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「空っぽ」の独り言

いつか貼られた「クズ」のレッテル

彼は雨上がりの日に来た。

僕はパジャマ姿でそれを見てた。


彼は角が生えてた。彼は爪がとても長く尖ってた。

彼は牙が生えてた。彼は翼が生えてた。

彼は怪物だった。僕はガラスの向こう側の彼を見てた。


僕は怖くなかった。だって彼は泣きそうだったから。

彼は血まみれだった。彼は人を殺した。

僕は殺されると思った。やっと雨が上がったのにな。

今日は外で遊べると思ったのにな。


彼はどんどん近づいてくる。

僕はどんな顔をしていたんだろう。

彼と僕のきょりはとうとうガラスだけになった。

そして彼は言った。


「ごめんなさい」


彼は泣いていた。

僕はガラスの窓をあげてポケットのアメをあげた。


「僕と友達になって」


彼と僕は友達になった。


彼の背中に乗っていろいろな場所に行った。


僕の秘密きちでかくれんぼをした。


僕が持ってきたパンを半分ずつ食べた。


とても楽しかった。






雨が降ったある日、彼はしんだ。


もう動かない。もうしゃべらない。


もうかくれんぼもできない。


もう一緒にパンもたべれない。



彼はしんだ。僕はないた。雨と同じくらいないた。



彼はおまわりさんに殺された。

危ないと思われて殺された。




僕はとても悲しい。悲しい。かなしい。カナシイ。






僕は角が生えた。僕は爪がとても長く尖った。

僕は牙が生えた。僕は翼が生えた。




僕は怪物になった。

雨は止まなかった。











「怖いよ」


「え?」


「こんなの子供が見たら怖がるでしょ」


「別に子供に見てもらいたい訳じゃ……大人用の絵本があってもいいと思うけどな」


「それで、これを見せに行った担当の人の反応は?どうだったの?」


「苦笑いされて「これは、ちょっと……」って言われました」


「そりゃそうだろうね。……あとは?こないだ書いたラノベの原稿。コンクールに送ったんでしょ?」


「ああ、それなら四時に結果が来るらしい。今回は自信あるよ」


「本当に?そろそろ結果出さないとここの家賃払えなくなるよ」


「高校生ってことで見逃してくんねぇかな……あの管理人のおっさんチョロそうだしさ」



「クズじゃん」




「それ父さんにも言われたわ」







ども、気怠げなシュレディンガーです。


あらすじの部分は失礼いたしました(土下座)。


私の連載してある小説を見て頂ければ、これが何の話か分かると思います。


セリフしかない話を書いてみたいって思ったのですが、それだけだとキツイので(全然ネタが浮かばんので)昔書いた絵本チックなショートストーリーを載せました。


タイトル詐欺がすごいですが、最後まで読んでくださりありがとうございます。

どうか連載小説も読んでくれると嬉しいです。

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