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彼方よりカナンの鍵へ  作者: 一沢


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断章 知らぬ者達の軋轢

「対象を確認————排除を開始する」




 傭兵崩れに映ったとしても、それぞれが並み居る精神科医、神経科医を大きく引き剥がす頭脳の持ち主達だった。何故だ?ガキ一匹ぶっ殺すだけなら本物の傭兵でも雇って、ガキを始末。そして現実の傭兵の身体を殺せばいいだけだ。




 しかして、この楽園カナンは選ばれし人間にのみ門を開く聖域である。その狭き門たるや、自分達が取捨選択した、自分達にのみ頷く傀儡が最低条件であった。




「調子に乗り過ぎたんだよ、ガキ。俺に金の講釈垂れやがって」




 無駄口を開くな、と告げるべき指揮官も現状に興奮していた。ただの噂止まりだと、理論上あり得ないと理解していた精神世界を、ここまでの再現性、解像度で既に完成されていたなど。この場があれば、何でも出来るではないか。そう確信していた。




 向けられる銃口は、ただの5.56mmではない。紛れもない7.62mm————いわゆるAK弾である。現行の防弾装甲服は、前記の弾を軽々弾き貫通を許さない『絶対的』とも言える防御性能を誇ってしまっている。これでは現代の紛争。戦争では役に立たない。そう確信した各国が手にしたのが、灰を被っていた重いAKである。




 傭兵達が手にした銃火器は折れ曲がるストックに、軽さを追及した極限までカーボンを使用した玩具のような、最新鋭の突撃銃であった。




「こんなものをホイホイ造り出して、幾らでも配備できるなんてな。仮想ゲーム世界も悪くねぇな」




 だけど、彼らは知らない。こんな子供だましが『彼』に通じる筈がない。




 ここは確かに仮想世界である。なのに、現実世界にとって有益なだけの物質的な武器にどれだけの価値がある?彼ほど、カナンを理解していないのだから仕方ない。




「構えろ————10・9・8・7————」




 一歩一歩踏み込んでくる。自分がこれから血溜まりになるとも知らずに。




「5・4・3———」




 あと2秒足らず。彼らは尚も動かなかった。あと一秒足らずで血溜まりになるとも知らず————。




「発砲許可、放てッ!!」




 引金に指をかける。頭を果実のように破裂させうる姿を想像しながら、ストッピングの起動を視界の隅に置きながら—————彼らの真上から鋼鉄の四肢が降り注ぐ。

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