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球技大会!

ヒロインやっと登場ですー!

主人公の変態っぽさが・・・

さぁ、やってきました!

in the体育館!!

実はこの学園、さすがお金持ちの集まる学園だけあって講堂と体育館が分かれている。

講堂は集会とか入学式とかの式典の時に使うようで体育館は主に授業の体育とかで使う。

で、なぜ私がこんなテンションの高い状態で体育館にいるかと言うと今日は球技大会なのです!!


「まーくん、もう行こーよ〜。」

周りに人がいるため、私は小声でまーくんに話しかける。

「ちょっとまって、ん、もう!このジャージ着にくいのよ!」

うちのジャージ、(布の質はいいけど)ふつーーーーーーーの紺のジャージなのに、まーくん、どこに着にくい要素があるんだい?


と、そこ天使が舞い降りた。

「あっ、誠様、すみれ様!」

んっ?!この小鳥のように可愛い声は!!


「桃ちゃん!」

私が勢いよく振り向くとそこに居たのはやっぱり我が自慢のヒロイン、桃井 雛ちゃんがいた。

桃ちゃんはやっぱりヒロインだなぁ、と思わずにはいられない美貌の持ち主でまーくんにも私にも劣らない。

更に!!男女ともに憧れるぼんっ、きゅ、ぼんっのスタイル!

出るとこ出ててしまってる所はしまってる!!

髪は茶髪で天然パーマらしくてフワフワとしたボブ。

もう!こんなに可愛い生き物がいるのかってくらいkawaii☆


周りの人が減ったのをいいことに私は思いっきり桃ちゃんに抱きつく。柔らかい・・・

「す、すみれ様!くすぐったい・・・」

「うふふ〜、桃ちゃん柔らかくて温かい・・・」

ちょっと私が変態っぽい気もしなくもないけど気のせいでしょう。

おっ、とやべっ!!!まーくんの羨望な眼差しが強い!!

