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ガーディアン  作者: 月神世一
ガーディアン入隊

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ep 46

【ブロンズ選抜試験】

グリフィン討伐という大きな功績を上げ、アイアンランクの中でも注目される存在となったパーティー「戦乙女・ローズ」。そんなある日、ギルドの受付でイレーザから思いがけない提案を受けた。

「リューネさん、ラビィさん、ドラゴさん、そしてアミュさん。皆さんの最近の目覚ましいご活躍、ギルドでも高く評価されています。……つきましては、そろそろブロンズ選抜試験を受けてみてはいかがでしょうか?」

「ブロンズ……!」

その言葉に、三人の顔に緊張と期待が走った。(アミュはエルフとしての特別な推薦枠があるのか、あるいは既に相応の実力があると見なされているのか、今回の試験は主にリューネたち三人のリーダーシップを見るためのもの、という雰囲気だった)。ブロンズランクになれば、受けられる依頼の幅も広がり、報酬も格段に上がる。名実ともに、一人前のガーディアンとして認められる階級だ。

「でも、私たちにはまだ早いんじゃ……」リューネは少し不安を口にする。

「いや、今の貴様らなら、十分に可能性があるはずだ」不意に、背後から声がかかった。デューク教官だ。「いつまでもアイアンに甘んじているつもりか? 上を目指せる機会があるなら、挑むのがガーディアンだろう」

その言葉に、三人は迷いを振り払った。

「……はい! 受験させていただきます!」

【試験開始】

次の日、リューネ、ラビィ、ドラゴの三人は、数名のツリーランクの新人ガーディアンたちと共に、試験会場となる街外れの村へと派遣された。今回の試験官は、ギルドの上級職員らしい、冷静沈着な雰囲気の男性だった。

試験官は、集まった受験者たちに淡々と状況を告げた。

「諸君らに課せられる任務は、この村の問題解決だ。現在、この村では正体不明の魔物が出没し、畑を荒らし、家畜を襲い、村人に危害を加え始めている。原因は不明、魔物の正確な種類、数も不明だ。諸君らには、リーダーとなるアイアンランクの指示の下、新人たちと協力し、これらの問題を包括的に解決し、被害を最小限に抑え、村に平穏を取り戻すことを求める。具体的な目標達成の基準は、状況による。以上だ。健闘を祈る」

あまりにも漠然とした指示。情報が少なすぎる。これは、戦闘能力だけでなく、状況把握能力、分析力、作戦立案能力、そして新人たちを率いるリーダーシップ、その全てが試される試験なのだ。

リューネは、他のアイアンランクの受験者たちが戸惑う中、すぐに気持ちを切り替えた。

(まずは情報収集と、村の安全確保!)

彼女はラビィ、ドラゴ、アミュ(彼女もサポート役として同行が許可されていた)、そして割り当てられた新人ガーディアンたち(緊張で顔がこわばっている)と共に、混乱の渦中にある村へと足を踏み入れた。

畑は無残に荒らされ、家畜小屋の柵は壊され、怯えた村人たちが家の窓から恐る恐る外を窺っている。地面には、巨大な爪痕のようなものや、粘液のようなものが点在していた。

「被害が思ったより大きい……。皆さん、まず村人の安全確保を最優先にします!」

リューネは即座に指示を飛ばした。

「ラビィ! 村の周囲を警戒! 魔物の接近をいち早く察知して!」

「アミュさん! 広場に避難所を設営し、村人の誘導と、怪我人がいれば応急処置をお願いします!」

「ドラゴ! 君と新人さんの一部で、村の入り口や壊れた柵にバリケードを築いて! それと、念のため罠もいくつか仕掛けておいて!」

「了解!」

「お任せください」

「任せるダゴ!」

三人は、リューネの的確な指示に迷いなく動き出す。

「そして……」リューネは残りの新人ガーディアンたちに向き直った。「君たちには、この魔物の正体と根源を調査してもらいます。村の中や周辺に残された痕跡、村人からの目撃情報、魔物が出現した場所や時間帯、種類、行動パターン……どんな些細な情報でもいいので、詳しく調べて、私に報告してください」

