ep 24
アイアンランクの階級章を胸に輝かせ、リューネ、ラビィ、ドラゴの三人は、正式なガーディアンとしての第一歩を踏み出した。ギルドに正式なパーティーとして登録するにあたり、まず決めなければならないことがあった。それは、彼らのチームの名前、パーティー名だ。
その日の夕食後、三人はお馴染みとなった「お食事処 リリカーナ」(すっかり彼らの溜まり場のようになっている)の一角で、頭を突き合わせていた。
「うーん、パーティー名かぁ……何がいいかなぁ?」
リューネは腕を組み、悩ましげに首を傾げた。これから自分たちが名乗っていく名前だ。簡単には決められない。
「んー、ボクはねー、やっぱこれだと思うんだ!」ラビィが自信満々に、ぴょこんとウサミミを立てて提案した。「『ニンジンダイスキ』! 可愛くて覚えやすいでしょ?」
彼女の大好物を冠した、実にラビィらしい(?)名前だ。
「却下」リューネは間髪入れずに切り捨てた。
「えー、なんでー?」ラビィが不満そうに頬を膨らませる。
「だめだよ、そんなの! 強そうに見えないもん!」
「じゃあ、オレが決めるダゴ!」ドラゴが待ってましたとばかりに口を開いた。「強そうで、カッコよくて、腹が減る名前……よし、**『ニクダイスキ』**はどうダゴ!?」
彼もまた、自分の好物を力強く主張した。
「それも却下です!」リューネはきっぱりと言い放った。「食べ物の名前はやめましょう!」
「えー?」
「えー? ニクは強いダゴ!」
ラビィとドラゴは、同時に不満そうな声を上げた。
「じゃあ、リューネは何がいいのさ?」ラビィが少し拗ねたように言う。ドラゴも「そうだそうだ!」と頷いている。
「えっと、そうだな……」リューネは少し考え込んだ後、頬を赤らめながら、少し照れたように言った。「ほら、私たち、これから色々な人を守っていくパーティーになるわけじゃない? だから……その、戦う乙女、みたいな……『戦乙女・ローズ』、なんてどうかな……?」
気高く、強く、そして美しく戦い、人々を守る。そんなイメージを込めた名前だった。「ローズ」は、彼女が孤児院で大切に育てていた薔薇の花から取ったのかもしれない。
その名前を聞いて、ラビィの目がキラキラと輝いた。
「ヴァルキュリア・ローズ……! わぁっ、か、かっこいいー! それ、すっごく良いよ、リューネ!」
ラビィは乙女心をくすぐられたのか、大絶賛だ。
「え? そうなのか? かっこいいのか?」ドラゴは、名前の意味はよく分かっていないようだったが、ラビィの反応を見て納得したらしい。「うん、かっこいいならいいぞ! それにするダゴ!」
彼にとって、「かっこいい」は重要な判断基準のようだ。
「えへへ……よかった」リューネはほっと胸を撫で下ろした。
こうして、多数決(?)により、リューネ、ラビィ、ドラゴのパーティー名は「戦乙女・ローズ」に正式に決定した。
まだ駆け出しのアイアンランクではあるが、その名前に込められた想いを胸に、三人は新たなスタートを切る。これから「戦乙女・ローズ」として、どんな冒険と成長が待っているのだろうか。三人は顔を見合わせ、期待に満ちた笑顔を交わしたのだった。




