第10.5話
警告というか・・・
本編には全く関係なく、ただ主人公たちがぎゃいぎゃいと大富豪して騒いでいます。
読み飛ばしても内容的には困りません。
ゲームが終わって。
大富豪、亮。
富豪、詩呂。
平民、暁。
貧民、晶子。
大貧民、立夏。
次のゲームで俺も淳も、平民から参加した。
「次から平民も交換有りにするかね?」
詩呂が晶子から貰ったカードを吟味しながら言う。
「いいわね。でも詩呂、もしそれであなたが下の平民になってたら笑うわよ」
「安心したまえ。次私は亮を落として大富豪になるつもりだからな」
「やべー…………ぜんっぜんイイ手じゃねーんだけど。立夏も大したモンくれねーし」
「黙れ。悪かったな最高十で」
「安心して立夏。俺、前に最高七だったから」
「は!? 落ちるところまで落ちたのか!?」
「そんな感じ。大貧民スパイラルから抜け出せなくなってね」
わいわいやっていると、淳が俺の袖を引いてきた。それを見た立夏が、むっと顔を歪めた。
あれ?
「ルールは?」
「柄しばりと数字しばりと革命と階段革命。柄しばりは二枚から、数字しばりは三枚からで。革命は四枚から階段革命は六枚から。
一、二枚だと…………スペ三、四リバース、五飛ばし、七渡し、八流し、九九車、十捨て、Jバック、税収」
「三枚はデス、ラッキーセブン、姦し娘、アルビノ・ジョーカー」
「……税収と三枚の効果ってなに?」
「税収はその前に出ていたカードを回収する。
デス……四を三枚は、出した本人以外の全員が一番強いカードを捨てる。
ラッキーセブン……七を三枚は、もし誰も出さずに通った場合、ラッキーセブンを出した人が大富豪になる。
姦し娘……Qを三枚は、出した本人以外の全員が一番強いカード二枚を捨てる。
アルビノ・ジョーカー……Kを三枚は、ジョーカーを単体使う場合、十とJの間の強さでしかなくなる」
「ほほう。ありがとうね」
一瞬、淳がニヤッと笑った気がした。
大貧民の立夏が、四を出す。時計回りだったのが反対になって、次に出すはずだった暁が床に寝転がった。
「ちょっとー…………」
「残念。ハイ七渡し。淳に変なモノあげる」
晶子からもらった物を見て、淳が嫌そうな顔をした。
「じゃあ縛っとこう」
九のハートを出した。
ので、十のハートを出して要らない六を捨てておく。
亮はJを出した。
「数字しばりな。しかもバックで出せないから、俺からだぜ」
あっさり主導権を握った亮が五を二枚出す。
詩呂と暁が飛ばされた。また暁がやさぐれた。
「一枚も出してないー……」
立夏、九を二枚で流す。
新たに五を出した。
飛ばされた晶子と暁が結託を始める。
淳、七で俺に六をよこした。
「晶子からもらったやつ。要らないからアゲル」
「どうも。……俺もいらないなあ」
とりあえず八で流して、七を二枚で亮に四と六をあげた。
あげたら、十を二枚でどっちも捨てられた。
ちなみに縛ってある。
始めて出せた詩呂が、嬉しそうにKを二枚出した。
全員パスで流れる。
「よし。ならいってみようか」
出したのは、三を三枚。
暁がまたやさぐれた。
立夏もパスしたが、淳がニヤッと笑った。
「はい四さんまい」
「うわ」「げっ」「ちょ、おまっ」「あーあ」「あらら」「むっ」
それぞれ一番上のカードを捨てる。
俺は二、亮も二、詩呂は二、暁はA、立夏は十、晶子はA。
…………あれ。ジョーカーが出てない?
