とりあえずやる事やりましょう。
目を覚ますとそこはやはりダンジョンだった。
夢オチだったら良かったのにな……
まぁ仕方ないので出来る事をする。
ダンジョンコアは元を作れば後は埋めておくだけで良い。
造る材料の精製などに時間がかかり作れる者も少ないようだ。
造られたコアはダンジョンが無い場所に埋められて魔素を吸い一定期間したら作動し、ダンジョンマスターを選定し相応しい相手がいない場合、神が何処かから引っ張ってくるようになっている。
コアとマスターはリンクしている。
さっき触れた時に正式にリンクしたらしい。
コアが破壊されれば俺が死に、俺が死ぬとコアも壊れるらしい。
傷が付いた位では問題無い。
死傷レベルになるとフィードバックがあるそうだ。
箱に入れて押し入れにでも大事に仕舞っておきたい物である。
現在このダンジョンは外に繋がっていない様だ。
外敵により、コアの破壊がされない様にある程度深い場所に埋まっているらしい。
ダンジョンマスターは酸素を必要としていない様で、暗視もできるらしく光源無しでもくっきり見える。
飲食物は嗜好品のようで必要ではないらしいし、温度の変化にも強いらしく高温にも低温にも対応しているようだ。
体は成長途中らしく成人すると老化などせずそのままらしい。
所謂不老と言うやつなのだろう。
運動能力は元の体と比べるのも烏滸がましいものになっている。
無駄に高性能な体のようだ。
「とりあえず出来る事調べるか」
コアを調べると半透明のウィンドウが出せた。
使い方はコアを触った時にダウンロードされたようだ。
コアステータス
保有魔素 80,000/100,000
コアスキル
・ダンジョンクリエイト…魔素を消費しダンジョンを作り変える。
・モンスタークリエイト…魔素を消費しモンスターを生み出す事が出来る。既存のモンスターを調整して作る事も可能。
・眷族クリエイト…魔素を消費し眷族を生み出す事が出来る。
・眷族化…モンスターや人を眷族にする事が出来る。
・魔改造…魔素を消費し道具や生物を改造する事が出来る。物のランクを超えた改造は出来ない。
・魔素吸収…魔素をより効率的に吸収できる。
・魔素浄化…歪んだ魔素を正常な魔素へと浄化する。※常時発動。
・魔素成長…保有魔素が許容量を超えると成長する。※マスターとリンク中。
・成長共有…ダンジョンマスターと成長を共にする。※マスターとリンク中。
ダンジョンマスター
ステータス
HP1000/1000
保有魔素1000/1000
攻C
防C
魔攻A
魔防A
速C
所持スキル
・鑑定眼…人物、道具などのステータスを閲覧できる。
・魔素吸収…魔素をより効率的に吸収できる。※個人差有り
・魔素操作…魔素を自由に操れる。※個人差有り
・アイテムボックス…異次元の収納スペース
・成長期…ステータスなどが成長しやすい。※期限有り成人体まで
称号
・ダンジョンマスター
・異界の魂を持つ者
・天才肌
と出た。
ステータスはF~SSSまであり、普通の成人男性でD~Cらしい。
狩りを生業にしていたり、兵士や騎士などの戦う職に就いている者は高い傾向にあるようだ。
つまりCの攻を持っている俺は力の強い大人と同じぐらいの力があるという事になる。
見たところ魔法使いタイプのステータスなのだが流石高性能ボディーである。
魔術は体を動かすのと同じようにできた。
水を生み出し生き物のように動かしてみたり、光の玉を作ってみたりと色々できて楽しいものだ。
足を肩幅に開き、腰だめに構え両手を額に伸ばす。
「○陽拳!」
カッと光が溢れ出す。
目をつぶって使ったが瞼越しに光を感じる程だったので結構な威力だったのだろう。
その後も細かい設定を調べていく。
保有魔素はダンジョン内に居れば共有可能という事。
魔素吸収は意識せずとも使える事。
眷族クリエイトで直轄の魔族を生み出せる事。
モンスタークリエイトで生み出したモンスターは交配可能で、子孫も眷族として扱われる事。
眷族とは一定の知能があれば言葉を介さずとも意思の疎通が可能だという事。
サイズを小さくしたり能力を低く設定すれば消費魔素が低い事。
直轄の魔族は純粋な魔素があれば飲食の必要はない事。
エトセトラ
など他にも色々な事が分かった。
とりあえず眷族の魔族とモンスターを生み出してみた。
まず魔族は10cm程の身長で虫の羽の生えた男一人。設定を弄って執事服を着ている。
知能と速を高めにしサイズを小さくした魔族で蠅の羽が生えている。
会話が可能で知能を高めにしただけあり頭がいい。
何気にイケメンである。
もう一体魔族を生み出す。
ジャーマン・シェパードを元にした魔族で今は肩に蠅魔族を乗せている。
人型と動物型に変身可能で今は人型だ。
服装はこちらも執事服だ。
犬魔族だけあり主に忠実でまさに忠犬である。
こちらも知能を高めに設定し速も上げた。
人型時はワイルドなイケメン。
モンスターは蠅型の魔物を知能を与えられる最小サイズで生み出す。
普通の蠅と変わらないサイズのモンスターにできた。
力などは求めず速さを求めた設定だ。
もう一種類はジャーマン・シェパードをモンスターにしたものを生み出した。
こちらも知能と速を高めにしたモンスターになっている。
モンスターだけあり速を高めても普通のジャーマン・シェパード並みの力があった。
「主様、何なりとご命令を」
蠅魔族が言うと犬魔族も続く
「ご主人様ご命令を!」
「まずお前たちに名を与えよう。お前の名はベルゼだ。次にお前の名はソウガだ」
蠅魔族にはベルゼブブから犬魔族は二本の犬歯が見えたので双牙でソウガだ。
返事がないのでしゃがみ込み顔を見る。
号泣だった。
「生み出して貰ったばかりで、名前を与えて下さるなんて…」
「俺たち一生ついていきます」
どうやら気に入ってくれたようだ。
「お前たちには俺が目覚めるまでダンジョンの外の情報を調べてもらおうと思っている。これからダンジョンクリエイトで、この場所を広げると共に外への通路を一本作る。外の情報を集めると共にモンスター達を交配させ勢力を増やせ!情報を元に戦える様なら複数で狩りを行え。ベルゼは蠅型を、ソウガは犬型を直轄にし行動範囲を広げる様にしろ。一定距離ごとに中継地点を作り情報の伝達を怠るな。罠や狩人などには気を付ける様に。分かったか?」
「「ハッ仰せのままに!!」」
返事を聞くとコアを使い今いる場所を広くし中央に台座と寝床を作る。
外への道はこいつ等なら通れるが、大人では這うか匍匐前進でないと通れないサイズの穴をあける。
穴は出入り口は一つだが途中で二股に分け、一方通行で進めるように作る。
穴の長さは200mほどあり出た先は山奥のようだ。
入り口が分かりずらい様に隠蔽して行動を開始させる。
俺は作った寝床に横になり魔素を弄って時間を潰す。
数十分弄って色々出来ないか調べているとスキルを覚えた。
魔素圧縮…魔素を圧縮し濃密な魔素にし保有する事が出来る。※常時発動、ON/OFF切り替え可
取りえずONにしておく。
やる事も無くなったので寝る事にした。