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神様に借りた農場  作者: 秋野 木星
第一章 四月
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グラタン

アクセサリーを作って午後を過ごした珠美は、なんとなく気分も洋風になっていた。


村の店でバターとチーズを買ったことを忘れて、牧場でも同じようにバターとチーズを買っていたので、夕食はバターとチーズをたっぷりと消費するグラタンを作ることにした。

いくら『新鮮適温・倉庫』があるといっても、買いすぎよね。

サミー牧場では値段が安かったので、ついつい多めに仕入れてしまったので、これから少しずつ使っていかなくてはならない。


ココットのこま切れ肉と玉ねぎをサラダ油で炒め、硬めにゆでたジャガイモの薄切りを加える。


そこにたっぷりとバターを足して、強めに塩コショウする。小麦粉を振りかけて粉っぽさがなくなるまで炒めたら、牛乳を少しずつ入れて、全体を混ぜていく。最後にコンソメ顆粒を入れて、味を調える。

よしよし、いい味。

炒めていたお箸をペロリとなめて、珠美は満足そうに頷いた。

これで簡単にホワイトソースと具材が絡まったことになる。


次に耐熱容器に具材を入れ、チーズをたっぷりと上にかけ、台所のストーブオーブンの中に入れる。

こっちのストーブは今まで使っていなかったが、アメリカの西部開拓時代のようにオーブン調理機能が付いている物なので、便利そうだ。

昔はパン粉を散らして、その上にバターも足していたが、最近はチーズが自然に焦げると出来上がりだ。

こっちの方がヘルシーだよね。


珠美はヘルシーという言葉を勘違いしているようだが、オーブンで綺麗に焼き目がついたグラタンは、外に出してもまだグツグツと音を立てている。

ここにハーブガーデンから採ってきた刻んだイタリアンパセリを振りかけると、手作りグラタンの完成だ!


夕食にはご飯も炊いたので、山菜の煮物や漬物と一緒に、和洋折衷の豪勢な食事になった。


「うわぁ、チーズがトロトロだぁ」


久しぶりのバターのコクのある味と、とろけるチーズの糸を引く美味しさは、珠美の心を満足させてくれた。



夜にはいつも、服を作った残りの布でパッチワークをして、大きなベッドカバーを作っているのだが、グラタンを作った時に下に敷くランチョンマットがなかったので、それを作ることにした。


カーテン用に買った明るいグリーンの布もちょっぴり拝借して、イエロー、水色のチェック、そして色をしめる紺色の布で、カードトリックのパターンを縫っていく。

四枚のカードが重なるこのデザインは、山小屋のようなこの農場にふさわしい感じがした。



夜寝る前に、珠美はステイタスを確認しておくことにした。

ベッドの上にペタンと座って、目の前にステイタスを表示する。


「ステイタス、オープン」


星明りもない暗い室内に、明るく光る文字列がズラズラと出てくる。

それは遠い昔、学生時代に住んでいた町のネオンサインのようにも見えた。



名前  (日色(ひいろ)) 珠美(たまみ)

年齢  15歳

種族  異世界人、ヘブン人

職業  農場管理者、竹林管理者、山林管理者(トルーサ山)、生活雑貨製作者、ポコット・アルバイター

ギフト 製作(日常生活に必要なスキル、農業従事者に必要なスキル、手作りができるスキル)

生活魔法  言語1、料理、光・ライト、精米、ウォーター、発酵、鑑定・植物、解体、抽出、消臭、浄化、保存

農業魔法  耕作・畑、新鮮適温収納・倉庫、防虫、木材乾燥、草刈り

手作り魔法  金属加工、木工、粉砕、竹細工、裁縫、羊毛、染色、研磨、成形、建築、念力

土魔法  掘削

風魔法  ウィンド(ウィンドカッターは集約されました)、バリア

火魔法  ファイヤー


レベル 145


体力 Cランク 31点(Bランクまで後9点)

魔力 Cランク 36点(Bランクまで後4点)



寝室の敷物の上で、眠そうな顔をしたミーニャが顔中を口にしたようなあくびをしながら、ぼんやりとステイタスを眺めた。


「フワァ~、もう少しでBランクになりそうだニャー」


「そうだね、職業も増え続けてるねぇ」


「それは珠美が自制しないからニャ。こんなに職業欄を増やす人は初めて見たニャ」


「なんだか知らないうちに増えちゃったのよ」


「珠美は巻き込まれ体質ニャ。人が好過ぎるのも困ったもんだ」


頼まれるとNOと言えない性格は、生まれつきだから仕方がない。

そのため地球で生きていた時には学校のPTAや、村の役員を引き受けることになったのよね~



「レベルが三ケタになっているから、魔法を使う時に効率が良くなってるはずニャ」


そうミーニャに言われて気づいたのだが、確かにここのところ魔法の発動時に、元気の素を送る量が少なくなってきている気がする。

物づくりの腕にも磨きがかかってきてるし、これは個々の製作スキルが互いに連動してグロウアップしているんだろうな。


畑で大きくなってきている作物と同じように、自分も日々育っていることを感じた珠美だった。

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