表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

4話

4話目になります。

とりあえず1日が終わった形となりましたね。

夜はまだまだ長いですが...

(寝るか...)

(そうですね。)

風呂から出た後自然とそういう流れになり就寝となった。

ところがそういう訳にもいかないんですよ兄貴。

こないだ俺一人暮らしって言ったじゃん?

だからさぁ...敷布団はもちろん、寝具1式が人セットしかないんですわぁ...そりゃさ、毛布ぐらいはあるよ。

俺が唯一親友と呼べる奴と宅飲みしてそのまま泊まっていくってことはあるからさ。

でもあいつは何時も俺に気を使ってか、ソファーで寝てくれるんだよ。

あかん、涙でそう。

一人暮らしな俺としてはこんなシチュが現実で起こりうるなんて想像もつかなかったからな...想像はしていたけれども。

(それでは私はソファーで寝ますので、おやすみなさい剣介さん。)

(おう。おやすみシルヴィ...じゃなくて今は冬だぞ?

寒いに決まってるんだからお前が布団使えよ。)

流石に女の子一人をソファーに毛布1枚で寝かせる訳にもいかんだろ。

(いいえ、とんでもありません住まわせていただいているのにそんな贅沢言えません。)

頑ななシルフィ

(いいや、俺の心が痛むんだよ。

頼むから布団で寝てくれ。)

俺はそんな鬼畜男になりたくないんだよ。

(いいえ、それこそ私の心が痛みます。)

このような小競り合いがひとしきり続いた。

そしてシルフィが唐突に顔を赤らめて

(そ、それなら2人とも同じ布団で寝ればいいのでは?)

(は?いまなんて?)

ゴメンナンテイッタカワカンナイ

(ですから、2人とも同じ布団で寝ればいいのではないですかと言ったのです。)

訳が分からないよ。

全然訳がわかんないよ!

(そうすれば剣介さんと私の意見は両方反映されるではありませんか。)

(いや、だからってお前なぁ...)

(それがいいです。

そうしましょう!)

若干食い気味なのが気になるがまぁいいか。

(はぁ...分かったから、んじゃ俺がこっち向いて寝るからシルフィも背中合わせで寝てくれ。)

(分かりました...。)

なんで残念がるのか。

ねぇなに?

俺を誘ってんの?

男はみんな狼なんだよ?

ケダモノなんだよ?

そう思いつつ布団に入っていざ寝ようと思っても寝られやしない。

なんかいい匂いがするんですけど!

同じシャンプー使ってるはずなのにいい匂いがするんですけど!!

こりゃ寝られんな。

明日にでも布団買ってこなきゃ...

(あの、剣介さん。

起きてますか?)

いつもよりシルフィを近くに感じる。

そりゃそうだろう背中合わせで寝ているのだから。

(あぁ、起きてるよ)

(その...お風呂でも言いましたが本当にありがとうございます。

私は正直もうダメだと思ったんです。

見知らぬ地に、見知らぬ言語、見知らぬ物...全てが私を不安にさせました。

でも...でも剣介さんが私に安寧を与えてくださいました。

衣食住の保証に言語の教育。

とても嬉しかったです。

見知らぬ地でも私をこのように大事にしてくださる方がいるんだと分かって。)

声が震えている。

本当に怖かったのだろう。

(そうか...本当に怖かったんだな。

こんな時、気の利いた言葉でもかけてやれたらいいんだが、生憎俺には思い浮かばない)

(そんな、ごめんなさい。

こんなことを言ってしまって。)

自分でも情けないと思う。

ただ...

(ただな、俺はお前を見捨てたりしないし、シルフィを助ける。

これだけはさ...俺にも約束できるよ。

似たようなことを、昔経験してさ...

似たようなって言ってもシルフィとは根底が違うけどな。

その時さ、助けられたんだよ、とある人に、庇ってくれたんだ。

その時のことが忘れられなくてさ。

シルフィにとって、こんなこと理由にならないかもしれないけど...だからこそ俺はシルフィを助けたい。)

そこでシルフィが布団の中で動いた。

俺の方を向いたのだろう。

シルフィの吐息が俺の首筋にかかる。

そして消え入りそうな声で

(すいません...辛いことを思い出させてしまって...私...私...)

(大丈夫だって。

俺だって本当に駄目ならこんな話しないさ。

でも、これでシルフィが2人目だぞ?

この話を聞いたの。)

(1人目は誰なんですか?)

(俺の...親友だ。)

(もし良かったらそのお話聞いてもいいですか?

さっき私の話をしたんですから今度は剣介さんの番です。)

(え?さっき話しただろ?)

(いいえ、どのような事があって庇ってもらったのかなど、私も辛いことを聞いているのは分かっています。

でも、さっき私も話をしていて、こう、胸の奥がすっと開けるような感じがしたんです。

だから剣介さんも一人で抱え込んで欲しくないんです。

第1、その親友さんには全部話したんでしょう?)

(分かった、わかったから

話すよ。)

このような話をしていてもまだまだ夜は更けない。

次回は回想に入ります。

剣介の過去の話です。

それでは次回また会いましょう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