みんなパス。
淳はまだニヤニヤと嫌な感じで笑っている。
「いっくよー。姦しむすめー」
「お前酷いな!?」
立夏が真っ先に突っ込んだ。
俺はAとK、亮は二とK、詩呂はAとQ、立夏は九と九、暁はJと十、晶子もJとJを捨てる。
さらに全員パス。
「亮ごめんね、上がった」
ジョーカー二枚のあとに、七一枚。で、上がり。
「俺ほとんど何もしてねーんだけど」
「僕なんか、出す前に大富豪と大貧民決まりましたからね」
亮が手札を置く。
暁が文句を言う。
淳はまだニヤニヤしている。
「始め見た時は革命した方がいいのか迷ったんだけど、役聞いてコレならイケると思ったんだよー」
「でも、見事な番狂わせでしたね」
「全くだ。ジョーカーが捨てられていない時点でまさかとは思ったが」
「俺手元にジョーカー無いの始めてでよ、マジ焦った」
「ナニそれ、嫌味?」
ばっさり切った晶子をよそに、俺はカードを出した。
結果。
大富豪、淳。
富豪、暁。
平民上、立夏。
平民中、俺。
平民下、詩呂。
貧民、晶子。
大貧民、亮。
大して変わっていない気がする。
「上の強いやつ出されたらそりゃ混乱するわー。むしろ俺三枚モノ出せなかったしよ」
愚痴りながら亮が三枚、一番上のカードを淳に渡している。淳はそれを眺めて、そのまま一枚返した。
「へ?」
「返す」
「へっ!?」
「いらない?」
「いや、要るけどよ!?」
「じゃあ有り難くもらって」
亮が淳を拝んだ。
その横で暁が晶子からもらった手札を自分の手に組み込み、別の二枚を返している。
「いらないわね…………もっと別のカードはないの?」
「僕もいらなかったんですよ」
立夏と詩呂は双方何も言わなかった。
俺は暇だ。
「誰か交換してー」
「あー彰、ハートの四持ってねーか?」
「持ってる。六くれない?」
「ヨシ」
「コラコラコラコラ」
淳に小突かれた。
縛り ・・・ 場のカードと同じマークのカードを出した場合、次以降はそのマークのカードしか出せなくなる。
マーク縛り・・・ 場のカードと同じマークで続きの数字を出した場合、次以降も続きの数字で同じマークのカードしかだせなくなる
革命・・・ 同じ数字の4枚のカードを、一度に出した時に起こる革命。全ての強さが逆になり、3が最も強く2が最も弱くなる。ジョーカーは変わらない。
階段革命 ・・・・同じマークの連続する数字のカードを4枚以上を出した時に起こる革命。全ての強さが逆になり、3が最も強く2が最も弱くなる。ジョーカーは変わらない。
都落ち・・・ 大富豪が大富豪になれなかった場合、一気に大貧民になる
スペ3返し・・・ジョーカーが2より強いカードとして出された場合、スペードの3のみがジョーカーより強いカードと扱う。
4リバース・・・4が出たら逆回りになる。
5スキップ ・・・ 5を出した枚数だけ次の人を飛ばす。
7渡し ・・・7を出した枚数だけ次の人にいらないカードを渡せる。
8切り(8流し) ・・・ 8を出した場合、場に出ているカードは流れて、もう一度自分のターンになる。
99車・・・8切りと同じ効果。
10捨て・・・10を出した枚数だけいらないカードを捨てられる。
Jバック(Jリターン) ・・・ Jを出すと一時的革命状態になり、Jより低い数を出していく3が一番強くなる。革命時は逆になる。
税収 ・・・ 前の人が出したカードを自分の手札にする。
デス・・・4を3枚出した時、自分以外全員に最も強い一枚を捨てさせられる。
ラッキーセブン・・・7を3枚出した時発動、誰も出せないと大富豪になれる。
姦し娘・・・Qを3枚出すと、次のプレイヤーは最も強いカード2枚を捨てなくてはならない。
アルビノ・ジョーカー・・・Kを3枚出すと、以降ジョーカーは最強の力を失い、強さは10とJの間になる。
お粗末様でした;