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ガーディアン  作者: 月神世一
ガーディアン入隊

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ep 44

エルフの魔法使いアミュが、パーティー「戦乙女・ローズ」に正式に加入した。リューネ、ラビィ、ドラゴの三人は、この頼もしくて美しい新メンバーを心から歓迎し、その日の夜、早速いつもの「お食事処 リリカーナ」でささやかな親睦会を開くことにした。

「アミュさん、ようこそ! 戦乙女・ローズへ!」

リリカが腕によりをかけて用意してくれた料理と飲み物を前に、リューネは少し緊張気味のアミュに向かって、歓迎のグラス(中身は果実水だ)を掲げた。

「今日は難しい話は抜きにして、ゆっくり楽しんでいきましょう!」

「はい、ありがとうございます。よろしくお願いします、皆さん」

アミュは、まだ少し硬い表情ながらも、優雅に微笑んでグラスを合わせた。

しかし、店に入ってきた時、リューネたちはアミュの姿を見て、良い意味で驚かされていた。王宮で会った時の、あの精霊のように美しく清楚な緑のドレス姿とは打って変わって、今は動きやすそうなシンプルなチュニックと革のパンツ、そして編み上げのブーツという、かなりラフな格好をしていたのだ。長い金髪も、今は機能的に後ろで三つ編みにされている。

「えっ!? ア、アミュさん!? その格好……」

リューネは、あまりのギャップに思わず声を上げてしまった。

アミュは、きょとんとした顔で自分自身の服装を見下ろし、首を傾げた。

「あら? 何か問題でもありましたか? 動きやすくて、気に入っているのですが」

「い、いえ! 問題なんて全然ないんですけど……!」ラビィが慌てて付け加える。「その、王宮では、すっごく綺麗で、なんていうか、お姫様みたいな格好をされていたので……ちょっとビックリしちゃって」

その言葉に、アミュは合点がいったというように、くすくすと喉を鳴らして笑った。その笑い声は、やはり鈴のように可憐だ。

「ああ、あれですか。あれは、グレーヌ様やエルフの長老方の手前、礼儀としてきちんとしないといけないかと思いまして。式典用の服は、どうも肩が凝ってしまって……」彼女は悪戯っぽく笑う。「普段は、大体こんな感じなのですよ。森を歩いたり、訓練したりするには、こちらの方がずっと楽ですから」

その気さくで、どこか親しみやすい雰囲気に、リューネたちは良い意味で拍子抜けし、一気に彼女との距離が縮まった気がした。

「へぇー、そうなんだ! なんか、そっちの方が話しやすいかも!」ラビィが正直な感想を言う。

「オレ、どっちのアミュねーちゃんも綺麗だと思うダゴ!」ドラゴは素直に褒める。

「ふふ、ありがとう」アミュも嬉しそうだ。

和やかな雰囲気の中、食事が進む。

「そういえば、アミュさん」ラビィが、ずっと気になっていたことを興味津々に尋ねた。「魔法が使えるって聞きましたけど、どんな魔法が得意なんですか?」

「そうですね」アミュは少し考えてから答えた。「怪我を癒やす回復魔法と、あとは基本となる五属性(火・水・土・風・雷)の魔法は一通り扱えます。でも、私が一番得意としているのは、『自然魔法』……植物や大地、動物たちの力を借りる魔法ですね」

「自然魔法?」リューネが聞き返す。あまり一般的な魔法ではないのだろうか。

「ええ。例えば……こんな風に」

アミュはそう言うと、テーブルに飾られていた小さな花瓶にそっと手をかざした。すると、花瓶に生けられていた花のツタが、にょきにょきと生き物のように伸び始め、隣に座っていたラビィの腕に、優しく、しかし確実に巻き付いた!

「わっ! わわっ! すごい! ツタが勝手に!」

ラビィは驚きの声を上げたが、痛みはなく、むしろ少し擽ったいようだ。

「これは、植物の力で相手を一時的に拘束する魔法です」アミュが説明しながら、再び手をかざすと、ツタはするするとラビィの腕から解けて花瓶に戻っていった。「他にも、硬い土を柔らかくして落とし穴を作ったり、逆に植物を急速に成長させて壁を作ったり、動物と心を通わせたり……色々なことができますよ」

「すっごーい! まるで本物の魔法使いみたいだ!」ドラゴは目をキラキラと輝かせている。

「回復もできて、攻撃もできて、補助もできるなんて……! アミュさんが仲間になってくれて、本当に心強いわ!」リューネも感嘆の声を漏らした。これからのパーティーの戦術の幅が、格段に広がるだろう。

「こちらこそ、よろしくお願いします。皆さんのように勇敢な方々と一緒に戦えることを、光栄に思います」

アミュは、改めて三人に微笑みかけた。その笑顔には、もう最初の硬さはなかった。

美味しい料理と楽しい会話。そして、新たな仲間の頼もしい能力の披露。

リューネ、ラビィ、ドラゴ、そしてアミュ。四人となったパーティー「戦乙女・ローズ」は、この親睦会を通して互いの理解を深め、その絆を確かなものにした。

彼女たちの新たな冒険は、希望に満ちた確かな足取りで、今、始まろうとしていた。

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