一難去ってまた一難とはよく言ったものです
・・・あー、どうしてこんな状況に。
私は宮谷の隣で頭を抱えた。
昨日、私の家に宮谷が来て学校に来ることを約束させて帰ったと思ったら今日の朝、玄関を開けたら宮谷が待っていた。
そして今、私と宮谷は何故か一緒に学校に登校している。
「宮谷様?何故私達は一緒に登校しているのでしょう?」
「んー?ね〜」
ちっ、うざっ!なにこいつ、うざっ!!んー?ね〜ってなんの答えにもなってねぇじゃねぇかよ!!!
表情もいつものヘラヘラとした笑い方に戻ってるし・・・
なによ、昨日少しでもかっこいいかもとか思った私が馬鹿だった・・・ってそんなこと思ってない!!なに?!私勝手に自分の記憶を改ざんしてる!!?きもっ!自分の乙女思考きもっ!
「え、すみれちゃんなんで百面相してんの?笑える〜、そんなすみれちゃんも可愛いよー」
「あ〜、はいはい。嘘つくのは最低ですよ」
「これが嘘じゃないんだな〜」
「はいはい。」
私が宮谷をあしらっていると後ろで「すーちゃん!!!」と私を呼ぶ声がした。
・・・この呼び方をする人なんて一人しかいない。
私は恐る恐る後ろを振り向く・・・と、
ずがぁーーーーー!!!!ばぁんっ!!!
体に大きな衝撃がきた。
・・・ここで問題です。
さっきのすごい音はなんの音でしょう?
正解はね、私がまーくんに抱きつかれた音だよ。
分かるわけないよね。だって明らかにそんな和やかな音じゃなかったよね。どこぞの戦闘シーンみたいな音してたよね。
うん、痛い。
「ま、ま、まーくん痛い・・・」
「あっ、ごめんなさい!!!私、すーちゃんとこんなに離れたの久しぶりすぎて、それにお見舞いに行ってもあってくれなかったし・・・」
「うん・・・、ごめんね、まーくん。色々私も考えることがあったの。でも、今は全然大丈夫だから。心配かけてごめんね、お見舞いに来てくれてありがとうございます。」
私がいつもより真面目なトーンで素直に頭を下げるとまーくんは私を抱きしめる腕にさらに力を込めた。
「ち"ょ・・・、ま"、ま"ーくん"・・・、じ、じんじゃう・・・」
まーくんは例えおねえ言葉を使っていても、どこぞの神様のように美しい顔をしていてもとてつもない怪力の持ち主なのだ。
肋骨、逝くって、これ・・・!!みしみしいってるって!!!
これ終わっちゃうって!!!色んな意味で色んなことが終わっちゃうって!!
あ、遠くにおばぁちゃんが見える・・・、よく飴玉くれたよなぁ。
あれ?いつの間にか目の前に川が・・・、
と、私の顔色が変わったことに気づいた宮谷が急いでまーくんを引き剥がした。
はぁ!息ができる・・・!!
なんか見てはいけない景色を見た気がする・・・
「宮谷ナイス!!」
私が思わず親指を立てて宮谷にそう声をかけると宮谷もそれを真似する。
まーくんはよく分からないとでも言うようにきょとん、としていた。
まーくんや、その怪力は自覚した方がいいと思うぞい。
三途の川を渡りかけるという貴重な経験を終えて私達は学校についた。正直こんな経験朝からしたくなかった。
学校につくと久しぶりの私の登校に周りがざわついた。
・・・そんなざわつきますか?まぁ、私、圧倒的威圧感ありますもんね、あはは。涙が出てくらぁ・・・。
なんてちょっと自虐していると後ろで何かが落ちる音が聞こえた。
私は少しデジャヴを感じながら後ろを振り向く。
とそこにはスクールバッグを落としたまま固まる桃ちゃんが。
「桃ちゃん・・・」
「すみれ様・・・」
桃ちゃんは私の名前を呼ぶや否や私の腕をものすごい力で引っ張っていく。
え?
ええええええ?!!!!
何?なになに?!どこに連れてかれちゃうの?私!
「すみれ様!!!」
私の手を引いていた桃ちゃんが人気のない校舎裏まで来て突然立ち止まった。
「な、なに?」
「あの、私、すみれ様を・・・、ひ、酷く傷つけてしまって・・・、そ、その・・・、なんて謝ればいいのか、分かんない、んですけど・・・、その、あの、」
必死に私に謝まろうとしてくれている桃ちゃんに申し訳なさを感じて私は桃ちゃんの言葉を遮る。
「桃ちゃんごめんなさい!!!」
「へ?」
「私、なんか色々と勝手に自分で傷ついて自分で落ち込んでただけで桃ちゃんが気にすることは何一つないの。ごめんね。」
「ち、違うんです・・・!私、宮谷様に聞いたんです。すみれ様は私達の教室での会話聞いてたんですよね?
