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よんじゅうごかいめ
時たま私は、音がやけに遠く聞こえることがある。
何か機器を通して聞くような音というか、ビデオカメラで撮ったものをテレビで流している時のような音だ。
それこそ私が存在を忘れるくらいの頻度で、たまたま今日起こって思い出したから書いている。
どこかその時の出来事は、現実感があまり感じられないが、あとから思い出せないなどではない。
ただ、聞こえてくる音がどこか違和感を覚えるような感じだ。
自分の声でさえも、何かを通して聞こえるような感じで、少しづつその違和感が蓄積して行く。
ただ、何かをしていると大抵治ったなど認識することもなくいつも通りの状態になる。
子供の頃は、これを誰かに伝えたがあまりに感覚的なもので信じて貰えず、上手く伝えることが出来ずにしょぼくれていたことも思い出した。
その日伝えられなかったことを、ずっとあとにこうやって文字に起こして、残して、その時の自分を慰められるといいのだけれど。




