12/15
― 川本の実兄の証言―
取材日時:事件発生から十五日後
取材場所:都内某所 喫茶店
「ああ……
弟の件ね」
「まだ、
世間じゃ
いい先生扱い
なんでしょ?」
「あいつは、
昔からだよ」
「女子中学生が
好きだった」
「“好き”って言うと
語弊があるか」
「性的な意味で、
ってやつ」
「だから、
教師になったんだ」
「中学校のな」
「近づけるだろ?」
「合法的に」
「正直、
楽だったよ」
「金もあったし、
頭も悪くなかった」
「俺は、
東京に出て、
そのまま
企業に入った」
「今は部長」
「独身だけど、
困ってない」
「で、
あいつは地元に残った」
「残らせた、
が正しいかな」
「親がさ、
全部段取りしたんだ」
「地元の名家に
婿入り」
「両家にとって
都合が良かった」
「なのに、
あんな事件だ」
「そりゃ、
両家とも
激怒だよ」
「でもさ、
全部を
表に出したら
困る人間が
多すぎる」
「だから“共犯”を
“単独犯”にして」
「丸く収めた」
「いつものやり方」
「俺は、
あいつとは
もう関係ない」
「正直、
早く
消えてくれて
せいせいしてるよ」




