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驚天動地の異世界魔法伝  作者: ろーたす
第三章 教国動乱
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第十三話 王女救出作戦Ⅱ 激闘

「あははははははは!!!」


洞窟にガーデンの笑い声が響き渡る。


グレイスが振るう光の鞭がガーデンを襲った。

それを全て躱し、ガーデンは黒い爪が生えた古代遺産アーティファクトをグレイスに向けて突き出した。


「《天照鞭てんしょうべん》!!」

「無駄ぁぁ!!」


グレイスが繰り出した一撃を腕を振って弾き、ガーデンは勢いよくグレイスの腹に蹴りを放った。


「うぁっ・・・!!」


吹っ飛んだグレイスに向かって次々に魔法が放たれる。


「あははは、《黒咆天ブラックブレッド》!!!」


その魔法は辺り一面を破壊していく。

鞭を使って何とか防ぎきったが、先程の蹴りであばらが何本か折れてしまったようだ。


「っ・・・」


グレイスが激痛に顔を歪める。

ふと向こうを見れば血を大量に流して倒れているティアの姿が見えた。


「まったく、何寝てんのよばーか」


まさか相手も古代遺産アーティファクトを所持しているとは思っていなかった。古代遺産アーティファクトは所持者の能力を最大限に引き出すことができる。


あれだけ厄介な魔法を連発してくるのが面倒だ。


「あれぇ、もう終わりですかー?」

「何言ってんのよ、まだまだこれからよ」


鞭を叩きつけて相手を睨みつける。

こんな年下に負けるわけにはいかない。それに、相棒があれ程のダメージを受けてしまったのだ。

私までここで倒れるわけにはいかない。


「さあ、いくわよ」


魔力を鞭に込めて勢いよく振るった。

それを余裕で躱し、ガーデンは壁を蹴ってこちらに迫ってくる。


「《死爪しそう》!!」


ガーデンが右腕を振ると、そこから放たれた黒い魔法がグレイス目掛けて飛んできた。


「うっ─────」


それを避けようとしたが、グレイスの身体を激痛が襲う。

一瞬動きを止めたグレイスの足をガーデンの魔法が切り裂いた。


「うぐぅ・・・!」

「あはは、無様ですねぇ、そんなのも避けれないんですもんねー」


そう言ってガーデンは右腕に魔力を集めていく。


「ふん、ほんと生意気ね」


グレイスも鞭に残った魔力を込めていく。

この一撃で勝負をつける。


「さあ、そろそろ終わらせよう!!」


ガーデンの姿がブレた。来る。

身構えたグレイスの目の前にガーデンは現れた。


「死ねぇ!!」

「っ──────」


鞭を振るおうとした瞬間、再び激痛がグレイスを襲った。

動きが止まったグレイスの首元に向かってガーデンの爪は迫ってくる。


「あ─────」


これはもう駄目だ。回避しようがない。

覚悟を決めて目をきつく閉じた。だが、いつまで経ってもグレイスにダメージはない。


「ティア・・・!」

「まっ、たく、油断しちゃダメだってば・・・」


ティアは顔色を悪くしてグレイスの前に立ち、光の壁でガーデンの爪を受け止めていた。


「さ、トドメはよろしくね」

「え、私がやんの?」


必死に爪を食い止めながらティアが言った。


「・・・しょーがないわね、私に任せなさい」


グレイスに魔力が集まっていく。


「くっ、邪魔ですねぇぇぇぇ!!!」


次の瞬間、ティアの魔法が砕け散った。

爪が猛スピードでティアの顔に迫る。だが、その爪はティアに当たる直前、グレイスの鞭に巻きつかれて止まった。


「な─────」


ガーデンが目を見開く。


「悪いけど、過去最高にイラついてるから、とっとと終わらせるわ」

「くっ、何を言って────」


ガーデンが言い終わる前にグレイスは腕を振って彼女を壁に叩きつけた。


「うっ、あああ!!」

「終わりよ、聖天術カオシックルーン照崩閃しょうほうせん》!!」


グレイスの身体から凄まじい光が放たれた。

放たれた光はガーデンがぶつかった壁ごと破壊し、何十回も爆発する。


「うああああああああ!!!」


派手に壁を突き破り、ガーデンは向こうの空間に吹っ飛んでいった。


「ふ、ふふん、どうよ」

「結構際どい戦いだった」


そう言うティアは顔色が悪い。あれだけ血を流したので当然だが。


「まあ、お疲れ様、グレイス」

「・・・ふふ、そっちこそ、ティア」


向こうの空間で倒れているガーデンを見てボロボロの二人はハイタッチした。







「ふん」


魔力を拳に集め、ロイドは現れた悪魔を殴った。

その衝撃で悪魔の上半身が吹き飛ぶ。


「相変わらず凄い鉄拳だよね、これだけの数の悪魔と教団関係者を倒すなんて」

「お前に言われたくはないんだが」


そう言ってロイドが辺りを見回すと、少し向こうにいるアーサの周りには山積みになった教団関係者達がいた。


「しかし、これだけの悪魔を呼び出すのにどれ程の人間を犠牲にしたんだろうね、黒の教団は」

「まあ、少なくとも50は超えるだろうな」


ロイドが洞窟の奥へと歩き始めた。

それに続いてアーサも歩き始める。


「アルフィンちゃん、無事かな?」


アーサが前を見ながら言った。


「まあ、無事だろう。まだ悪魔王は復活していないしな」


そう言ってから、ロイドはアーサを見て少し口角を上げた。


「そういえば、あのヒイラギユウってやつ、まだ完全に能力を引き出せてないな」

「あ、確かに。何かまだ無意識に力をセーブしてるんだろうね」


彼ほどの実力者が更に強くなったとしたら。

ロイドやアーサを超えていく存在になるのだろうか。



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