表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初々しい恋  作者: 卯月桜
4/4

〖繋いだ手と手〗

短いです。


文房具屋に着いて目当てのノートの他にもうなくなりそうな鉛筆とスケッチブックを購入した。

私は美術部で絵を描くのが好きなので直ぐに無くなってしまうのだ。



文房具屋を出る頃には空が夕焼け色から夜になろうとしていた。

駅から出て来る人達を避けながら大宮君を見失わないように早歩きをする。

私の背が小さいからなかなか思うように前に進まない。

ふと前を見たときには大宮君は見えなくなっていた……。

慌てて進もうにも丁度帰宅時間なのか人の波が全然少なくならない。

そんな私の手を掴む大きな手。

ビックリしてその手の先に目線を移せば汗をかいた大宮君がいた。



「はぁ……っ、ごめん。こんなに人が多くちゃ木下は進むの大変だって気付かなかった。」

「あ……、ぅうん、大丈夫……大宮君が来てくれたから、もう平気。」

「……手、繋いでたらはぐれないだろ。」

「う、うん。…ありがと……。」



大宮君と繋いだ手から私のドキドキが伝わりそうでキチンと目を合わせられない。

私、手汗かいてないかな?大丈夫かな?

何だかドキドキし過ぎてどうすればいいのかわからなくなる。

私さっきはどうやって話してたかな?



「木下、……結構暗くなっちまったから今日は家まで送る。」

「………え?」

「いや、だから家まで送るから。」

「え!…あ、あの……別にだ…」

「因みに決定事項だから。木下は気にせず送られてればいい。」

「はぃ……。ありがとう、ございます。」

「うん。」



私の家までの帰り道に大宮君は私に一つの約束をさせた。

何だかドキドキと幸せがいっぱいな1日だったな。





「木下って美術部だったよな? 何描いてんの?」

「えっとね、今は屋上から見える町並みを描いてるんだ。そんなに上手じゃないから恥ずかしいんだけどね……。」

「へー、屋上かぁ。普段は鍵閉まってるから屋上から見える町並みなんて見たことねーな。」

「凄い綺麗なんだよ。 特に夕方になる頃の時間が好きなんだ。」

「じゃあさ、その絵が完成したら俺にも見せて? 約束。」




この日感じた感情は何時までも忘れたくない私の宝物。

初めてのデートも初めて手を繋いだことも初めての約束も。

これからもずっとずっと、大宮君と積み重ねていきたいな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