっぽいのが分かったからオリハルコン程高くはないが、錬金で生成する必要があるから気軽にほいほい使える程安くはないだろうな」

前日色々地球で聞いたことがあった合金を試してみたところ、意外にもステンレスやチタン、錫系などの合金は普通に魔力を保持できたのだ。

お蔭で魔力での補強は出来る代わりに反重力の術式に侵食されてしまうので使えないことが判明。


ジュラルミン合金が魔力を全く保持しないのは地球の合金だからではなく、アルミ合金の特性のようだった。


純粋なアルミニウムは辛うじて微量の魔力を保持するのだが、合金にするとアルミの含有量を大幅に減らさない限りどの種類も魔力を全く保持しなかったのだ。


とは言え。

銅は比較的入手しやすい素材であるので、隆一は取り敢えずはそのままジュラルミン合金を反重力魔道具用に使い続けることにしている。

もっとも、このアルミ合金の特徴についてヴァダスに今朝伝えたらもの凄く興奮していた。何か面白い特徴を持った新しい合金をそのうち発見してくれるかもしれない。






迷宮5階と言いつつ、まだ1階から2階降りる階段の途中ですw

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