(連載版)『バールのようなモノ』〜最強工具とツンデレ悪魔王とボロ古民家のリノベ奮闘記〜

都心のブラック企業で心を擦り減らし、残ったのは空虚と「何かを創りたい」という狂気にも似た衝動だけ。
30歳の俺、佐藤光一は、人生の再構築を懸け、築60年のボロ古民家をセルフリノベーションすることを決意する。

破壊と創造の始まりに、俺が選んだのは、怪しいネットサイトで見つけた禍々しい『古代鍛造バール』。

ところが、届いた箱から現れたのは――
黒と深紅の甲冑を纏い、威厳を振りかざす銀髪の少女だった！

「我こそは、古代の悪魔王――バエル！そのバールは我の依代（よりしろ）だ！」

こうして俺のDIY生活は、最強の悪魔王を**『召喚された工具』**として使う、チート級の共同作業へと一変する。
テコは魔力となり、数百キロの梁は宙を舞う。

「何を怠けている、人間！新作の濃厚なカップ麺を献上しろ！」と罵倒しつつ、
俺が怪我をすれば無言で治癒魔法を施し、休む口実を作るツンデレなバエル王。

いつしか俺の「道具への執念」は、その甲冑の下にいる一人の少女への想いへと変わっていく。

リノベ完了と引き換えに、契約を終えて地獄へ還ったバエル王。
だが、俺の**「相棒（バエル）なしでは創り出せない」**という狂気的な執着は、
最強の魔王のプライドを侵食し――

「ふん！相棒としての義務だ！次の工具が騒がしい奴だったら即座に地獄に送還するぞ！
それから、今日届いた新作の濃厚なカップ麺、さっさと持ってこい！」

これは、元社畜とツンデレ魔王が、古民家を舞台に繰り広げる、
破壊と創造、そして恋の再構築（リノベーション）ラブコメディ！