ちょっと時系列がおかしい旅立ち
旅人です。
(一年に旅行三回はいくから旅人っていっても良いよね?)
初投稿なので、おかしな表現がありましたらご指摘下さい。
世界に魔物が大量発生したあの日、現れるはずの魔王は降臨しなかった。そのせいで、魔物達は同時期に現れた勇者によって殲滅された。
知能ある魔物達は、勇者に追われる毎日で魔王を待った。逃げに逃げ続け、穴すらも掘ってひたすら魔王を待った。
だが、とうとう魔王は現れなかった。
最後の知能ある魔物として有名なヴァンパイアは、勇者に銀の十字架に貼り付けにされながら、魔王を罵倒した。
「勇者、お前など魔王がいれば瞬殺だっただろうな。
まあ、あの裏切りヤロウのことをいうのは胸くそ悪いな。
あっちの世界で散々威張り散らしてきた癖に、俺らの危機を救おうともしねぇ真正のクズだ。
俺はもう命は諦めた、だがもう、あの裏切り者の配下じゃねぇ。」
直後、彼の体は消滅した。勇者がヴァンパイアの遺言が終わっただろうと見切り、聖剣を縦横無尽に振り回したのだ。
知能ある魔物は世界から絶滅した。その日のうちに勇者は、魔王が現れたとしても即座に倒せるよう、眠りについた。
それが俺の聞いた、愚かな魔王の物語である。
ああ…魔王って人にも魔物にも恨まれているじゃん。
◇◇◇◇
一瞬の停滞の後に、俺は目覚める。
甘い二度寝の誘惑を振り払い、筋張った体を無理矢理起こした。
「ふあぁーあ…」
だらしない欠伸が口から漏れ、乱れた髪を押さえる。
「ここは、何処だ?」
寝ぼけ眼でまわりを観察し、自問自答する。誰もいないようだから、完全な独り言である。
関節が悲鳴を上げるのを無視して立ち上がり、軽く歩いてみる。裸足だったため、心地よい石の冷たさがもろに伝わってきた。
「ここって多分何処かの遺跡だな…」
うん、誰でもそれくらい分かると思う。お決まりのツッコミを終え、真面目に現状を考えてみる。
「先ず、記憶の確認だな。腹減ってるから、手短めに考察を終了しなければならないとは思うが…」
自分はキュスヌ グサンであり、歳は10代…というように、俺は個人情報をひたすら羅列していく。
「違う、個人情報なんてだれも聞いちゃいない。ここにいた理由とかなんとかが重要だ」
再び考えてみるも、それについては全く出てこない。頭を叩いてみても出てこないのだ。
「うーん、こりゃ困ったぞ」
その場にへたり込み、なぜか乱れていた息を整える。
状況が分からない。しかし、何故か明るいが、ここは遺跡の地下のようだ。
俺がここにいるのは、拉致られて連れ込まれたか、自分の意思でここまで来たからだろう。
「ここにいても何も始まらない。だから歩こうじゃないか!!」
これからの行動を決定し、勢いよく立ち上がる。
…腰が鳴ったのは、俺が年寄りだからではない。
ご拝読、あざす!
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