表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
前世での忌まわしが今世での武器  作者: 躑躅
少年時代
8/12

洗礼

「いよいよ今日は洗礼の日だ!」


朝、俺はベッドの上で叫ぶ。


「うるさいですよ、ご主人様。」


「ごめん、ごめん、やっと魔法を使えると思うとつい」


そう、今日の洗礼でやっと魔法が使えるようになるのだ。ファウスに頼まれた世界の監視?そんなの後回しだ!


「それをするために転生したのでは?」


「まあまあ。早く朝ごはんを食べにいこうよ」


「はぁ〜。先が思いやられます。」







「今日は洗礼だな?用意はできているか?」


朝食の席で父親からそう聞かれる。


「もちろんです父様!」


「あらあら、カルドちゃんは本当に洗礼が楽しみなのね」


「はい母様。もし洗礼で魔法を授けられたらいっぱい魔物を倒したいです!」


「ダメよ。魔物なんて危ないわ。それに魔法を授かるかどうかは分からないんだから。」


「そうですね...」


(まぁ、魔法を授かるのは確定してるんだけど。)


「朝食を食べて馬車の用意ができたら出発するぞ」


「はい父様」





「それでは出発だ!」


父親の声で馬車が走り出す。今俺は辺境伯家の6人乗りの馬車に乗っている。御者席に執事長のセバスが座り、馬車の中には父親と母親、俺とナツメがいる。馬車の周りには団長のタダラを含め騎士団員が10人いる。


「父様、洗礼はどのように行われるのですか?」


「そうだな、教会の中の神々の像の前にかしずき、3歳になったことを報告するだけだ。残りは司教の言う通りにすればいい。神々に祈っていると"ステータス"という魔法を授かる。これは魔法の才能のない者でも全員使える物だ。また、運が良ければ神々から加護が授けられる。加護はその人の能力を上げてくれる。」


「ステータスはどのように見えるのですか?」


「自分のステータスを見るには「ステータス」と唱える。自分のステータスを他の人に見せたいなら「ステータスオープン」と言えばいい。試しにやってみようか」


「ステータスオープン」





ラナク=フォン・ランツァーノ

年齢 31歳

種族 ヒューマン

LV 67

称号 パスンチア王国辺境伯家当主

炎雷の魔法使い

親バカ



HP 5630/5630

MP 30420/30420


STR 120

VIT 148

DEX 350

AGI 186

INT 240

LUK 216


魔法神マナの加護

智神サクの加護







(なあヘル、これって強いの?)


「普段戦うことをしない農民などのような成人男性の平均値はHPが500〜1000、MPは魔法の才能がない者なら300ほど、各能力値は100前後ですね。もちろん戦わないのでLVも5程度です。」


(各能力値の意味は?)


「STRが筋力、VITが生命力、DEXが器用さ、AGIが素早さ、INTが知力、LUKが運ですね。」


(つまり?)


「この人は結構強いってことです。貴族家の当主なのに。」


(おぉ、すごいな!)


「父様はとても強いのですね!?」


「そうだろう?ハッハッハ」


「この炎雷の魔法使いとはなんですか?」


「父さんはな、火属性と雷属性の魔法が使えるんだ。」


「2つも魔法が使えるんですか?」


「そう言うことだよ」


「僕も何種類もの魔法を使ってみたいな!」


「それは神々次第だな」


「頑張ってお祈りします!」





そんなやりとりをしている間に教会に着く。




「これはこれは辺境伯家の皆様。ようこそおいでくださいました。」


俺たちを出迎えてくれたのは細身の70代ぐらいの男の司祭。司祭のちょっと豪華な衣装を着ているが、宝石の類はつけていない。小説とかでよく読む典型的な腐った聖職者みたいな人ではなさそうだ。


「うむ、本日は3男のカルドが3歳になったのでな、洗礼を頼む。」


「カルドです。よろしくお願いします。」


「ほぅ、なかなか利口なようで。儂はこの地で司祭を務めておりますナナセと申します。」


「それでは早速カルド様は洗礼を始めましょうか。辺境伯家の皆様はこちらのシスターが別室へお連れいたします。」


父親たちはナナセ司祭の後ろから出てきたシスターに連れられて先に行ってしまう。


「それではカルド様も行きましょうか」


連れてこられたのはそこまで広くない円形の部屋。見回して見ると壁に男の人や女の人が彫られている。おそらく神々であろう。入り口から入って正面に彫られている初老の男性には見覚えがある。絶対神ファウスである。


「このまま部屋の真ん中まで行き片膝をついてください。心の中で3歳になりましたと神々に報告してください。そうすればステータスの魔法を授かります。また、加護をもらえた場合、その神の像が光輝きます。いきなり眩しくなってもびっくりしないでください。」


「はい、わかりました」


俺はまっすぐ部屋の真ん中まで行き片膝を着く。


(ファウス、俺は転生してから3年たったよ?そろそろ魔法をくれや)


その瞬間全ての神の像が光輝き、俺の意識は飛んだ。

初めまして、こんにちは躑躅です。

1日空きましたが、更新させてもらいます。

なんとか金、土、日の3日で2話を出したいと思います。


まだまだ未熟な点はあると思いますが、誤字脱字の指摘、話の感想などお待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