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第七話
私は、警官の言っていた、「メンチカツ」に引っかかった。
それを聞いてから私はネットで「メンチカツ」を調べた。
正確には、ニュースで流れてきた「メンチカツだけが残り失踪する事件多発」という言葉を聞いてからだったが、私はもうメンチカツに夢中になった。
ネットによると、
『生暖かいメンチカツが残って失踪の謎』
『そのメンチカツが喋りかけてきたとかキチガイワロタ』
『私の中でお兄ちゃんは生き続ける』
など、不思議なことばかりだ。
「喋るメンチカツ・・・それはつまり、メンチカツこそが失踪した人だということ?」
私はそんな荒唐無稽な物語を思い浮かべた。
「バカバカしい。」
そんなわけない。お兄ちゃんはメンチカツになんてならない。人間はメンチカツになんかならない!
「メンチカツが喋る?や
本当にキチガイ!ありえない!
私はいろんなことを思い浮かべては否定を繰り返した。
でもあることに気がつく。
否定し続けていたら答えが遠退く気がしたのだ。
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作:ナルミネ
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