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前世での忌まわしが今世での武器  作者: 躑躅
少年時代
10/12

家族の反応

「コツッ、コツッ」


広い廊下に俺とシスターの靴音だけが響く。

教会というだけあって最低限の装飾しかされていない壁や、窓の外の景色をチラチラ見ながら父親たちの待つ部屋へ向かう。外から子供のはしゃぐ声が聞こえる。


「なにやら楽しそうな声が聞こえますが、なにをしているのでしょうか?」

ふと疑問に思ったのでシスターに聞いてみる。


「洗礼を終えた子供たちが遊んでいるのでしょう。この教会は孤児院も併設されているので、中庭には遊具があります。おそらくそこで孤児院の子供たちに混じっているのでしょう。洗礼を受けれるのは半年に一回なので今日は同じ年代の子供たちがこの領都中から集まるのでそんな光景は珍しくないのです。」


「そうなんですね」

(俺もそこに混ざれないかな?)


「まだそんなこと言っているんですか!」


(だってさー、隠蔽ができないんだよ?)


「わかりました。スキル欄は私の方で調整しておきますから。」


(スキル欄は別にいいんだよ。能力値が問題なんだよね)


「仕方ないじゃないですか、スキルは使わないと個人で判断すれば隠し通せるものですが、能力値はその人を構成しているものを数値化した値です。能力値を隠蔽するということはその人の体を分解して作り直すのと同じ意味ですからね。」


(うわっ、そんなえげつないことなの?)


「あくまで物の例えですよ。」


「着きました。こちらに辺境伯様たちがいらっしゃいます。」


「はい、」


「コンコンッ。

失礼します。カルド様が洗礼を終えられましたのでお連れしました。」


「ああ、入っていいぞ」


「失礼します。」

シスターに続いて部屋に入る。中は貴族用の控え室だけあって、多少豪華な飾り付けになっていた。そして部屋の中央に向かい合うようにしてソファが置かれており。そこに父親と母親が並んで座っており。その後ろにセバスとナツメが控えている。タダラと2人の騎士が今入って来た入口側の壁に並んでいる。


「父様、無事に洗礼を終えることができました。」


「そうか、魔法と加護は授かったのか?」


「ええ、両方とも授かりました。」


「あら、さすがカルドちゃんね〜」


「ありがとうございます母様。」


「カルド、ステータスを見せてくれるかな?」


「え、えぇ」

(いきなりか)


「貴族にとっては魔法は重要ですからね。すぐに確認したくなるのも分かります。」


(家に帰ってからでもいいのに)


中々見せない俺に疑問を持ったのだろう

「どうしたカルド?ちゃんと魔法を授かったのだろう?あぁ、そうか。シスターもう下がって良いぞ。」


「はい、失礼します」

一礼してシスターが部屋を出て行く。


「教会の人間と言えども部外者だからな。これで身内だけになったぞ。さぁ見せてくれ」


「はい」

(シスターがいたせいじゃないのだけどな。しょうがない、腹くくるか!)


「ステータスオープン」







カルド=フォン・ランツァーノ

年齢 3歳

種族 ヒューマン

LV 1

称号 ランツァーノ辺境伯家3男

転生者 (隠蔽中)

神々の代理人 (隠蔽中)



HP 36980/36980

MP 1205000/1205000


STR 491

VIT 456

DEX 675

AGI 750

INT 980

LUK 642


絶対神ファウスの加護

生命神ライムの加護

武神オットーの加護

魔法神マナの加護

智神サクの加護

土地神メルの加護

商業神カイドの加護

娯楽神レネの加護

旅行神ハルイの加護

美神アフロディテの加護

龍神ラダンの加護

獣神カルガの加護



======================================


スキル

全言語理解 (隠蔽中)


ヘルプ機能 (隠蔽中)

・質疑応答 (隠蔽中)

・鑑定レベル5 (一部隠蔽中)

・マップ (隠蔽中)

・気配察知レベル3 (一部隠蔽中)


言霊魔法


理解 (隠蔽中)


剣術レベル4 (一部隠蔽中)


魔力探知 (隠蔽中)

魔力操作 (隠蔽中)





「スキルは覚えておいて不思議ではないようなもの、あると認識しておいてもらった方がいいものだけ残しておきました。魔力関係は今まで魔法を使ったことないはずなのになぜ魔力操作があるのかと怪しまれないよう、一応隠蔽をかけておきました。」


(助かるよ)

「どうですか父様?魔法も授かり、加護も沢山もらいました!」

ここは子供らしく何も知らない振りで乗り切ろう。


「.............」


あれ?反応がない。


「どうですか母様?」


「.............」


あれ?


「どうしたのですか?」


「っっっ!どうしたもこうしたもあるか!なんだこのイかれたステータスは!」


まあ、そうなるよね。


「なにがですか。魔法も加護も授かったからいいじゃないですか!」


「ふぅー。いいかカルド。能力値は非常に、非常ーーに気になるが、一旦おいておこう。まず加護だな!12神全ての加護を持っているのは、聖ガルガンディア国の教皇様だけだ。しかもその教皇様も、代々絶対神様の加護は教皇の位につくときに授かるものだ。つまりお前は教皇様より神に祝福されているのだ。そして魔法!言霊魔法とはなんだ?新しい魔法はこの100年近く見つかっていないはずだ。その魔法は見たことも聞いたこともない新発見の魔法だぞ!さあ、その魔法の能力は!?」


「言霊魔法の能力は魔力を込めて発した言葉の事象を現実に引き起こすことができるのです」


「!?!?!

またそんなデタラメなものを.............

私は疲れた。屋敷にもどるぞ。ただしナナセ司祭に加護のことを報告してからだが。あまりこのことは言いたくないが決まりだからな。帰ったら国王にも手紙を書かないといけないだろうし、全くお前は手がかからないと思ったら、すごくめんどくさいところで手間をかけさせて」


「あなた、それぐらいにしましょう。まずは帰ってカルドちゃんの誕生日パーティーをしてからよ」


(ナイス母様!)


「あぁ、わかってるよ。さあ行くぞ!」


父親がすごく疲れた顔をして部屋を出て行く。っていうかニコニコ笑っているのは母親だけでそれ以外のみんな父親と同じような顔をしている。何はともあれ、なんとなくステータス披露は終わったのかな?


「油断は禁物ですよ。おそらくこれのせいで聖ガルガンディア国とこの国の国王に目をつけられでしょうね。幸いどちらも腹黒いとか、戦争推進派とかではないようですが、なんとかして囲い込もうとしてくるでしょう。」


(うわっ、めんどくさ!)


「諦めてください。」


(はぁー)


「なにをしておるカルド、行くぞ!」


「はい、わかりました。」


ステータスの披露という修羅場を乗り越えたはずなのに俺の足取りはその前後で変わることはなかった。そして案の定、加護のことを報告したナナセ司祭は腰を抜かして驚き、しばらく俺を拝んでいた。俺にご利益があるとは思えないけどな。



こうしてカルドは無事洗礼を終えた。しかし、このステータスのせいで注目を浴びることとなる。既に2カ国のトップが動き始めようとしている。これでカルドがめんどくさいことに巻き込まれることだは確定したと言えるだろう。

初めまして、こんにちは躑躅です。

土曜に更新すると言いつつ、少々時間が取れなくて遅れてしまいました。申し訳ありません。また、今週中に時間をとってもう1話か2話、出せたらなと思います。


まだまだ未熟な点はあると思いますが、誤字脱字の指摘、話の感想などお待ちしています。

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