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ガーディアン  作者: 月神世一
ガーディアン入隊

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ep 44

【グリフィン討伐依頼】

アミュが正式に加入し、四人となったパーティー「戦乙女・ローズ」。彼女たちは、新たな仲間との連携を確認する意味も込めて、早速クレッセントワルツのギルドにやってきて、依頼掲示板の前に立っていた。四人になったことで、以前よりも心なしか自信に満ち溢れ、どんな依頼を受けようかと活気のある議論を交わしている。

「さあ、今日はどんな依頼があるかな? アイアンランクになったんだし、少し手応えのある依頼に挑戦してみたいね!」

リューネは、掲示板に張り出された無数の依頼書を、期待に満ちた表情で見渡した。

「ねえねえ、リューネ! あっちの『迷いの森の奥地・古代遺跡調査』って面白そうじゃない?」

ラビィが、冒険心をくすぐる依頼を見つけて声を弾ませる。

「いや、オレはこっちがいいダゴ! 『凶暴化オークの討伐』! 強い敵と戦いたいダゴ!」

ドラゴは、分かりやすく戦闘系の依頼に目を輝かせている。

「ふふ、皆さん、意欲的ですね。どのような任務でも、私がしっかりサポートさせていただきますよ」

アミュは、三人の様子を微笑ましく見守りながら、優雅に、しかし頼もしい言葉を添えた。

四人が和気あいあいと話していると、受付のイレーザが近づいてきた。

「皆さん、パーティー『戦乙女・ローズ』として、次の依頼をお探しのようですね。もしよろしければ……こちらなど、いかがでしょうか?」

イレーザが指差したのは、比較的新しく張り出されたと思われる一枚の依頼書だった。そこには大きく「緊急:グリフィン討伐」と書かれ、被害状況と討伐推奨ランク(ブロンズ以上)、そして破格の報酬額が記されていた。

「「「グリフィン!?」」」

三人の声がハモった。(アミュは静かに依頼書に目を通している)

グリフィン――獅子の体に鷲の頭と翼を持つ、空の王者とも呼ばれる強力な魔獣だ。その鋭い爪とくちばし、そして空中からの奇襲は、多くのガーディアンを苦しめてきた。

「グリフィン討伐……。イレーザさん、これは……まだ新米アイアンランクの私たちには、少し難易度が高すぎるのでは……?」

リューネは、依頼書の「推奨ランク:ブロンズ以上」の文字を見て、さすがに少し不安げに尋ねた。オルトロスはデューク教官の助けがあってようやく倒せたのだ。今の自分たちだけでグリフィンに勝てるだろうか?

しかし、ラビィとドラゴは、隣にいるアミュの顔を見て、根拠のない(?)自信に満ちた表情を浮かべた。

「大丈夫だよ、リューネ! 今はアミュさんがいるんだから! きっと何とかなるって!」

「そうだゴ! アミュねーちゃん、すっごく強いんだゴ! グリフィンなんて、ちょちょいのちょいだゴ!」

(ええっ……!?)

アミュは、二人の過剰な期待に少しだけ目を丸くしたが、すぐに穏やかな笑みを浮かべ、「ふふ、皆さんの期待に応えられるかは分かりませんが、私の魔法が少しでもお役に立てれば嬉しいです」と、あくまでチームでの貢献を強調するように答えた。彼女は自分の力を過信してはいないし、仲間にそれを誤解させるつもりもないようだ。

リューネは、仲間たちの(特にラビィとドラゴの)楽観的な雰囲気に、まだ不安を拭いきれずにいた。その時だった。

「――人を守るのが、ガーディアンの仕事だろう。今の貴様は何を守りたいのだ? 自分のランクか? それとも、目の前で助けを求めているかもしれん人々か?」

背後から、低く、しかし芯の通った声が聞こえた。デューク教官だ。いつの間にか、彼らの後ろに立っていた。

デュークの言葉は、リューネの心に深く突き刺さった。

(そうだ……デューク教官の言う通りだ……。依頼があるということは、グリフィンによって困っている人たちがいるということ。ランクが低いから、自信がないからって、それを見過ごしていいはずがない……!)

彼女は孤児院の子供たちの顔を、リリカ親子の笑顔を、そして魔族に囚われていたエルフの子供たちの怯えた瞳を思い出した。

(私は、ガーディアンなんだ。人々を守るために、この道を選んだんだ……! いつまでも、新米気分でいてはいけないんだ!)

リューネは、迷いを振り払い、顔を上げた。その瞳には、先ほどまでの不安は消え、確かな決意の光が宿っている。

「……分かりました!」彼女はデュークと、そして仲間たちに向き直り、力強く宣言した。「グリフィン討伐依頼、私たち『戦乙女・ローズ』が、お受けします!」

その言葉に、ラビィとドラゴは「やったー!」と喜び、アミュも静かに、しかし力強く頷いた。

「よし! グリフィン討伐、絶対に成功させるぞ!」

リューネは、仲間たちの顔を見て、ぎゅっと拳を握りしめた。

デュークは、そんなリューネの決意の表情を見て、厳しいながらも、ほんのわずかに口元を緩めたように見えた。「……フン。威勢だけはいいようだな。死ぬなよ」それだけ言うと、彼は背を向けて去っていった。彼なりの激励なのだろう。

こうして、リューネたち「戦乙女・ローズ」は、新たな仲間アミュと共に、アイアンランクとしては異例とも言える強敵、グリフィン討伐へと向かうことになった。四人の力が合わされば、きっと道は開けるはずだ。大きな期待と、それ以上の緊張感を胸に、彼女たちの新たな挑戦が始まる。

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