離れなきゃ、でも、ぬくい・・・。う〜、離れ難いなぁ・・・。

「もう!すーちゃんくっつきすぎよっ!!!」


とうとう我慢しきれなくなったまーくんにベリっと音がしそうなくらいに引き剥がされた。

「ぬぅ〜」

恨みがましくまーくんを睨みつけるとまーくんはふんっ!と勝ち誇ったようにこちらを見てきた。

「ちょ、け、喧嘩はやめましょ!ね?」

慌てる桃ちゃんも可愛い〜・・・。

なんて考えてると先生の呼びかけが始まった。

「あっ、もう並ばなきゃ・・・」

「そうね、桃ちゃん後でね。」

「もうっ!私、桃ちゃんと全然話せてないわ!」

既に桃ちゃんは先に列へと向かっていた。

まーくんもプリプリと怒りながら男子の列に行こうとする。

流石に可哀想になった私はまーくんの腕をつかんだ。

「ごめんね、まーくん。この後二人っきりにさせるチャンス作るから」

「・・・もうっ、これだからすーちゃんは!」

これでもダメかぁと肩を落とすとまーくんは「もう怒ってないわよ」とボソッと呟いた。

「え?」

「大人気なく怒ってごめんね、すーちゃん。ありがとう」

そう言ってまーくんはしゅんとしていた私の頭を撫でてくれた。

「それじゃあ、すーちゃんも優勝目指して頑張ってね」

「うん!まーくんもね」

まーくんと分かれた私はすぐに列へと並んだ。



◆◇◆


今年の球技大会はドッヂボール。

クラスとの親睦の意味を兼ねて毎年入学してすぐにこの行事が行われる。

あ、言い忘れてたけどまーくんと私と桃ちゃんは同じクラス。

でも男子と女子は別だからあんまりまーくんと桃ちゃんが話す時間が無いんだよねぇ・・・。


しかも今は私のクラスはどこも試合に出てないからすっごい暇。

「桃ちゃ〜ん、超暇なんだけどぉぉぉ」

「そうですねぇ・・・、ふぁぁ。昨日寝てなかったのですごい眠い・・・」

桃ちゃん、あくびも可愛いわぁ・・・

「大丈夫?寝不足は良くないわよ」

「はい・・・、でも今日が楽しみで眠れなくて、ふぁぁ。」

「桃ちゃん・・・、」

寝不足の理由まで可愛いなんて・・・、

「ぎゅっ〜〜〜!」

桃ちゃんにまたまた私が抱きつくと桃ちゃんは照れて顔を真っ赤にさせる。

「あわわわ、す、すみれ様ぁ。」

ちなみに、ここは校舎内にある自動販売機の前。

人気が少ないのをいいことに私は桃ちゃんに抱きつきまくる。

ん〜、いい匂い・・・。


私はしばらく抱きついた後に桃ちゃんから離れる。

「桃ちゃん、何飲む〜?」

「あ、私はココアにしようかな・・・」

ガコンっ

「はい。」

「あ、ありがとうございます!お金・・・」

「いいの、いいの〜。いつも抱きついてるお礼だから。」

「・・・ありがとう」

そう言ってはにかむ桃ちゃんは女神レベルで可愛い。

このたまにでる敬語が取れた瞬間がまじで、本気と書いてま、じ、で、可愛い。


「あ〜、無理。可愛すぎる。」

でも!私偉いよ!ここは抱きつくのを我慢して飲み物を先に買った。

ちなみに私は緑茶。可愛げがないって?へんっ、ほっとけ!

「よし、じゃあ戻ろっか。」

「そうですね。」

と後ろを向いた私は固まった。んん?またもやデジャヴ。

「え〜と・・・、すみれちゃん、だよ、ね?」

「・・・・・・・・・」

後ろを振り向くとそこにいたのは宮谷だった。

なんなの・・・、こいつ!!!間が悪すぎるんですけど?!!

「ごきげんよう、宮谷様。」

私はそのまま通り過ぎようとする。

がしっ、


見ると腕を掴まれていた。ん、またもやデジャヴ。

「ちょっと聞きたいことがあるんだけど。」

「あれ?宮谷様?」

「え?あー。桃ちゃん!こんにちは〜!」

え、え、え、え、この雰囲気知り合いって感じ?

やっぱりもう宮谷、ヒロインと出会ってました?


「あれ?すみれ様と宮谷様はお知り合いですか?」

私と宮谷を交互に見比べる桃ちゃんは鬼可愛いんだけれども知り合いと言っていいのかどうなのか・・・。

「いえ、顔見知りというだけで「そうだよ!」特に面識は・・・」


おい、人が喋ってる時に割り込んでくんなよ。

「すみれちゃんと俺、超仲いいもんね〜!」

「だからっ!」

仲良くねーよ!桃ちゃんの前で変なこと言うんじゃねーぞ!的なことを言おうとした瞬間、二度目の衝撃が訪れた。

「すーちゃん!!また桃ちゃんと一緒にいるの〜!!ずるいわよ!」

まーくんんんんんんんんん!!!!!!

オワタ、終わったよ。これは終わったよ。

よりによって一番バレたくない人にバレたよ。


と、まーくんはまーくんでおそらく物陰にいて見えなかっただろう人物が見えたことで駆け寄ってくる途中でピシッと固まった。

それにしてもまーくんや、人気(ひとけ)がないからとはいえ大声でくるのは危ないと思うぞい。

今となっては遅いけどねっ!!

「誠様・・・」

私は、はぁとため息をついた。


「えーと・・・?」

困惑したように私達を見る宮谷。

まぁそりゃあそうだ。大体私もまーくんもみんなが知ってる性格と違いすぎるのよ!!


「なんでしょうか?」

敢えてすっとぼけてみると宮谷は「いやいやいや!」と焦り始める。

「何ながそうとしてんの?!!明らかに今見たことなかったことにしようとしてるよね?!」

「何のことでしょう?」

もう1回すっとぼけてみる。いい加減諦めてくれよ、少年。

「いや、まずまず、すみれちゃん、俺と話してる時と桃ちゃんと話してる時の態度違いすぎない?てか普段とキャラ全く違ったんですけど?」


「桃ちゃん・・・ですって?」

あ、やばい、まーくん、そこに反応しちゃう?

そこぐらいは許してあげようよ。ね?宮谷に後で注意しておくから。

「すーちゃんこのことも・・・、すみれ、ちゃん。」

あ、そこも反応しちゃいますか。そーですか。

私は一応ちゃんと注意しましたからね!親しくないのに下の名前で呼ばないで的なこと言ったからね!


「それに、龍宮寺 誠くん、だよね?なんか聞いてたキャラと違うんだけど・・・」

「・・・」

「・・・」

「・・・」

三人揃って沈黙。

桃ちゃん隣でだらっだらに汗かいてるね。分かるよ、私も内心すごい汗びっちょ。まーくん、目そらすのやめようか。俺関係ないみたいな空気やめようか。


「ていうか、桃ちゃんこの二人と仲良かったの?」

宮谷、沈黙に耐えきれなくなったのか私の愛しの桃ちゃんの肩に触れやがった!!!


