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ななじゅうきゅうかいめ
今日の空はなんだか龍のようだった。
薄い層が細長く線を引くかのように青空に散らばり、太陽の位置に集まっていくようで、とても幻想的だった。
雲に覆われていても太陽の光が私にまで届いたのだから、太陽を覆っている雲もそこまで層が厚くないのだろう。
時間が経って、辺りがすっかり暗くなった。
今日は一本道を変えて帰る。
暗くて、何度か通った道でも全く知らない道のように思える。
この暗さに少しの安心感と、怖さを覚える。
私は怖いのは苦手なのだ。
暗くてよく見えなくても、新しい発見はあるもので、ベランダの物干し竿のうえで赤青と光る謎の物体に、猫の喧嘩する声。
油断して歩いてた時に犬に吠えられ、思わず変な声がでたこと。あの道を通るときは気をつけよう。
不安だとか、怖いことが多い夜だが、暖かさを覚えることもあるのだ。
今日はなんだかそんな日で、寒さが限界に達するまでよく知らない道を歩き回った。
その後によく知る道に出た時の安心感は、なかなかない。




