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実は召喚したくなかったって言われても困る  作者: 極楽とんぼ


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100.飛行具開発(4)

「安全装置は無しか・・・」

ほぼ丸々2日かけて作り上げた反重力の魔法陣を刻んだジュラルミン合金板を見ながら隆一はため息をついた。


現在、中型の魔石を一つ入れてあるので目の前で地上80センチぐらいのところに浮いている。


「へぇぇ、本当に宙に浮いて静止するんですね」

物珍し気に眺めていたザファードが軽く合金板を押してみたら、そのまますいっと板が宙を滑り、壁に当たって止まった。


「ああ。

板にしたお蔭か特にバランサー機能を組み込まなくても水平になってくれるし、中々良いんだが・・・。いざ作ってみると、乗り降りとかも考えるとこの高さで浮くというのは微妙だな。

どうせなら20~30センチぐらいのところで浮いてくれる方が楽だし安全だった」


練習機としては、宙に浮くキックスケーターかスケートボードあたりな感じな方が乗り降りとかがしやすかったし、倒れたり落ちたりしても衝撃が少なくて済んだだろう。


80センチならまだ『ちょっと高い』ぐらいという気もしないでもないのだが、人間男性程度の重さを載せると必要魔力が増えるせいで地表膜の厚みが増えて1メートルまで上がって静止するのだ。


大体、考えてみたら将来的にはこの技術を流用して宙に浮くリヤカーや猫車を作るのだ。それが地上1メートルとかもっと上に浮かんでいては物の出し入れにも不便すぎる。


そう考えると、何らかの形で地表膜の中で止まるようにプログラミングを変更したい。


しかも、残念な事に反重力の魔法陣の中に安全装置は組み込まれていなかった。

推進機関の複雑怪奇な魔法陣の中から衝突防止の術式を発見しなければならない事を考えると頭が痛いが、この高度の変更に関してもかなり大変そうだ。


宙に浮かぶ合金版を隆一は軽く下に押してみた。

考えてみたら、ドローンのようにローターを動かして飛ぶ機械ならば高度によって気圧が変わるので空気抵抗及び必要な動力は変動する。

まあ、20センチ程度で気圧が変わるとは思えないが。


だが、反重力の魔法陣は風を起こして対象物を持ち上げているのではない。

何らかの魔術的作用で重力・・・と言うか惑星からの引力を軽減しているのだ。

だから地表膜の中から外へ出ると言う大きな条件変更がある時以外は。高度が変化しても魔力の消費量とあまり関係ないのではないかと思った。


という事で宙に浮いている合金版を押してみたら、あっさりと下がり、そのまま動かなかった。

「あれ?

さっき動力を入れた時はもっと上まで行って止まりましたよね?」


隆一の行動を見ていたザファードが疑問を声にした。


「おう。

どうやら起動時に勝手に止まる場所が地表膜の上という事だけなのかな?」

合金版を今度は持ち上げて、1.2メートルぐらいの高さまで引っ張って手を放す。


今度はゆっくりと合金板が下がり、地表80センチぐらいのところに落ち着いた。


どうやら地表膜内では魔力の消費量は同じだが、地表膜を超えると微妙に増えてデフォルト状態だと高度を保てなくなるらしい。


「これだったら最初に引っ張り降ろすだけで良いのか?」

適当に近くの机の上にあったものを乗せて合金板を降ろすと、ちゃんと降ろした場所で静止している。


乗せたものをどけたら・・・魔力の出力調整をし直したのか、合金板は高さ80センチまで戻っていた。


「・・・という訳にもいかないか。

出力調整をすると地表膜の上まで戻る様プログラムされてるな」

合金板を床上20センチぐらいまで下げ、適当な重しを乗せてみたところ、やはり一瞬下がった後に高さ85センチぐらいまで上がってきた。


荷をどけて、合金板を床上20センチまで降ろしてから上に乗ってみたら、予想通り隆一の重さで一瞬下がった合金板は高さ1メートルまで戻った。


変な揺れは無いのでエレベーターで上がっているような感覚がかすかにする程度だからバランスを崩したりはしないが、これでは降りる際に机の上にでも踏み出す必要がある。


「本当に人間を乗せても浮くんですねぇ」

感心したようにザファードが寄ってきた。


「ちょっと押してみてくれ」


重量が増えてもさっきと同じようにあっさり動くのか、確認したい。


隆一の指示に従ってザファードが軽く隆一が乗った合金板を押してみたら、隆一ごと板は壁の方に進み、壁にぶつかって止まった。

隆一が壁を軽く押し戻すと今度は後ろ向きに戻ってくる。


思わず面白くて部屋の中を何度も行ったり来たりしていたら、4回目に壁を押したあたりで急に合金板が気が抜いたように斜めに傾いて床に落ちてしまった。

「ふむ。

10分程度飛んで魔力切れか。何も乗せずにいた時間も合わせても1時間弱で中型魔石1個となるとやはり魔石の消費量が凄いな」


重量が増えたらその分魔力の消費量が比例して増えるのか確認する必要があるが、どうやらこの新しいオモチャは予想通りかなりの魔力喰らいになりそうだ。


これからしばらくは迷宮の探索でゲットした魔石は全部お遊び用に確保する必要がありそうだ。


荷物を載せたり下ろしたりした際に高さがデフォルトに戻っちゃうのは手で引き戻せばまだ良いですが、人間が乗ったら高さ1メートルとかそれ以上まで上がっちゃうのは不便ですから、そこら辺のコントロールもやっぱり必要ですね・・・。


宙を動くのが面白くて思わず夢中になって遊んでいたら魔石が切れちゃった隆一でしたw

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― 新着の感想 ―
1m位の高さなら、お嬢様の様に横座りしてふよふよすれば、楽しい遊具になりますね。  遊園地でコーヒーカップをぶん回すタイプもいるので安全対策は必要ですが。
[一言] まず浮遊する台車とかがいいかな?
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