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姉からの手紙

姉が行方不明になった。


ある日、僕達に何も言わずに忽然(こつぜん)と姿を消した。彼女の自室にはこんな書き置きが残されていた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


しばらくの間家を出ます。

事故や事件に巻き込まれたとかじゃないので、安心してください。あくまでこれは私の意思による家出です。

しばらくしたら戻るので、探さないでください。身勝手な要求だってことはわかってますが、どうか理解してください。


○○(姉の名前)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


確かに、それは姉の字だった。


最近元気がないとは思っていたが、まさか家出するとは。しかも、姉はもう成人済みだ。僕達家族は、色んな意味で衝撃を受けた。


勿論、こんな数行の素っ気ない文章で納得するわけがなく僕達はその書き置きを片手に即座に最寄りの警察署へ向かった。

そこで聞いた話によると、どうも姉はストーカー被害に遭っていたようだ。彼女が姿を消す前日、そのことについて署を訪れていたことがわかった。


姉が僕達家族にそのことについて相談したこともなかったので、僕達は尚更(なおさら)衝撃を受けた。あなた達に心配させたくなかったのだろうと警察は言った。


そして、どういうわけか警察は姉の捜索には消極的だった。


それから数日後、僕達の元に一通の手紙が届いた。しかしその内容は意味不明なものだった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


●とえし●えのきひとまるからえのあえとぱーとぬえろにるいえるためのすとてえけてのね


HBCONaPSClCaScTiFeNiZnGaSeSrY


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


最初は悪戯(いたずら)を疑ったが、その字は間違いなく姉のものだった。


僕は何とかしてその文章を解読した。やがてそれは、「●●(地名)駅前のアパートに監禁されている」という内容の暗号であることがわかった。


警察に頼れない今、僕が行くしかない、と思った。

家族に心配をかけるわけにはいかなかったので、この暗号の内容は彼らには伝えなかった。


僕は万が一のために護身用のバットを携えて、その暗号が示すアパートへ向かった。

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