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乙女ゲームにTS転生したけど友情END目指します

作者: ケーラ

寝る前に思いついたネタ。

暇つぶしに投稿してみる

初めまして。


この度、転生しました。いやはや本当にあるものなんですね。びっくりです。ところで、どうすればいいんですかね。


いや、本当どうすればいいのマジで。


いきなりトラックが突っ込んできて転生とか…。

テンプレすぎるだろ…。

まあ前世に未練はあるけど、死んでしまったものはしょうがない。折角生まれ変わったんだから精一杯今世を楽しもう。


なんて言えるか!!


前世に未練タラタラだよ!せめてママとパパにお別れを言いたかった。贅沢な願いだとはわかっているんだけど、思わずにはいられない。一人っ子だったから、孫の顔を見せることも出来ないんだ。



ああ、ごめんなさい私は親不幸ものです………。




「おい、そこをどけ。通れねぇだろうが」


前世に思いを馳せていると、後ろから声をかけられました。

義姉…いや、義兄の久我柚葉です。因みにこいつも転生者です。


「少し黙ってて下さい。今、昔のことを思い出しているのです。前世のパパとママを思い出してノスタルジーなんです」


「……そうか。それよりそこをどいてくれないかな?転校初日に遅刻とか笑えないことになる前に」


「いそがない、いそがない。学校は逃げませんよ」



私は今男の体です。普通なら前世を忘れ男として生きてゆくんでしょうが、うちの家は普通じゃありませんでした。

私達の血筋は前世帰りがしやすいらしくて、先祖代々ほとんどが転生者です。そのおかげで理解者も多く、私は女として生きていけるようになりました。


柚葉は反対で、今は女の体だけれど男として生活しています。


「まだ登校には時間があります。6時にもなっていません。とりあえず朝ごはんを食べて下さい」


「だけどさ……」


柚葉が焦っているのには理由があります。

ここは前世でこいつがやっていた乙女ゲーの世界にそっくりなのです。


「朝は金!おなかが空いて倒れてしまったらどうするんですか」


「…わかったよ。そうだな、俺も焦りすぎてた。ここを乗り切れば自由になれるとわかったらつい…」


我が家には家訓が幾つもあります。ほぼどうでもいい内容ですが、重要なのもあります。


先祖代々転生者な我が家は何故か事件に巻き込まれます。それを解決すれば一人前として認められ、自由が与えられることになっています。

こう言うと結構大事なことに見えるのでしょうが、なんてことはありません。今でも充分自由ですから。5歳で一人旅に行く許可が出るくらいは自由です。


では事件を解決すると何があるのかというと、ご先祖さまが残した秘宝を使っていい権利が与えられます。とある大国の最重要機密や数々のスキャンダル、宇宙人と話が出来る装置、歴史に残る様々な人物の遺品、異世界と地球を繋ぐ扉etc…

数え上げたらキリがありません。


魅力的な秘宝を手に入れるため事件を解決し、その結果手に入ったものが秘宝と成って、また別の人がそれを手に入れるために………という無限ループが完成したのです。


私達が事件を解決したらイケメンの写真集が増えるでしょう。


私ももちろん秘宝が欲しい。特に『性別が逆転する薬』が欲しい。柚葉も同じ気持ちです。

そのために解決する事件は先ほども言った乙女ゲームそっくりの世界。そこでゲームにない終わり方でクリアすると事件解決になり、秘宝の使用が解禁されます。


私達で決めた条件。クリアするために精一杯の努力をしてきました。


「焦って失敗したら元も子もありません。大丈夫ですよ。私もいるんですから」


「柚月……ありがとう、頑張ろうな!」


あ、自己紹介がまだでしたね。私、今世では高津柚月と名乗っています。

本来のシナリオでは生意気な義弟というありきたりな設定です。もちろん攻略キャラです。


ですが今は私ですし、柚葉と苗字も変えています。これは万が一の時の為の対策です。兄妹とバレたらめんどくさいことになりますから。


「あたりまえです!!入念に準備はしましたし、あとは前世で出来なかった青春を楽しみましょう!」


「ああ!……て、もう時間じゃね?遅刻するぞ!」


時間が経つのは早いものです。もう時間ですね。しかしこいつは何を焦っているんでしょうか。まだ6時前だというのに。


て、あれ?さっきから時計の針が進んでいない…故障です。

腕時計をみると7時55分。ここから学校まで20分かかるので、遅刻ですね。


「あああああああ!!!遅刻だ!完全に遅刻じゃねーかぁぁあああ!」


柚葉が嘆いています。

なんということでしょう。これでは共通シナリオが発生してしまいますね。


「急げば間に合います。走りましょう」


おそるべし世界の修正力。時計を壊して遅刻させようとしてきましたか。


「前途多難ですね」


「そうだな。でも今はとりあえず急ぐぞ」



私達はゲームの中のハッピーエンドを現実でも実現させようとしています。それも最高の友情ENDとして。。全ての攻略キャラを幸せにして、彼女ではなく親友として終わらせる。

愛で盲目にさせるところを友情でつないでいく。


難易度はベリーハードです。しかもセーブもロードもなし。敵はバグを修正しようとする世界そのもの。



ああ、本当になんていうか。


楽しくなりそうです。










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