コンチクショウ!許さねぇぞ、宮谷ぃぃ!!

と切れる私はふと我に返る。

あれ?まーくんも宮谷がチャラ男って知ってるよね。この前、下半身ゆるゆる男とか言ってたもんね。


そんな人が桃ちゃんに触れたら・・・!

慌ててまーくんの方を見ると案の定まーくんからは変なオーラが出てる。

なんか地響きも聞こえてきそうだね、あは。


・・・じゃねーよ!やべぇ、早くこいつを引き離さないと!!

「み、宮谷様、個人的に話したいことがございます。

私達のクラスはしばらく試合がないのでお時間があるのならちょっとよろしいですか?!」

「え、うん。いいよ」

よし!宮谷の手が桃ちゃんの肩から離れた!!

「それではこちらへ!」

私が宮谷の腕を引くと宮谷は「おっ、積極的だね〜」とか何とかほざいてやがる。

「す、すみれ・・・」

まーくんが申し訳なさそうにこっちを見てくるので私はニッコリと笑っておく。

「大丈夫だよ、まーくん。じゃあね。」

まーくん、の部分で宮谷がピクッと反応したように見えたけど気のせいだろう。

「宮谷様、こちらへ。」

私達は空き教室を見つけて中へ入った。



「さて、宮谷様。今の状況のことですが、」

ドンッ!


・・・ん?

あれ?なんで私、壁際にいるの?なんで顔の横に宮谷の腕があるの?

・・・・・・・・・これ、壁ドンじゃね?


「誠くんがまーくんだったんだね。」

え、そこですか?宮谷が聞きたいのそこっすか?そう言えばこの間まーくんって誰?的なこと聞かれたな。

「え、えぇ。幼なじみなんです。」

「それは知ってるよ。好きなの?」

「え?」

「だから、誠くんのこと好きなの?」


えーと・・・?どういう状況だ?

「はい、好きですけど・・・」

幼なじみとしてまーくんは本当に親友と言っていいほど仲がいい。好きか嫌いかと言われたらぶっちぎりで大好きだ。


私がそう答えたことになぜか宮谷は機嫌を損ねたらしくやつにしては珍しく一瞬無表情になる。

無意識かもしれないんですけど、その顔めっちゃ怖いです〜。

「ふーん・・・、でも彼、桃ちゃんのこと好きっぽかったけど?」

そして刺々しい声で衝撃発言をぶちかましてきやがった。

げっ、もう気づいてんの?流石に鋭すぎない??


「俺、伊達に女の子と遊んでないよ〜。人を見る目はまぁまぁある方だと思うな〜。」

どうやら考えてたことが顔に出たらしく、宮谷があはは、と笑いながら答える。

はい、知ってますよ。私も前世、伊達に仮面被ってませんでした。あれ、こう考えると私達似たもの同士ですね。

どうしよ、全然嬉しくねぇ・・・。


「はい。そう見たいですね。あ、でもこのこと出来ればみんなには内緒にしておいてくれませんか?バレたら桃ちゃんが可哀想なので。」


誠様の好きな人って誰?!!なんて教室に女子が殺到したらそれこそ地獄絵図よ。

「え?好きな人なのにいいの?」

私の言葉に宮谷が驚いた顔をする。

「だって、恋愛対象として見てませんもの。」

「え?」

「え?」


んん?考えにくい違いがあるみたいだぞ?

「でも好きなんでしょ?」

「はい。幼なじみとして好きですよ。」

「え?」

「え?」

あれ?さっきと同じ状況。

「取り敢えず、この腕どかしてくれません?」

そう、依然として私は壁ドンされたままなのです!

「普通この状況だったらもっと色っぽい雰囲気でもいい気がするんだけど・・・」

と、宮谷が言うのですがそんなこと知るか!

お前がパーソナルスペースが極端に近いやつだってことは分かってんだよ!

そしてお前に持つ感想はただ一つ!


何考えてるかわかんなくて怖い!!!


「聞きたいことはそれだけですか?それでは、」

「あ、いや、こっちが本題だったわ、忘れてた。」


あ、やっぱり?

どう説明しましょうか・・・

お読みいただきありがとうございます!

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