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「やわらかな春風を頬に感じ、心華やぐ頃になりました。あなたと僕が、初めて出会った季節でもありますね。」
今僕は、手紙を書いている。大粒の涙を流しながら。
届くはずのない女性に・・・・
---------一年前-----------
三月下旬、終業式が終わり、春休みが始まって早くも一週間がたっていた。
俺は何もやることがなく、ベッドに寝転がりながらスマホをいじり今日も無駄な一日を過ごそうとしている。
「充実した春休み!」と大きく書かれたカレンダーを見て、大きな溜息をつき全く充実していない春休みを実感していた。
「俺は一体、なにをしているんだろう・・・」
昔は、こんな自堕落な生活をしていなかった。一体いつから俺は変わってしまったんだろう。