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恋の魔法

私は魔法使いだ。

ただ、ちょっと気に食わない奴がいる。そう、あの窓際の席に座る彼だ。


何かにつけて私に突っかかってくるし、からかってくる。なんだか胸がむかむかしてくる。

こうなったら私にメロメロにさせて、服従させてやるんだから。


何とかして彼を魔法で振り向かせようと毎日毎日研究に明け暮れた。おばあちゃんにも、お母さんにも聞いた。なんでも、お母さんもおばあちゃんもこの魔法を研究してたらしい。お父さんは何かいい顔をしてなかったけど何でだろう。


そしてやっと完成した「恋の魔法」、準備に少し時間がかかるけど、背に腹は代えられない。

しっかりと下準備をする。おばあちゃんに言われたようにしっかり洋服を選んで、お母さんに言われたようにしっかり髪をセットして…。魔法使いは大変だ。魔法の準備一つするのもこんなに大変だ。


週末、人気の無いところにあいつを呼び出す。魔法を使うところを見られたら魔法使い失格だからね。私を見た彼はぽかんとしていた。これからどんな目に合わされるかも知らないなんて哀れね。かわいそうに思えてくるわ。


さて、人がいないのも確認して、服装なんかも大丈夫、条件は揃ってる。後は間違えないように呪文を唱えて…


「私のことを好きになってくれませんか?」


よし、間違えないで言えた。ちゃんとかかったか、緊張して閉じていた目をゆっくり開けると彼の顔が見えて鼓動が速くなる。


「そんなこと言われてもなぁ…」


え、まさか失敗?

何か間違ったのかな…。せっかくお母さんとかおばあちゃんに協力してもらったのに…。


「もう好きな場合はどうすればいいかな?」


それを聞いた瞬間、顔が熱くなった。なんてことだ。この魔法には欠陥があった。


そう、恋の魔法は、二人にかかってしまうのだ。


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― 新着の感想 ―
[良い点] とてもかわいらしいお話です。 お父さんからしたら面白くない魔法かもしれませんね。 [一言] 拝読させて頂きありがとうございます。
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