新学期
雨は嫌いだ。雨が上がった後の匂いも嫌いだ。虹も嫌いだ。この通学路も嫌い。学校も嫌い。自分だって大嫌いだ。
俺、舘川斗馬は今日から中学三年生になる。嫌でしょうがない。親や先生達は受験受験とうるさいし。もちろん、志望校なんて決めてない。本当は高校にも行きたくない。
なんでこんなに嫌なのか。そんなの俺にもわからない。友達だって多いほうだし成績もそれほど悪くはない。アニメもラノベも見たいときに見れる。部活のテニスだって普通にやっている。視力は最悪だが眼鏡をかければいい話。充実した生活だ。何が不満なのかわからない。
数週間ぶりの通学路を歩く。数メートル先に見慣れた制服を見つけた。俺は少し前髪のかかった眼鏡を押し上げそいつの顔を見た。横に流れた前髪、ショートカット、よく知るアイツの顔だった。
「あ、斗馬!おはよ。久しぶりだねぇ。」
コイツは高城茉奈。去年から同じクラスの奴だ。学級委員をやっていて、成績は俺よりも上。幼い頃から水泳を習ってるらしい。悩みなんて無さそうな顔してやがる。
「見てこれ〜。花!超きれい。」
「うん。だね。」
全く、相変わらずガキみたいな奴だ。
そんなくだらない会話から始まり、コイツと俺の唯一の共通点であるアニメの話を喋るうちに学校に着いてしまった。五年前に建て替えたばかりだという校舎は全面が白く、良く言えば近代的な感じだ。俺達はそんな無機質な校舎の門をくぐった。
ありのままの中学生を書いてみようと思いました。
初めての投稿なのでところどころおかしいところとかあるかもしれないですけど、何かありましたら教えて下さい。