実は私あの時、あっ、言い訳だと思われても構いません!でも私はあの時、あの女子2人にすごく怒ってて、でも同時に呆れちゃって・・・」
・・・ん?
え?あれ?なんか私が思ってたのと違うぞ?
ちょっとよくわかんなくなってきた。もう、すみれ、なにもわかーんなーい。
という現実逃避はこれくらいにして。
「どういうこと?」
私は桃ちゃんの言葉を遮ってそう質問する。
「え?すみれ様は教室での事を勘違いなさってると宮谷様から聞いたんですけど・・・」
「宮谷様が?なんていってたの?」
「恐らくすみれ様は私が女子ふたりとすみれ様の悪口を言っていると思ってるから誤解を解いてあげて、と。」
うっ、大方あってる・・・。って言うか誤解って・・・?
「あの、あの時、私が反論することが出来なかったのはすごく怒ってて、なんであなた達はすみれ様の良さがわかんないの?って。でもそれと共にこの人たちはなんであんなに素晴らしい人の悪口が言えるんだろう?って、なんか呆れちゃって後でゆっくり冷静に論破しようとしてたんです。」
「・・・は?」
「すみれ様に絶対勘違いして欲しくないのは、私はすみれ様が大好きだってことです!私がこの学園に来て不安な時、すみれ様は真っ先に助けてくださいました!いつも分からないことは優しく教えてくださいました。正直、この学園に来た時はいじめられたらどうしようとかずっと不安だったんです。でもそんな時にすみれ様や誠様が助けてくださって私、本当に今の生活が楽しくて、本当に本当にすみれ様のお陰でこの学園に来てよかったって思えて・・・」
「ちょ、桃ちゃん!ストップ!!!」
「私、すみれ様が大好きですっ・・・てなんでしょう?」
桃ちゃんのマシンガントークと思いもよらなかった告白に色々とパニックになりながら私は質問する。
「っていうことは私のことは好いてくれてるってことでいいの?」
「も、もももももももももちろんですっ!!!」
・・・嬉しいんだけど、私の今までの鬱の意味・・・。
いや!でも私があの時、ちゃんと桃ちゃんと向き合ってればこんな誤解すぐにとけたんだよね!
うん、今度は逃げない。
「桃ちゃん、ありがとう。色々ごめんね、私も桃ちゃんのことが大好きよ。」
「・・・はいっ!」
「いい話だね〜、良かったぁ!」
え"?この声は・・・
「宮谷!!様・・・、こんなところで一体何を・・・?」
ギラっ、とにらみをきかせて宮谷をみる。
「睨んでるすみれちゃんも可愛いけどすみれちゃんこわーい。ただ単にすみれちゃんが心配だったんだよ〜、あ、そうだ!ねぇ、仲直りの記念にみんなでデートしない?」
「え?」
「私も行くわよっ!」
がさっ、という音とともに草の中からまーくんが出てきた。
まーくん・・・、そんな所でナニシテルノ。
ちょっといきなりの急展開に私ついていけてないですけどぅ・・・。
混乱覚めやらない私に宮谷が衝撃発言を言った。
「桃ちゃんとデートなんて宮谷とさせないわよッ!」
「大丈夫、大丈夫、俺すみれちゃん狙いだから〜」
え?は?いや、全然大丈夫ばないからっ!?
まーくんも欲望そのまま口に出しちゃってるし?!
って言うかデート?!ダブルデート?!!
いや、違う、デートじゃない!これはお出かけだァ!!
あらやだ、みんなのテンションのせいで私まで変なテンションに・・・
「いいですね、みんなで行きましょう!」ノリノリな桃ちゃんに
「行きましょ!!」目をキラキラとさせたまーくん。
「いこ?すみれちゃん♪」そして妖しく笑う宮谷。
「・・・はい。」そんな三人に押された私。
こうして私は桃ちゃんと仲直りをする(?)と共にデートをすることになった。あ、違う!お出かけだった!!
その後、教室に入った私は色々な人に心配をされたり、体調を聞かれたりして今の私は1人じゃないということを実感した。
少し周りを見てみれば私はたくさんの人に支えられていることに気づけたんだ。
また間違えを犯してしまう前に気づけてよかった・・・。
だが、しかしだ。
これでめでたしめでたしといかないのがこの私。
私はそんな状況全く望んでいなくても、だ。
一難去ってまた一難とはよく言ったもので下校しようとした私は杉原の取り巻き、確か名前はなみさん、に引き止められた。
「ちょっと体育館裏で話、いいかしら?」
これは、いじめフラグですか?
悪役令嬢なのに?!!!
お読みいただきありがとうございます!!
すみれは頑なにデートを否定します。
あくまでお出かけ、ですw




