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自信を持たせるためには

ヒロイン登場させたいのに・・・

「すーちゃん、大丈夫だった?!!」

角を曲がった途端、いつも通りの素のまーくんが私に問いかけた。

「うん。大丈夫だよ。ありがとうね、まーくん。」

「全くあの下半身ゆるゆる野郎!すーちゃんを口説くなんて100年、いや、1000年早いのよ!!」

「それは・・・。」

言い過ぎでは?と思ったもののまーくんの心遣いが嬉しかったので何も言わないでおく。


「ていうか、まーくんなんでここにいるの?桃ちゃんとのお茶会は?」

私の問いかけにまーくんはきっ、とすごい形相でこっちを睨んできた。

え、なんで?私、いいことしたよね??

「その事よ!すーちゃん!!いきなり二人きりにされたら何を喋っていいかわからないでしょ!!私はすーちゃんと違って桃ちゃんと共通の話題なんて数えるほどしかないのよ!!」

「え、ええ・・・」


まさかの私の気遣い無駄だったみたいですね・・・。

おばさんしょんぼり。

「ていうか、すーちゃんなんであんなに桃ちゃんと話、合うのよ?スーちゃんだって根っからのお嬢じゃない・・・」


んんんん、そんな恨みがましそうに見られてもぉ〜・・・

まさか「実は私、前世は20代のOLだったんだよ。きゃは☆」

なんて言えるわけもなく曖昧に苦笑いを浮かべておく。


「もうっ!良いなぁ・・・、私ももっと桃ちゃんと仲良くなりたい・・・。どうしたらいいのよ・・・」

囁くような呟きは普段のまーくんからは想像もつかない弱気なもの。

私はそれを聞いてとんでもなくびっくりした。

だって、あのまーくんがだよ???!自信家で我が道を行きまくるあのまーくんがだよ!!!?

中学一年生の誕生日に鏡見ながら、

「どうしようすーちゃん・・・私すごいことに気づいちゃったわ。この世界、私の為にあるのよ。」とか言っちゃうまーくんがだよ?!

あ、やべ、これまーくんの黒歴史だった。やべ、やべ。

今のはご内密に・・・。


とにかくそこまで自信たっぷりなまーくんの弱気発言はすごいレアだ。

「でも、まーくんだってすぐ仲良くなれるよ!私だってなれたんだもん!」

「無理よ・・・・・・」


ええー・・・。どうしよう、これはかなり重症かも・・・。

恋をすると人って弱気になっちゃうのかしら?


なんて考えながらもまーくんをこのまま放置しておくと面倒くさそu、可哀想だもの・・・。


私は前世の仮面スキルをフル活動して考える。

んーーー、こういう時はどうすればいいんだ?

前世にこの場面を置き換えるなら・・・


あっ!そうだ!!こんな場面に似てる

私が学生だった頃、休み時間に突然クラスのリーダー格の子が私にこんなことを言い出した事があった。


『あんた、最近××くんと話すこと多くない?』


××くんっていうのはリーダー格の子が好きだった男子。

誰にも嫌われたくなかった私は男子ともそれなりに仲が良くて

よくその男子とも話してた。

その時の私は別にそんなことないよって笑って誤魔化したんだけどリーダー格の子が納得しなかったみたいでその後も何度かピリピリとした空気になった。

きっとリーダー格の子は親しげに彼と話す私に嫉妬して不安になったのだと思う。

これはやばいと焦った私はリーダー格の子にこう告げたのだ。


『私、今好きな男子がいるの。××くんは私が好きな人と話せるように間を取り持ってくれてるんだ。』


と。

その後にもし良かったら××くんみたいに私も間を取り持とうか?と問いかければリーダー格の子は途端に顔を明るくさせた。




今のまーくんもきっと自分と同じ条件で初対面の私が桃ちゃんとどんどん仲良くなっていくから不安になっちゃってるんだろうな。


私は目の前の幼なじみを安心させるために嘘をつくことにした。

前世とは違って私が望んで吐く、優しい嘘。


「私ね、気になる人ができたの。」

「え・・・?」

まーくんは私の突然の告白にびっくりしたようで二秒くらい固まった。

「え、え、え、え、ええええーーーーーーー!!!!!」

ん、ちょっとまって?なんか反応大袈裟じゃない?


「嘘!いつできたのよ〜!!私聞いてないわよ!てか何よ?初恋じゃない???水臭いじゃない!どうして言ってくれなかったのよぉ〜!!!」

ちょ、ん?あれ?まって、本題そこに移る感じ?てかまさかここまでくいついてくるとは・・・。

「あ、いや、うん、まぁ、だから。桃ちゃんとは恋バナをしてるの。」

してないけどね。強いて言うなら少しタイプの男子について喋っただけだけど。桃ちゃんのタイプは誠実な人だってよ、まーくん。


「だから、まーくんも自分の好きなことを話してごらん?何を話したら仲良くなれるとか打算的な事じゃなくて、もっと自分が話したい話。桃ちゃんはきっとそっちの方が話をしてて嬉しいと思う。」

事実私も、仲良くなろうとか、死亡フラグがうんたらかんたらとか考えてた最初よりも素直にこの子と仲良くなりたいなって思って接した時の方が桃ちゃんと仲良く話せた気がする。

「ね?」

まーくんの目を見て話すとまーくんは突然ふぅ、とため息をついた。


「なんか、最近のすーちゃんはたまに急激に大人びる時があるのよね。マナーとかすごい気にしてた時の方が大人っぽく見えていいはずなのに、今のへらへら〜としててマナーもたまに間違えちゃうすーちゃんの方がすごい大人に見える。」

私はドキッとしながらもまーくんの言葉を聞く。

確かに前世の年齢と合わせれば私30代だものね・・・。


「そ、そう?」

「うん。無意識かもしれないけど、最近のすーちゃん大人っぽいわ。にしても、今の言葉すごい響いた!すーちゃん、詩人になりなさいよ〜!すごい救われた気分。」

「そ、それなら良かった・・・」

と、とにかくまーくんの自信が戻ったみたいでよかった・・・。

私はまーくんが自信に漲っているのを見て静かに退散した。

気になる人って誰?なんて聞かれても答えられないしね〜。





その日の放課後、たまたま桃ちゃんと会ったまーくんは頑張って桃ちゃんにアタックを開始した。

今度はまーくんからのお願いで二人っきりにして私は1人で帰ることになった。

うまくいくといいなぁ・・・。


なんて心の中で祈ってるとぽんっ、と肩に手を置かれた。

「ひゃあ!まーくん?」

なんで戻ってきちゃったのよー?早くない?なんて思いながら振り返った私は固まった。あれ?デジャヴ。


「宮谷、様・・・」

「こんにちは〜!お昼ぶりだね」

ニッコリと笑う宮谷の顔はやっぱり作り物みたいに綺麗な顔をしていた。


やっべ・・・!!

絶体絶命やぁ・・・

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