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デートじゃなくてあくまでお出かけ

お読みいただきありがとうございました!

「ちょ、ちょっと待ってください!えーと、その、杉原様はここがなんの世界かご存知ですか?」

「うん。トリックスターとかいう乙ゲーの世界でしょ。」

「え、」

思わず引き気味の声が出る。

え、いや、だってさ、さっき確か30代の独身貴族っつてたよね?口調的にも多分男だよね?

「えっと、中身も男性の方、ですよね?」

中身って言うと着ぐるみのことみたいだなんてちっとも思ってませんよ。えぇ。全く。

と、私の問いかけの意味と先程の引き気味の声の意味が分かったらしく杉原が突然慌て出す。

「あ、違うかんな?!俺やってねぇからな!やってたのは妹!!」

いやいや、いくら妹がやってたからってそんな正確に覚えてないでしょ。

「いいですって、私そういうの偏見ないんで。」

「いや、明らかにさっき引いてたじゃん!!声めっちゃ引き気味だったじゃん!」

「だって・・・、30代の社長(独身)が乙ゲーはちょっと悲しいかな〜なんて。」

「別にいいじゃねぇかよ!独身でゲームして何が悪い!って言うか本当に俺の妹がやってたんだって!俺の家来る度に妹がゲームのこと語るから覚えちまったんだよ!!」


あ、なるほどね・・・。妹さん、熱狂的なファンだね・・・。

っていうか、

「社長、じゃなくて杉原様、口調と一人称が変わってますよ。」

「あ、やべ」

とか言って杉原は急いで口調と一人称を直そうとするんだけれども・・・

この人ゲームのキャラと違いすぎねっ?!

それにさっきのあざとさどこいった!??目の前にいるのただの少年なんですけど???


「杉原様、さっきのゲームの杉原 雅ぶりはどこに行ったんですか?さっきまで少し腹黒さが多いだけで・・・、いやだいぶ多かったか。まぁ、とにかくゲームより腹黒いだけであとはゲーム通りいい感じにあざと可愛い感じだったじゃないですか。」

「え、あぁ。あんなの演技に決まってんだろ。」

吐き捨てるように言う杉原に私は違和感を覚える。


「なんで演技までしてあんなキャラに?別にゲームに忠実なキャラじゃなくてもいいじゃないですか。」

「うん、俺も転生に気づいた時そう思った。でもさ〜、やっぱこの見た目でこんな口調とかいきがってるようにしか見えないんだよね〜。」

「あ〜、確かに見た目少年っぽいですもんね。そんな口調で喋ってたらモテませんね〜」

「そうそう。前世はそれなりにハードボイルドでやってたんだぜ?でもさ、やっぱりチヤホヤされたいわけ。で、考えたのがこれよ。」

「は?」

「この見た目であのキャラやってるとまぁ、女子が集まるわ、集まるわ。」


あ、こいつ思った以上にクズだわ。しかも想像したよりも大したことないやつかも。


杉原の発言に思わず半目になった私は悪くない。


「あ、その目めっちゃ俺のこと軽蔑してんだろ?やだ〜、その目きついって〜、その顔でそれはきついって〜。」

うぐっ!!顔と目つきのことは触れるなよ・・・!!

私の心がえぐれるでしょうがぁっ!


「余計なお世話です!って言うかなんで私が転生者って分かったんですか?」

これは単純に疑問に思ったことだ。

だって私は杉原には完全に猫かぶりモードで接してたんだから。

どうして気づいたんだろう?


「え、あぁ。それはお前が悪いんじゃなくて宮谷に違和感を感じたんだよ。」

「え?宮谷様が?」

「そう。なんかやけにお前にベタベタしてるし、ほにゃあってしてるし、ちょっかいだそうとするとガチ切れするし、え?これゲームとちがくね?って思ってお前のことをよく観察してみたらこれはもしや・・・と思うところがあってな。」

「なんか宮谷様の扱いがやたら悪い気がするんですが・・・。」

「いや、だってさぁ!あのガキンチョ怖いんだもん!見た?俺もついて行くって言った時のあいつの目!!

ぜってぇ、あいつ何人か殺ってるやつの目じゃん!!!」

あ、やっぱりそれ思いますよね〜。あの目つき尋常じゃないですよねぇー・・・。杉原様もダメージ受けてたんですね、


「見ましたよ。あれは杉原様が煽るからでしょう?おかげで私まで怖い思いと気まずい思いをしましたよ!」

「いや、だってさ、ゲームでお前と宮谷って個人的な絡みそんなねーじゃん?お前が出てくるのって基本、龍宮寺 誠ルートなのに宮谷と仲良くデートしてたら気になるじゃん。」

「デートじゃなくてお出かけですけどね。」

「いや、あれはデー・・・「お出かけです」

食い気味でもう1度強く言うと杉原から呆れた声が聞こえた。

「・・・そこまで否定するか。」

ふんっ!だってデートじゃないしっ!


「ん、お前その指輪ってもしかして・・・」

むくれる私に杉原が私の指輪を見ながら小さくつぶやく。

「え?あぁ、これは宮谷様がくれたんですよ。この花すみれなんですって。可愛いですよね。」

私が事実をありのまま伝えると杉原はまたもや呆れたような声をだす。

「お前・・・、その指輪の意味わかってないわけ?」

「?」

「分かってなさそうだな・・・。あいつもご愁傷様。」

「え〜と?」

「いや、何でもない。それより流石にそろそろクレープ買わないと宮谷がキレるぞ。」

「あっ!そうですね、それは不味いです。すぐに買いましょ!」


私たちは急いでクレープ屋さんへと向かった。






それから?それからは大変でしたよ。もう、絶対何回か心臓縮んだって!(物理)


クレープを買ってきたあと、ぶすっーーーーとした宮谷の機嫌を直すために色々喋ったり、それを見て杉原が笑ってくるから見えないところで足を踏んづけてやったり、クリームが口についてるとか言って少女漫画みたいなこと(ここ乙ゲーの世界だけど)をやってこようとするのを阻止したり、それを見て杉原が笑ってくるから見えないところで関節外してやったりやたら手を繋いでこようとする宮谷を振り払ったり、それを見て杉原が笑ってくるから見えないところで腹パンをしたり、私と杉原が話してたら宮谷がやたら鋭い目で「なんかそこ仲良くなってない?」とか言ってくるからそれを弁解したり、それを見て杉原が笑ってくるから見えないところで思いっきりツボを押したり・・・。(以下エンドレス)



本当に疲れたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・!




私は長い1日を終えてベッドの上に勢いよく飛び込んだ。


今日はすぐに夢の中だぁ・・・。

明日は9時に投稿すると思います!

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