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― 女児三名について/小学校一年時担任の証言―
取材日時:事件発生から四日後
取材場所:自宅(郊外)
「もう……何て言えばいいのかね。
みんな、本当に普通の、いい子たちでしたよ」
「一人はね、とにかく元気で。
体育が大好きで、
休み時間になると、
いつも校庭を走り回ってました」
「足も速くてね。
運動会のリレーなんか、
クラスの子たちが
あの子に期待するくらい」
「でも、威張るようなところは
全然なかった。
周りをよく見てる子でした」
「もう一人は、静かな子。
本を読むのが好きで、
授業中も、
こちらが驚くような答えを
ぽつっと言うんです」
「目立たないけど、
勉強は本当に出来ました。
ノートも丁寧でね」
「先生、これで合ってますか、って
いちいち確認に来るような、
そういう子」
「もう一人は……
ピアノが得意でした」
「音楽の時間になると、
表情が変わるんです。
あ、好きなんだなって、
すぐ分かる」
「発表会のときも、
緊張してるはずなのに、
指だけはちゃんと動いてね」
「三人とも、
性格は全然違いましたけど……」
「でも、
問題を起こすような子は
一人もいなかった」
「友達とも、ちゃんと
やってましたよ」
「だから……
どうして、
って気持ちしか残らないですね」
……「私から言えるのはそれだけです」