「は、はい!」

新人たちは、リューネの落ち着いた指揮に少し安堵したのか、緊張しながらも力強く返事をし、二人一組になって調査を開始した。

並行して、リューネはアミュが誘導した村人たちを集め、冷静に呼びかけた。

「皆さん、落ち着いてください。私たちはガーディアンです。必ず皆さんを守ります。ですが、魔物と遭遇したら、決して無理に抵抗しないでください。すぐに安全な場所に避難し、私たちに知らせてください」

彼女の落ち着いた声と態度が、村人たちのパニックを少しずつ鎮めていく。

しばらくして、新人ガーディアンたちから報告が上がってきた。

「リーダー! 魔物の痕跡は、全て村の北側にある古い洞窟へと続いています!」

「洞窟の入り口付近には、巨大な足跡と、強い土の魔力が感じられます!」

「村人の話では、夜になると洞窟の方から地響きのような音が聞こえるそうです!」

(洞窟……巨大な足跡……土の魔力……地響き……間違いない、土を操る大型の魔物!)

リューネは全ての情報を統合し、魔物の正体とその根源を特定した。

「皆さん、よくやってくれました! 原因は特定できました。作戦を立てます!」

リューネは仲間たちと新人たちを集め、最終作戦を告げた。

「魔物の巣はあの洞窟です。これ以上の被害を出さないために、まず洞窟の入り口を塞ぎ、魔物を完全に閉じ込めます。その後、私たちと新人さんのうち戦闘可能なメンバーで洞窟内に突入し、元凶の魔物を討伐します!」

作戦は承認され、実行に移された。ドラゴと新人たちが協力し、巨大な岩や丸太で洞窟の入り口を塞いでいく。アミュも土魔法で隙間を埋め、強度を高める。そして、ラビィが周囲を警戒する中、リューネ率いる討伐隊(リューネ、ドラゴ、アミュ、そして戦闘経験のある新人ガーディアン数名)が、松明を手に洞窟の中へと突入した!

洞窟の奥は広く、そこには報告通り、巨大なモグラとアルマジロが合わさったような、全身を硬い甲殻で覆われた巨大な魔物(おそらくアース・ドレイクの一種だろう)が潜んでいた!

「グルルルル!」

侵入者に気づいた魔物は、唸り声を上げ、その巨大な爪で襲い掛かってきた!

激しい戦闘が始まった! リューネが盾で攻撃を受け止め、ドラゴが斧で甲殻を砕こうとし、アミュが魔法で動きを鈍らせ、ラビィ(入り口付近から援護)と新人たちが弓や魔法で援護する! 洞窟内という狭い空間での戦いは困難を極めたが、リューネの的確な指示と、全員の連携によって、徐々に魔物を追い詰めていく。

そして、激しい戦闘の末、ついに巨大な魔物は断末魔の叫びを上げて倒れた!

洞窟から戻ると、村人たちが歓声と共にリューネたちを迎えてくれた。

「ありがとう! ガーディアン様!」

「本当にありがとうございました! これで安心して眠れます!」

「村を救ってくださって、感謝します!」

村人たちの心からの感謝の言葉と笑顔に、リューネたちは安堵の息を吐き、疲れも忘れて笑顔を返した。

試験官は、一部始終を静かに観察していた。そして、リューネたちの前に進み出て、評価を告げた。

「……見事だ、パーティー『戦乙女・ローズ』、及び、協力した新人諸君」その声には、確かな賞賛の色がこもっていた。「混乱した状況の中、冷静に状況を把握し、村人の安全確保を最優先に行動した。新人たちに的確な指示を与えて情報を収集し、原因を特定。そして、危険な魔物に対して、全員で協力し、見事に討伐を成し遂げた。状況に応じた的確な判断力、新人たちをまとめ上げたリーダーシップ、そして何より、仲間を信じ、最後まで諦めなかったチームワーク。……全てにおいて、ブロンズランクのガーディアンに相応しい実力と資質を持っていると認めよう」

試験官は、リューネ、ラビィ、ドラゴの三人に、新たな階級章――青銅色の輝きを持つブロンズランクの証――を手渡した。

「「「ありがとうございます!!」」」

三人は、感無量の思いで、新しい階級章を受け取った。今回の試験を通して、彼らは戦闘技術だけでなく、ガーディアンとしての責任、リーダーシップ、そして仲間との絆の重要性を、改めて深く学んだのだった。ブロンズランクのガーディアンとして、彼らの新たな挑戦が、またここから始まる。

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